このページには最終編とそれ以降のネタバレが存在します!!
直接のネタバレはある程度隠してありますが、ネタバレされないことを保証するものでは一切ありません。
ネタバレ部分はクリックで表示できます。

最終更新:2025-05-05 (月) 16:56:33

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目次

2023/10/28 [全般] 第1部最終編 完結記念 開発者コメンタリー(グローバル版公式) Edit Edit

本記事は最終編に関するネタバレがあります

グローバル版で、第1部最終編が完結して1か月ほどしてから行われた開発者コメンタリー。
動画は前半・後半に分かれている。前半と後半で、登場スタッフは同じ。

トピックは、4th PV最終編の構想と制作開始までの経緯、および制作裏話。

登場スタッフはイム・ジョンギュD(企画ディレクター)キム・イン (hwansang)(アートディレクター)Sung JiWon (Rozred)(アート副ディレクター)isakausan(シナリオディレクター)DoReMi(キャラクターキービジュアルアーティスト)filloon(背景コンセプトアーティスト長)

以下、韓国語字幕をOCRしてDeepLで日本語訳したものを基にした要約。

第1部最終編 完結記念 開発者コメンタリー 前編 Edit Edit

スタッフ自己紹介 Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • filloonさんは今回が初参加ですね
  • filloon 背景コンセプトアーティスト長
    • filloon.jpg
    • このような場が初めてで緊張しています。飼っているハムスターの名前とプロフィールで参加しました
    • 最終編の放送をすると聞き、ブルーアーカイブの背景を紹介する機会になると思い参加を決めました。よろしくお願いします
  • イム・ジョンギュD
    • ジウォンさんも久しぶりの登場ですね
  • Sung JiWon (Rozred) アート副ディレクター
    • はい、私は元気でやっていることをお知らせするために出演を決めました
    • 前回の放送を撮ったのは、最終編の開発直後だったので1年半前でした。私自身、放送で私の姿を見てびっくりしました。たくさん心配をしてくださってありがとうございました(注:前回登場時はずいぶんとやつれた姿をされていた)
    • 当スタジオは決してブラックスタジオではないことを強調しておきます
  • イム・ジョンギュD
    • 私たちは絶対にブラックを目指す...自発的なブラックを目指す...
    • 冗談です
    • それではこれから最終編のコメンタリーを始めます
  • isakusan
    • あ!ネタバレ注意です

最終編 制作経緯1:プロジェクト初期の構想('18年~'21年初頭) Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 最終編は2ヶ月に渡り、全4章で構成されていました。(グローバル版では'23年)7月21日から9月5日にかけて公開されました
  • isakusan
    • 長いですね
  • filloon 背景コンセプトアーティスト長
    • 最終章の準備期間も長かったと思うのですが、最初はどういった経緯で始めたんですか?
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 構想自体は'19年に1st PVの制作中に初めて聞きました。1st PVの最後に上がる光をジュヨンさん(isakusan)が横から見て「 実は宇宙戦艦なんだ 」という話をほのめかしていたんですけど、当時は何を言ってるんだろうと思っていました。本当に実現されるとは思いませんでした
      • 1st_PV_spaceship.jpg
  • isakusan
    • プロローグでシロコ*テラーのシーンを入れたときから、最終編の話は頭の中にありました。当時は、最終編というよりはエンディングという感じだったんですけど
    • 1st PVでシロコが見上げていた空の光が、2年後の4th PVで再び映し出されたとき「ああ!ついにやらかしてしまったんだ!」という感じでした
    • ブルーアーカイブの初期から、(イム・)ジョンギュさんと一緒に最終編について話し合いを続けていたんです
  • イム・ジョンギュD
    • 普段もジュヨンさんとか、他のデベロッパーの方々とあれこれゲームの話をするのですが、プロジェクトの初期にライブゲーム(運営型ゲーム)の話をしたことがあります。当時、ライブゲームのエンディングは一般的ではなかったのですが、某運命ゲームの冠位時間神殿(注:Fate/GO第一部最終章、2016年12月)とか、FinalFantasyの暁月のフィナーレ(注:FF14パッチ6.0、2021年12月)はそれらを楽しんでいた僕に大きなインパクトを与えました
    • それで、ブルーアーカイブのプロジェクトを始めるにあたって、最終編は新規IPをスタートラインに立たせるための最適な手段だと思い、2年後に最終編をやらないといけないと考えました
      • この件については本当に言いたいことがたくさんあるのですが、ここで今やるには時間がないので、次に良い機会があれば必ずお話しすることにしたいと思います

最終編 制作経緯2:「RE Aoharu」と4th PVの構想('21年2月~) Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • で、最終編の話がまた出てきたのは、そこから2年後ぐらい、'21年の2月ぐらいでした
    • ジュヨンさんがある日突然、最終編のデモ曲を一度聴いてみてくださいとポンと渡してくれたんです。聴いた瞬間に「これはやるしかないな」と思いました
  • isakusan
    • プロローグで出ていたAoharuという曲をリメイクして最終編に使うのが目標でした。「首尾相関*1」は大事ですからね
  • DoReMi
    • プロローグの連邦生徒会長が電車に座っているシーンで一緒に流れるAoharuが、ブルーアーカイブの側面をすごくよく表現してくれていると思っていたので、RE Aoharuが第1部の締めくくり曲に選ばれたのはとても良かったと思います
  • isakusan
    • 私もAoharuがすごく好きです。それで、RE Aoharuが出てきたときに、私も気に入りすぎてインさん(hwansang)に聞かせたら「4th PV をどう作ればいいか分かった気がする」って言ってくれたんです
    • その時にすでに、PVのすべてのシーンが決まっていたんですか?
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 「首尾相関」を意図している部分が、曲からすごく明確に感じられたんです。だから、まずプロローグの電車のシーンを中心に据えて構成する方針にしよう、と思っていました
    • 4th PVを見ると、中盤がプロローグの電車のシーンになっています。回想が行われた後に前半が起承転結、その後に後半が結末という構成になっています。この構成は、先ほども言ったように、本当に曲を聴いた瞬間にこうするしかないな、と思いついたんです
  • DoReMi
    • このとき疲れていたのですが、インさんがOSTを聴いて枯れていた目が生き返ったような気がします

最終編 制作経緯3:シナリオプレゼンテーションと開発計画立案('21年8月~) Edit Edit

  • isakusan
    • 最終編のストーリーがまとまった後、スタジオで私はシナリオのPT(注:スライド資料によるプロットのプレゼンテーション)を行いました
      • vol_final_PT_01.jpg vol_final_PT_02.jpg
    • それが'21年8月だったかな。当時は、まだ3rd PVが本格的に制作中だったと記憶しています
    • そのシナリオPTをもとに、本格的にスタジオは最終編の制作に着手し始めました
  • DoReMi
    • PTだけでも物語の深さやゾクゾクする瞬間のようなものがすごくよく伝わってきました。私たちの間では「燃料が注入された」という表現をよく使いますが、制作作業の良い原動力になりました
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 心が燃え上がるようなPTだったと思います。30分くらい経って、あの分量を自分で作らないといけないという現実に気づきました。それまでは本当に良かったです
  • イム・ジョンギュD
    • ストーリーPTを青写真にして、ゲーム開発計画を立てました。ゲームという仕掛けを使ってストーリーとエピック(壮大さ)を伝えるために 連合作戦(レイド)」を、そしてステージを表現するために「占領戦」を作りました。また、シネマティックバトルとして「カイテンジャーvsペロロジラ」の戦いや「プレナパテス決戦を作りました
    • 雰囲気も大事ですから、メインストーリーのUIを変えるとか、専用報酬UIとか、エンディングが終わった後にタイトルPVを入れ替えるシステムなどを作りました
    • ストーリー、ゲームのシステム、サービスで必要な部分と考慮すべきことを色々な担当者とピンポンしながら詰めていきました

最終編 制作経緯4:4th PV の実制作('21年9月~) Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • アートチームはジュヨンさんのPT後、'22年1月頃から4th PVの制作に着手することになりました
      • 社内の担当者もジュヨンさんと密接に話さないと、スケール感や雰囲気などがビジュアル的に捉えにくいところが結構ありました。だから、簡単に共感を引き出す方法やアプローチが何かないかと考えていたのですが、結局PVに戻ってきました
    • 当時は特に3rd PVが終わった直後で、(PV制作を)やるたびに「二度と、二度とやらない!」と言いながらやっていた記憶があります。結局、この時も自ら災難を招いてしまったものの、「それでもやるしかない」という覚悟でやることになりました
    • '21年9月くらいから、さっそくプリプロダクションをスタートさせました。3rd PVと同時進行という状況だったので、本当に地獄のような道を歩いた記憶があります。でも、一度始めたからには、どうにかして結果を出そうと臨みました
    • ウトナピシュティムの本船やアトラ・ハシースの箱舟、虚妄のサンクトゥムとか色彩とか、新規に取り入れるべきコンセプトの規模がものすごく大きかったんです。どうにかしてやってみよう!と付き合ってくれた内外の担当者の方々に、本当に改めてお礼を申し上げたいと思います
  • イム・ジョンギュD
    • ではここで、4th PVを横で流しながら話を続けたいと思います

4th PV(グローバル版韓国語Ver.);日本版とほぼ同じ

  • isakusan
    • 今見直してみると、本当に遠い昔のことのように感じますね。まだそんなに経ってないのに
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 私も見返すたびに、これをどうやってやったんだろうって思うんです。総カット数だけで見ても従来のPVの2倍くらい、160カットくらいあるんですよ
    • この時、PVだけに完全に集中できる環境でもなかったし、開発に必要なリソース制作も同時に進行していました。なので、ただの地獄絵図ではなく地獄そのものだったのでは? と思います。追い打ちをかけるように、途中でパヴァーヌ2章とか、かなりボリュームのあるアップデートもありました
    • 助けを求められるすべての人に依頼をしまくった結果、やっと完成させることができたんじゃないかと思います
    • 4th PVは、コンテの前半と後半を私が作業し、その後、途中の回想パートをDoReMiさんに担当していただきました。先ほどもコメントしたように、BGMがチュートリアルで使われたAoharuのリミックスですから、コンテも同じように「首尾相関」を導入することになりました
    • 途中のナレーションは、当初予定になかったのですが、設計して一度入れてみたらすごく合っていて驚いた記憶があります
    • すべてのカットに作画監修をしてくださったDoReMiさん本当にご苦労様でした。改めてお礼を申し上げたいと思います
  • DoReMi
    • 3rd PVが終わってすぐ最終編の準備をしていて、あまりのあわただしさにどうやってやったのかもわかりません。ただひたすら作り続けていたような気がします
    • 4th PVは量が多い分、いつもよりイラストを担当してくださる方がたくさんいらっしゃったので、私は自分で描く枚数をかなり減らして絵の監修のほうに力を注ぐことができました。それでも、監修で線画を描いた分だけでも100枚近くあるのですが、多くの方の協力でなんとか生き残ることができたと思います
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 私のパートだけでは味気ない部分もあったのですが、DoReMiさんにお願いした回想シーンが劇的な雰囲気をより一層引き立ててくれたと思います。最初は、あそこまで感情の激しいバッドエンド(のシーン)になるとは思っていませんでした。成果物を見て、ああ、やっぱり分かってる人なんだなと思いました
  • isakusan
    • 重要な部分です。ハッピーエンドを強調するための塩のような...
  • DoReMi
    • 映像の中で一番深い感情を呼び起こすパートだと思っていました。インさんの映像の草稿を見て、生徒会長の電車のシーンから始まる部分を私がすべて担当することになりました。ブルーアーカイブの暗さが極端になったらこんな感じかな?と、とても楽しく作業したのを覚えています
    • 特にミカの複雑な感情が込められた表情や、IFアリスちゃんの無邪気な笑顔とか、そういうのが意図どおりにうまく表現できた気がしてすごく気に入っています
    • まだまだ絵に隠された秘密がたくさんあるので詳しい話はできないのですが、よく探してみるのも良いかもしれません

生放送に合わせた4th PV・最終編第1章同時リリースの意図 Edit Edit

  • isakusan
    • 4th PVが生放送で公開されてから、同時に最終編1章が更新されましたね
    • ジョンギュさん、このような構成になったきっかけや意図みたいなものはありますか?
  • イム・ジョンギュD
    • 生放送はいろんな先生が参加してくれる、ブルーアーカイブの代表的なコミュニケーションコンテンツですよね。だから、最終回という巨大なコンテンツを先生方とみんなで一緒に楽しんでいるという感覚を与えたかったんです
    • このようなリアルタイム性というか、ライブ感を出せるのがライブサービスの良さだと思います。なので、これをリアルタイムで更新することにしようと考えました。運営の方々をはじめ、皆さんが協力してくれたので成功させることができました

最終編 第1章「シャーレ奪還作戦」について Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 最終編の1章「シャーレ奪還作戦」に移りましょう。 RABBIT小隊の活躍と(カンナ)局長のカッコよさが爆発 した1章ですね
    • 1章は本格的な話に入る前のプロローグ的なお話です。どのように書きましたか?
  • isakusan
    • 最終編を書くにあたって、私が意図していた目標がいくつかありました
      • まず、これまで登場したすべてのキャラクターを一回以上登場させる
      • 二つ目は、プロローグにあった話の手がかり(原語:떡밥;明確な伏線のこと)を回収しながら、その後展開される話の手がかりを公開する。これらがシナリオ内での目標でした
      • シナリオ外での目標として、三つ目は、すべての開発者に自分たちが作りたい領域を提供して、「最終編がスタジオみんなのお祭りになるようにする」でした
    • 1章では、 カルバノグの兎編のRABBIT小隊やカンナの活躍を見せること が一番重要でした
    • そして、ついに先生たちが「アロナシールド」と呼んでいる設定が、ちゃんと公開されました。銃弾が飛び交うキヴォトスで、なんで普通の人間である先生が大丈夫なんだろう? に対する理由として初期に作っていた設定だったのですが、今回公開できてとても良かったです
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • PVで、いったん太陽が沈んでしまったシーンがあるのですが、そこもしっかりと回収していて感心しました
    • もともと、シナリオイラスト・カットシーンの予定はなかったんですけど、読んだ後に「これは入れるべきだと思うんだけど...」ということで入れました。例えば、 ベアトリーチェの死とかカンナとか。あとSRTの登場や、シロコ*テラーの登場
    • 特に カンナ は、タイミング的に本当によく入れられたと思います。これを拾わないのか!? という殴り合いシーンでした
  • isakusan
    • 個人的に一番気に入ったのは、フランシスのデザインですね。皆さんご存知の通り、このキャラクターのモチーフは
      画家フランシス・ベーコンの絵がモチーフだったのですが、Mx2Jさんが本当に素敵に描いてくださっていて
      本当に良かったと思います。さすがゲマトリア専門のMx2Jさん、ありがとうございます
      • Francis_Bacon_Papst_Innozenz_X.jpg
    • そして、 ベアトリーチェの最期 も緊張感がよく出ていて、とても満足しました
    • その他、ストーリーについても言いたいことはたくさんあるのですが、時間の関係上、このまま終わらせるしかないようですね。いつか別の機会があれば、もっと詳しくお話ししたいと思います

最終編 第2章「虚妄のサンクトゥム攻略戦」について Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • ここでも予定になかったものがたくさん入ってくるのですが、特にカットシーンで言えばアビドス1年生の回想カットイラストは
      本当によく入ったと思います
    • 「野生」のシロコの姿とか、ポニーテールのホシノとか、担当者さんの予定になかったものだったのですが、とても気を遣ってくださって感謝しています。一枚でたくさんの想像を膨らませられるシーンでしたし、今後も過去の姿をちょこちょこ見せられたらいいなと願っています

「F.SCT攻略戦」のアートデザイン Edit Edit

最終編のネタバレ

第1部最終編 完結記念 開発者コメンタリー 後編 Edit Edit

xxx vs xxxについて Edit Edit

最終編ネタバレ

最終編 第3章「アトラ・ハシースの箱舟占領戦」について Edit Edit

最終編のネタバレ

ウトナピシュティムの乗組員服のデザイン Edit Edit

最終編のネタバレ

アトラ・ハシースの箱舟のデザイン Edit Edit

最終編のネタバレ

最終編 第4章「プレナパテス決戦 」について Edit Edit

最終編のネタバレ

エンディングクレジット(スタッフロール)について Edit Edit

最終編のネタバレ

締めくくり Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 最終編は、ブルーアーカイブプロジェクトを始める時に設定した最初の目標点でしたが、いつの間にか振り返ると通過していました
    • ものすごくハードコアな強行軍で進行したにもかかわらず、無事にサービスできたのは頑張ってくれた開発者さんたちのおかげです。そして楽しそうに遊んでくださる先生方の応援のおかげだと思います
    • 他の方はいかがでしたか?
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 開発者も数多くの先生の一人であり、いろんな先生を代表する気持ちで楽しく作りました
    • 最終編を終えましたが、ブルーアーカイブは続きます。もっと面白い次を期待してください。先生方、ありがとうございました
  • DoReMi
    • 人生で一番多くのことを注ぎ込んだ日々だったのではないかと思います。なんだかレベルアップした感じでしょうか?
    • これからもよろしくお願いします
  • filloon
    • 最終編を制作していて楽しかったです。素晴らしい経験を一緒に共有できる仲間と先生方がいて、とても幸せです。応援してくださる分、もっともっと頑張ります。ありがとうございました
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 解説の準備をしていて、改めて今までの作業履歴を振り返ってみました。本当によくやったなぁ...という感想しか思い浮かびません
    • ジュヨンさんのビジョンが中心となり、本当に多くの方が共感してくださって、良いものを伝えたいという気持ちがこのとてつもないスペックの最終編を完成させることにつなかったと思います
    • あらためて、最終編に関して苦労してくれた内外の全ての関係者の方々に感謝の言葉を伝えたいと思います
    • 最終編に関しては、この場で明かせなかったことがたくさんあります。今後、もっと話せる場があればいいなというのが私の願いです
  • isakusan
    • 先ほども言いましたが、私はこの最終編がゲームを楽しむ先生方だけでなく、ゲームを作っている私たち開発者にとっても
      一つのお祭りの場になるようにしたいと考えていました
    • 最終編でやるべきことが本当にたくさんありすぎて、進めていてとても申し訳なかったのですが、結果的にユーザーと開発者、そしてパブリッシャーと関係者の皆さんにとってお祭りになったようで、とても誇らしいです
    • もちろん、私自身にとっても最も忘れられないお祭りになった気がするので、嬉しいです。これを書いている間は本当に大変でしたが、やっぱり書いてから今振り返ってみると、楽しかった思い出しかありません
    • 何よりも、ただ頭の中にあるだけの話を肉付けして、具現化して、概念化をして、実体化してくださったのは、私と一緒に仕事をしている開発者の皆さんだと思います。そして、それを一緒に楽しんでくれる先生方がいたからこそ、この物語がようやく意味を持つことができたと思います。改めて、この場を借りてお礼を申し上げます
  • イム・ジョンギュD
    • それでは、今回の開発者コメンタリーは、残念ですがここで締めくくらなければなりません
    • 私たちはこの後も、もっと充実した面白い内容を準備して戻ってきますのでよろしくお願いします。
  • 一同
    • さようなら!

2023/10/13 [全般・業界] [IGC] キム・ヨンハPD、"二次元ゲームの核心は愛"(IGC 2023) Edit Edit

Inven Game Conference (以下、IGC)の IGC 2023 で行われた、キム・ヨンハPDによる講演「二次元ゲームのロマン(이차원 게임의 로망)」の、IGC 主催者 Inven 自身によるレポート記事。

いわゆる「二次元」キャラのゲームのうち特に「収集型ゲーム」について、ゲームの核心が「恋愛ゲーム」であること、それを支えるのに「シナリオ」「世界観」と感性をともにする開発メンバーが重要なこと、二次創作・メディアミックス、将来性と注目トレンドになどついて語っている。

以下、要約。
なお、一部の用語(「サブカルチャー(서브컬처)」「恋愛ゲーム(미연시;少女ミュレーションの略から出来た造語)*3」「コレクション(収集型)ゲーム(컬렉션 게임)*4」など)は、同じフレーズでも韓国と日本で指し示す範囲に微妙な違いが見受けられますが、そのまま訳しています。

序論 Edit Edit

(韓国での)「サブカルチャー」ゲームジャンルの特徴=「二次元」 Edit Edit

キム・ヨンハPDは、(韓国で)「サブカルチャー」に属すると言われる「ブルーアーカイブ」のジャンル的特徴について質問を受けた時、どのように答えればいいのか迷うことが多かったと振り返った。

では、「サブカルチャー」とは何か? キム・ヨンハPDは、「二次元」という用語を持ち込んだ。
「二次元」という分類は中国で主に使われる表現で、「絵柄」がジャパニメーションスタイルである場合を指す。Netflixのメディアストリーミングサービスでは、「アニメ」というサブカテゴリーに分類されていることもある。

キム・ヨンハPDは、二次元コンテンツ市場の始まりはアニメから始まり、二次元ゲームは2010年代に入って急速に成長し、日本を越えて韓国、中国、アジア、さらには北米圏にまで大きく広がったという。

この成長は現在も続いている。中国ではBiliBiliを中心に、欧米では代表的なメディア配信サービスであるクランチロールを通じて影響力を拡大し続けている。クランチロールは、有料加入者数が現在では1,200万人を超えた。キム・ヨンハPDは、「イーロン・マスク」のようにSNSでアニメ絵の画像を利用する欧米人も見られるようになったとし、二次元コンテンツが日本以外にも世界中で大衆化されている状況だと伝えた。

本題 Edit Edit

「二次元キャラクター収集型ゲーム」の核心=「恋愛ゲーム」 Edit Edit

キム・ヨンハPDは、本講演では二次元ゲームのうち「(二次元)キャラクター収集型ゲーム」だけをピックアップすると話した。

彼は「(二次元)キャラクター収集型ゲーム」の先駆け的タイトルとして、以下の3タイトルを挙げた。

  • シミュレーション要素を導入してキャラクターシステムの可能性を示した「プリンセスメーカー
  • キャラクターゲームとして物語の頂点を見せた「Fate/Stay Night
  • モバイル収集型ゲームの大衆化を導いた「拡散性ミリオンアーサー

これらが、どうすれば魅力的なキャラクターを中心にしたゲームを作れるか、という良い見本になったと紹介した。

彼が言うこのジャンルの核心は、キャラクターへの「愛」にあるという。
美形キャラクターとの仮想恋愛シミュレーションを楽しむゲーム、いわゆる「恋愛ゲーム(미연시)」の要素が、ジャンルの核となるのだと述べた。(スライドでは、「あんさんぶるスターズ!!」「ブルーアーカイブ」「ウマ娘」「Fate/Grand Order」の画像が表示された)

実際、ブルーアーカイブの開発チームは恋愛ゲームを制作する感覚でゲームを制作しているという。
キム・ヨンハPDは、今回の講演では「二次元キャラクター収集型ゲーム」を「미연시(恋愛ゲーム)」と略して紹介すると語った。

※以下、記事中で「미연시」とある部分はすべて「二次元キャラクター収集型ゲーム」と訳していますが、「恋愛ゲーム」のニュアンスを含んでいることに注意してください

「二次元キャラクター収集型ゲーム」ではキャラクターの文脈が重要 Edit Edit

キム・ヨンハPDは、前作「魔法図書館キュラレ」を制作する際、美少年、美少女キャラクターをともに出演させたが、中途半端になり残念だったという。
得意な方に集中して「女性向け/男性向け」の方向性をしっかり出すことが重要だと伝えた。

また従来は、「何が好きか分からないから全部用意した」というように、様々なキャラクターをたくさん見せる方式が使われることもあったが、これでは平面的な構成になってしまい、最近のトレンドではないという。

キム・ヨンハPDは、キャラクターの背景とストーリーにおける役割、そしてどのような方法で見せるかを組み合わせて「脈絡」を伝えることが重要だと説明した。このような文脈が整っているとき、ビジュアル的な「萌え要素」もより良く実装することができ、魅力を最大化することができるという。
(※スライドでは、ウイ・鷺沢文香(デレマス)・ゼンノロブロイ(ウマ娘)を見た「こち亀」の中川巡査が「全部同じ文学少女じゃないですか」と言っているコラージュが貼られていた)

キャラクターの文脈の土台となる「シナリオ」「世界観」 Edit Edit

キャラクターの土台となるのが「シナリオ」だ。世界設定・物語の脈絡と蓋然性さえ確保されていれば、水着の代わりに制服を着た女子高生が銃を持ち、仮面をかぶって登場しても構わないし、むしろそれが「より良い」という状況が発生する。

他にも、シナリオを立てるための基盤として「世界観」が必要である。
キム・ヨンハPDは、世界観はライフスタイルと同じだという。

ブルーアーカイブに「学園×青春×ミリタリー」というキーワードがあるように、「二次元キャラクター収集型ゲーム」の世界観であれば、「プレイヤーは誰なのか」、「プレイヤーとキャラクターの関係は?」、「プレイヤーは何をするのか」、「どのように相互作用するのか」という問いに明確なポジションが必要だと強調した。

ブルーアーカイブの場合、それぞれの問いに、

  • プレイヤーは誰?:先生
  • キャラとの関係 :先生と生徒
  • 何をする?   :生徒を指導しながら事件を解決する
  • どうやって?  :先生の視点からタブレットを通して

という答えを入れることができる。

世界観は最初の設定が非常に重要で、シナリオ・設定はそこから生み出される。キム・ヨンハPDは、プレイヤーの視点を基準に、ビジュアル、用語、ゲームシステム、インタラクション方法など、ゲームの全体的な経験が統一感を持って構成されなければならないと話した。

ブルーアーカイブの場合、戦闘は生徒が自律的に進めるが、プレイヤーが指示できるタイミングがあるという形式とした。
絆ストーリーもメッセンジャーアプリを通じて学生と会話するようにし、シナリオでのプレイヤー、つまり先生の台詞は選択肢としてのみ出てくるようにした。
全体的なUIもタブレットを操作するというコンセプトに合わせて制作された。

彼は、このようなディテールがゲームの世界での実在感を高め、シナリオやキャラクターと連動して魅力を最大化する、相乗効果を生み出すと説明した。

シナリオと世界観の重要性については、以前NDCで行われたヤン・ジュヨン シナリオディレクターの講演キム・イン アートディレクターの講演でも詳しく紹介されている。

感性的なビジョンに対する開発メンバーの共感とコミュニケーションが重要 Edit Edit

キム・ヨンハPDは、「二次元キャラクター収集型ゲーム」の開発ではシナリオや世界観より先に、感性的な部分に対するビジョンを設定し、それに対する共感を通じてチームを構成する過程が必要だと述べた。技術的な部分以外の、絵柄やストーリーテリングなどのスタイルが、ゲーム全体の雰囲気やキャラクターのディテールまで影響を与えることが多いからだ。

ブルーアーカイブの開発初期、「他のゲームがやったことのない領域で、獲得したキャラクターに対してより愛着を感じることができる美少女収集型ゲームを作ろう」という抱負を常に社内で共有し、共感を生み出し、感情的な結びつきが合う仲間を探す過程を重要視したと振り返った。

ここで重要なのが「コミュニケーション」である。キム・ヨンハPDは、各自の担当作業に対するより広い視野での理解度やモチベーションが作品のクオリティに影響を与えたとし、合計140人の開発要員が250以上のチャンネルで会話を交わすなど、チーム内で活発な交流が行われていると紹介した。

開発者たちも一人のプレイヤーとしてゲームを楽しんでおり、ユーザーが期待するロマンが何であるかを明確に把握していると述べた。時間・予算制約はあるが「本当にこれはやるべきだろう」ということは、どうにかしてロマンを実現するという。
この日の発表では、「一人のプレイヤーとして一緒にロマンを体験できた瞬間」として、ペロロジラvsカイテンジャーの戦闘シーンが紹介された。

二次創作の活性化・メディアミックスでゲーム世界観を浸透させる Edit Edit

キム・ヨンハPDは、世界観を一種のライフスタイルと考えており、ゲーム外でもユーザーの生活に浸透し、さらに思い出として残ることを望んでいると語った。そのため、二次創作の活性化、オフラインイベント、商品展開にも力を入れているという。

彼は、二次創作が「二次元キャラクター収集型ゲーム」で非常に重要であり、キャラクターデザイン段階から簡潔にデザインし、ゲーム外でユーザーが多様に扱えるようにすることを念頭に置いていると説明した。実際、追加シナリオが好評を得るたび、Pixiv など二次創作サイトに掲載される数が増えている。

ブルーアーカイブでは、フィギュアや漫画、アニメ、グッズなど様々な方向でメディアミックスを展開している。キム・ヨンハPDは、準備中のものを含め、50種類以上のフィギュアが作られるなど、幸せな状況だが、IP展開に伴うデザイン監修、テキスト監修、商品中間成果物の監修など、対応しなければならないことも同時に増えているという。これも「二次元キャラクター収集型ゲーム」のジャンル的な特徴といえる。

また、キム・ヨンハPDは、基本的に二次創作や二次創作物の販売会のようなイベントを奨励するが、販売サイトを運営するなど商業的な行為はIPホルダーの立場で放置できない問題だと話した。しかし、どこからどこまでを商業的な販売と見なすかは本当に難しい問題であり、現在もそれぞれの状況を精査し対応していると説明した。

「二次元キャラクター収集型ゲーム」の未来と注目トレンド Edit Edit

キム・ヨンハPDは、「ブルーアーカイブ」以外にも現在もう一つの新作を準備中なので、「どのようなことを考慮して作るべきか」について考え続けていると語った。

基本的には、「二次元キャラクター収集型ゲーム」の市場は着実に成長していくと予測した。上位概念にあたる二次元コンテンツ市場が成長し続けており、このジャンルに参入するプレイヤーの年齢層が比較的若いため、一緒に成長していくことができるからだ。このほか、1人世帯が着実に増加している社会的な傾向も、ニーズの増加にプラスの影響を与えると予想される。

キム・ヨンハPDが注目しているトレンドは2つある。
1つ目は「VTuber」である。VTuberも二次元コンテンツであり、二次元コンテンツの大衆化をリードする一環だと話した。
2つ目は「AIキャラクター」である。彼は前作「FOCUS on YOU」で音声認識を活用し、ブルーアーカイブにアロナの声を入れるなど、AIを利用してキャラクターとのインタラクションを補完したり、強化することは今後も有望だと話した。ただし、キャラクター性を残しつつ、プレイヤーと自由なインタラクションができるのか、どの程度の距離を保てばキャラクターとして成立するのかについては、引き続き検討が必要だと付け加えました。

締めくくり Edit Edit

キム・ヨンハPDは、キャリアを重ねる間に様々なゲームを作ってきたが、今作っているジャンルで最も実直に開発をしていると感じており、いつも一緒にブルーアーカイブIPを作り、一緒に楽しんでいる同僚や先生方にこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと話した。

続いて、現在Nexonで進行中の採用型インターンシッププログラム「ネクテリアル(넥토리얼)」についての簡単な紹介が行われた。ブルーアーカイブと新作のポジションも含まれており、ネクテリアルの後にも継続的に採用を行っているので、ブルーアーカイブと新作RXTFに多くの関心をお願いするというメッセージを伝え、発表を締めくくった。

質疑応答 Edit Edit

開発者がミームとして消費されることについてどう思うか? Edit Edit

  • キム・ヨンハPD
    • 二次元キャラクター収集ゲームというジャンルは、開発者とプレイヤーがとても密接につながるジャンルだと思います
    • 開発者もコミュニティをよく見るし、ミームが作られること自体がプレイヤーの関心だと思うので、感謝しかありません
    • 様々なフィードバックを受けることで、より刺激を受け、もっと頑張らなければと思うようになります

アロナのAIボイスを活用した別のツールやサービスは? Edit Edit

  • キム・ヨンハPD
    • アロナの声は契約上、ゲーム内でのみ使用することができます。ゲーム内以外では声優の契約が非常に厳しいので、別途使用することは難しいと思われます。ゲーム以外で使用されるボイスは、すべて別途収録を行っています
    • 面白くアレンジする方法はあると思いますが、別のツールを作るのは難しいと思います

ゲームの中にシナリオをうまく溶け込ませるには? Edit Edit

  • キム・ヨンハPD
    • ジャンルに対する愛、愛情が最も重要な部分です。技術的な部分よりもそうです。実際、そのジャンルをたくさんプレイしたことがある人が、より多くのサポートをしてくれることが多いです
    • 愛情を持って書かなければならないのですが、やる気だけではできない部分でもあります。最近では、これまでウェブトゥーンやウェブ小説関連の仕事をたくさんしてきた方がこの業界にたくさん来る感じです

キャラ性能やミームでネガティブな認識が生まれることにどう対応していますか? Edit Edit

  • キム・ヨンハPD
    • 開発者が考えていたものと違う解釈をされるのもゲームの一部だと思います。
    • だからといって、最初に考えていたものを変えたり、それに振り回されるような開発をしてしまうと、開発者が迷走してしまうと思うので、そういうことはしていません。最初に意図していたキャラクターの魅力を、どうやったらもっとちゃんとお見せできるかを考えています
    • だから、「性能」は常に難しいところです。今は、性能とキャラクター性を分けて考えながら開発しています。そのため、PvPのような、性能が極端に表れる部分はなるべく排除していくつもりです

2023/10/01 [シナリオ] ネクソン「ブルー・アーカイブ」ヤン・ジュヨン シナリオ・ディレクター「最終編"大盛り上がりのお祭り"を作りたかった」(GameFocus) Edit Edit

本記事は最終編に関するネタバレがあります

韓国のニュースサイトGameFocusに掲載されたシナリオディレクターisakusanのインタビュー記事。グローバル版では2023年9月に最終編がリリースされており、その直後に行われたインタビューとなる。

トピックは、最終編の感想、小説ではなく「ゲーム」のシナリオを作る上で気をつけたこと、ゲームシナリオライターとして業界に伝えたい気づき・環境・待遇についての意見など。

本編 Edit Edit

isakusanの近況 Edit Edit

  • isakusan
    • グローバル版の最終編の終わりごろに休暇に行きました。最近、体調がよくなかったのですが、少し休んだら大丈夫そうです。やっぱり健康が一番です。
    • 職業柄、他のサブカルチャーゲームもプレイしているのですが、私は「ブルーアーカイブ」でだけガチャが天井まで行くわけではないので安心してください。私の運の問題です。ゲームに罪はありません。(笑)

本作がサブカルシーンで名実ともに人気タイトルとなっていることについて Edit Edit

  • isakusan
    • 嬉しい。本作の開発者のみなさん、先生方にあらためてお礼を申し上げます
    • でも、ここで止まるわけにはいかないでしょう。「シジフォス*5」のように黙々と進み続けなければならないと思います
    • ゲーム開発が神の罰というわけではないが、成功・失敗に一喜一憂せずやるべきことをやり続けたい

グローバル版での最終編リリース後の感想 Edit Edit

  • isakusan
    • ハングルでシナリオを先生方に紹介することができ、感慨深いものがありました
    • 特に最終編のタイトルがなぜ「그리고 모든 기적이 시작되는 곳(直訳:そしてすべての奇跡が始まる場所)*6」だったのかは、ハングルでしか伝わらないニュアンスがきっとあったと思います
      • 私は文筆家ではなくゲームシナリオライターなので、このような部分に大きな意味付けをするわけではありません。私も韓国語をベースとするライターであるために生じる、仕方ない根本的な特徴として理解していただければと思います

早くから構想された最終編をゲームとして実現させるまでについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • 最終編はゲーム開発開始前から構想されていたと聞いています。このような長時間の準備の中で、どのような点が一番難しかったのでしょうか?
  • isakusan
    • 最終編はずっと前から構想していましたが、その過程がすべて私の意図通りに進んだわけではありません
    • ゲーム開発は考慮すべきことが非常に多く、企画・実装の可否・ビジネス的な考慮・市場の状況・人材の問題などの存在があります。これらの問題の存在を認め、周囲を説得することこそが最も重要な価値であることを知っている人、あるいは説得に失敗して自分の設定・シナリオ・キャラクターを容赦なく壊すことができる人、そしてその壊したものからまだ有意義な価値を見出すことができる人を私は「シナリオライター」だと思っています
    • もちろん、私の意図を十分に尊重して実装してくれた仲間の開発者がいなかったら、このような仕上がりにはならなかったと思います。ブルーアーカイブ」が、きちんとした「ゲーム開発」の一例として評価されることを願っています

クリエイターとしての渇望が満たされたか Edit Edit

  • isakusan
    • 前作「魔法図書館キュラレ」で満たされたなかった渇望は解消されませんでした。その渇望は、キュラレ2のようなものを作らないと永遠に解消されないでしょうね。クリエイターの渇望というのはだいたいそういうものですからね。
    • ゲーム開発者としての渇望であれば...かなりやりがいを感じています。僕は仲間と一緒に大騒ぎできる「お祭り」のようなものを作りたかったし、仲間の開発者・先生方にとっても良い思い出になったようなので、ありがたいです。
    • でも(繰り返しになるが)私はゲーム開発者なので、こういうことに一喜一憂せず前へ前へと進んでいかなければならないと思っています

今後について Edit Edit

  • インタビュアー
    • 作業は順調に進んでいますか? 雰囲気やテーマの重厚感、そして「学園と青春の物語」という核となる軸は変わらないのか気になります
  • isakusan
    • ネタバレになるので言葉を控えるしかないですが、最善を尽くしています

ストーリーの作劇法・価値観について Edit Edit

  • インタビュアー
    • 対策委員会編から最終編までを振り返ると「首尾相関*7」が際立ってるようですが、特別な理由があるのでしょうか
  • isakuan
    • 起承転結・西部劇・3幕構成・12の旅路*8など、すべての物語は始まりと終わりが結びついています
    • これらを私なりの解釈で再構築したのですが、(企業秘密ですが)結局「ブルーアーカイブ」の守備範囲は、私たちオタクが経験したことをまさに私たちで肯定することで起こるカタルシスです
    • また、私はその「肯定」がエチカ(Ethica)、つまりスピノザ的な倫理を含むものでなければならないと考えました。スピノザの倫理は、外部からではなく、自分自身から発生する判断を重要視したからです*9
    • だからこそ、(最終編ネタバレ) プレナパテス」の犠牲 を宗教的なものではない別の視点で解釈してほしいと思います
    • 私は、今の時代に最も必要なのは、倫理的な言説だと思います。科学技術が発展するにつれて、逆説的に人間はますます非倫理的な存在になっています。これは特定の国に限ったことではなく、グローバルな兆候です
    • でも、なんとなく「オタク」という存在は、伝統的にそういう社会規範や秩序のような普遍性から一歩外れている「マニア」を指してきたような気がしますよね。だから、むしろ逆説的に、倫理こそが今や最もオタク的な価値観でもいいんじゃないか?そんな強引な思いを込めてみました(笑)

「古則」について Edit Edit

  • インタビュアー
    • 最終編では第二の古則「(最終編ネタバレ) 理解できないものを通じて、私たちは理解を得ることができるのか 」が頻繁に言及されました。この「古則」という要素について補足をお願いします
  • isakusan
    • 화두(直訳:「話頭」、日本語版では「古則」)とは、仏教の禅宗で使われるまさにその意味です。つまり、「言葉(話)の先(頭)を行くもの」という意味の、よくわからない不思議な文章のことです*10
    • クイズやなぞなぞのようなものではなく、それによって自分自身から何か心を引き出すようなツールとして「古則」を意図しました
      • もちろんキヴォトスの七つの古則は仏教とは関係ないのですが
    • (最終編ネタバレ) リンは第二の古則の空白部分に自分なりの目的語を入れ、さらに自分なりの答えを導き出しました。 *11
    • みなさんも一度はそれぞれの目的と答えを考えてみて頂ければ、私としてはうれしい限りです

最終編3章での生徒の関係性によるメッセージについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • 最終編3章で(最終編ネタバレ) 「アリス」「ケイ」「リオ」の関係 を通してどのような話をしたかったのでしょうか
  • isakusan
    • この質問だけは、説明は省略させていただきます

最終編で一番印象に残っているセリフ Edit Edit

  • isakusan
    • 先ほども言いましたが、最終編のタイトルが一番印象に残っています。やはり「ブルーアーカイブ」でやった物語を一番包括しているし、背景もとても美しく、愛着が湧くような気がします

最終編の演出描写・構成で最もこだわったもの Edit Edit

最終編ネタバレ

アートスタッフとのコラボレーションでとても良くなった生徒 Edit Edit

  • インタビュアー
    • NDC(講演)では、アートディレクターとのコラボレーションにより「ハルナ」「ツルギ」のキャラクター性を「ドライブ」できたとおっしゃっていました。今回の最終編でも事例があれば紹介していただけますか?
  • isakusan
    • (最終編ネタバレ) やはり「リン」ですね。それまではどこか冷たく、冷静な印象のキャラクターでしたが、最終編を見終わった後「リン」のイメージが少し変わったと感じてもらえたらいいなと思います

最終編のテーマ Edit Edit

  • インタビュアー
    • 最終編で伝えたかった、一番核となるテーマ意識は何だったのでしょうか
    • 多くのユーザーが、isakusanが「奇跡」の源であり力である「愛」を提示したという分析をしています
  • isakusan
    • この質問も、説明は省略させていただきます

重くなりがちなテーマを気軽に楽しめるようにする工夫について Edit Edit

  • isakusan
    • 私が文章を書く上で一番大切にしているのは、読みやすさです。簡単に読めるから簡単に没頭できる文章。それでいて、有意義な価値を放棄しない文章を書くことが最も重要でした
    • 読みやすい文章を書くというのは、ただ書くよりも構成の難易度も高く、時間もかかるものです。この姿勢を貫き通したのは、私たちが作っているのは小説ではなく「ゲーム」だからです
    • ゲームのテキストはだいたい飛ばしてしまう、そういう社会通念を変えたかったんだと思います。最近はそのような基調からだいぶ脱却した感じはありますが、「ブルーアーカイブ」以外にもストーリーが読みやすいゲームがもっとたくさん出てきてほしいと思います

世界設定に関するユーザーの分析について Edit Edit

  • インタビュアー
    • ユーザーによる神話に基づいた様々なモチーフやキャラクターの性格・関係性の分析について、どのような感想をお持ちですか?
  • isakusan
    • 非常に私の意図をよく理解している解釈もありましたし、とんでもない変な解釈もあったとだけ言っておきますね(笑)

本作の楽しみ方のカジュアルさ・深さの多様性について Edit Edit

  • インタビュアー
    • 本作はキャラクターの特徴や「ミーム」だけをカジュアルに楽しむことも、ストーリーや設定を真剣に掘り下げることもできるのがユニークな強みだと感じています
    • このような楽しみ方の多様性は意図しているのか、意図しているなら理由は何なのか気になります
  • isakusan
    • 「ブルーアーカイブ」は真剣に掘り下げるような解釈を意図し、また推奨しています
      • 実はよくあるパターンで、私は10代のころ「エヴァンゲリオン」の世界観の分析を数学の定石よりも深く掘り下げていました
    • そうやってかみ砕けるような世界観を作ることが目標だったので、今の状況にはある程度満足しています
    • テキストは作り手を離れて受容者に届いた瞬間に公共性を持ちます。これを認めなければ、それはもはや物語と呼べなくなってしまいます
    • つまり、物語というのは、それを読んで様々な意見を交わすことができるからこそより面白いと思います
      • そういう意味で、深く掘り下げて研究している方、そういうところはわからないけどただ軽くて面白い話だけを楽しむ方、どちらも私たちのテキストを楽しんでくれる大切な存在です。それぞれが自分の好みに合わせて「ブルーアーカイブ」を楽しんでくれれば、ライターとしてこれ以上望むことはないでしょう
    • テキストの死は「誰も解釈しないとき」だと考えています。もちろん、それぞれの解釈は異なるかもしれませんし、その違いを認める姿勢がこのテキストを意味あるものにします。どうかお互いの違いを尊重して楽しんでいただければと思います
      • 異端を燃やすと、残るのは無謬の一冊の経典だけであり、そうなった瞬間、物語はもはや人間のものではなくなります。先生方の多様で多層的な解釈こそが、「ブルーアーカイブ」を有意義に生き生きとさせる原動力です。よろしくお願いします。

ゲームシナリオライターとして業界に伝えたい気づき Edit Edit

  • isakusan
    • ゲームシナリオは小説ではなく、仲間と(たとえ自分と考えの違う人とでも)コラボレーションすることで完成する創作物です
    • 作法論というよりも、このようなプロデュースというか、開発論が重要だったと思います

ゲームのストーリーとして重要視しているポイント Edit Edit

  • isakusan
    • ライティングについても、言いたいことはたくさんあります
    • 基本的に私のライティングの基調は「魔法図書館キュラレ」の時から変わっていません
    • 要は「簡単に読みやすい面白い物語」であり、それを貫いてきたと思います。
    • 興味のある方は、15年のNDCで紹介した「魔法図書館キュラレシナリオの書き方」(レポート記事(This is Game)レポート記事(HUNGRY APP)レポート記事(GameFocus))や22年のNDCで行った「ブルーアーカイブ」ポストモーテムの発表などを参考にしていただければと思います。

ゲームシナリオライターの需要と供給について Edit Edit

  • インタビュアー
    • ゲームのストーリーが以前よりも大きくクローズアップされ需要が高まっている一方、供給が潤滑に行われていないように感じます
  • isakusan
    • 韓国市場では優秀な方はたいていウェブ小説・ウェブトゥーンにいますよね
      • ウェブ小説・ウェブトゥーンでは自分の名前を賭けて物語を作れますし、(うまくいけば)ゲーム開発者よりはるかに多くのお金を稼ぐことができます。優秀な人材がどちらを魅力的な仕事と考えるかは一目瞭然です
    • サブカルチャーゲームの人材採用を担当するシナリオ組織の責任者として言いたいことがあります。現在のゲーム業界、特にサブカルチャーのプロジェクトが復活しグローバルできちんと生き残るためには、ウェブ小説市場と競争できる競争力を持つ必要があります
    • つまり、シナリオライターの待遇が今よりずっと良くなる必要があります
    • 偉そうなことを言ったようですが、ゲームシナリオへの長期的な投資は現在のサブカルチャーゲームが発展していく上で非常に重要な部分なので、私の考えを述べてみました

ゲームシナリオライターを目指す人へアドバイス Edit Edit

  • isakusan
    • 多作、多読、多商量*13ですね。万古の真理であり、不変の真理だと思います

最後に読者に一言 Edit Edit

  • isakusan
    • 長いインタビューをお読みいただき、ありがとうございました。これからも精進していきたいと思います。 ありがとうございました!

2023/09/28 [全般] イム・ジョンギュD インタビュー(Global Economic) Edit Edit

本記事は最終編に関するネタバレがあります

グローバル版で最終編4章が2023/9/19に公開されたあと、同月に公開されたインタビュー記事。

登場スタッフは、イム・ジョンギュD(ゲームデザイン室長)

記事は会話形式ではなく、背景となるゲーム関連情報と質問・解答が織り交ぜて記載されている。
背景となるゲーム関連情報は、プレイヤーには既知の部分が大半のため、概ね質問・解答に絞って下記に要約する。

①「すべてのキャラクターは価値があるはず」...'ブルーアーカイブ'のヒットの秘訣 Edit Edit

キャラクターデザインの過程・性能について Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • キャラクターをデザインする際は、ストーリー上の設定と原画はもちろん、ゲーム内のバランスとユーザーデータなどを総合的に考慮する
    • 一つのキャラクターを作るためにデザイン室はもちろん、IP室、アート室、演出チーム、原画チーム、モデリングチーム、背景チームまですべて会議に参加する
    • (キャラクターの「価値保存*14」に関連して)すべてのキャラクターがそれぞれ照らされる場所があるべきだ。様々な実務陣と協力し、アイデアを集めることはもちろん、継続的な内部テストを通じて完成度を高める過程を経ている
    • すべてのゲームがそうだが、コンテンツをデザインする上で、現在のユーザーのデータほど重要なものはない。現在のゲーム内メタ、各キャラクターが採用される頻度、キャラクター間の関係とシナジーなど、様々なバランス要素を考慮している

振動属性・弾力装甲といった第4属性について Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 名称や詳細な数値などに変化はあったが、第4属性自体は初期からアップデートが予定されていたシステムだった
    • サービスの過程で、追加されていくキャラクターに違った価値を与えるための仕組み

ナギサNSでミカがロールケーキを口に入れる演出について Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • デザイン担当者がユーザーの反応を想像して入れたイースターエッグのようなもの
      • 予想以上にファンの反応が良かったので、開発陣としても本当に感謝している部分です

②好評満載の「ブルアカ」最終編、開発陣はまだお腹が空いている Edit Edit

最終編完結の感想 Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 最終編は、プロジェクト段階から大きな目標としていたポイント。具体的に企画が始まったタイミングは、ヤン・ジュヨン(isakusan)シナリオディレクターがストーリーを共有した2021年下半期だった(参考:グローバル版第1部最終編 完結記念 開発者コメンタリーの前半の内容がより詳しい)
    • みんなが汗を流して努力し、「本当にやり遂げた」という気がした

連合作戦について Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 連合作戦は、企画初期から最終編のためのコンテンツとして位置づけていた
    • 乾坤一擲の勝負にふさわしい演出と高いクオリティを提供することに主眼を置いた

最終編で一番印象に残っている演出 Edit Edit

最終編のネタバレ

プレナパテス決戦の演出について Edit Edit

最終編のネタバレ

韓国でのリリース2周年を迎えこれまで最も記憶に残る瞬間 Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 多くの人がそうだろうが、ゲームを初めてリリースした瞬間が一番記憶に残っている
    • また、(韓国でのグローバル版)1.5周年フェスティバルの会場を訪れた時、多くの方々が私たちのゲームを楽しむために集まってくれたことに大きく感動した
      • オフラインイベントでいただいた反響は、私たちが期待した以上の成果だった。先生が喜ぶようなコラボレーション、グッズ販売、イベントなどが活性化されることを私たちも期待している

終わりに Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 多くの方々が継続的に私たちのゲームを楽しんでくださっていることに改めて感謝する
    • より高い完成度のキャラクターとコンテンツを披露できるように、今後も最善を尽くす

2023/09/21 [ビジュアル] キム・イン ブルーアーカイブ アートディレクター "キヴォトスの魅力的なビジュアル、まだまだたくさんある" (消費者経済) Edit Edit

本記事は最終編に関するネタバレが含まれています。

韓国のニュースサイト消費者経済に掲載されたhwansangことキム・インアートディレクターのインタビュー記事。

以下概要。

本編 Edit Edit

自己紹介とアートチームについて Edit Edit

  • hwansang
    • アートディレクターのキム・インです
    • アートチームは、ゲーム内アート制作やIP開発に伴う様々なビジュアル要素の制作・監修をしています
    • ディレクターとしては、アート展開の方向性の提示・品質基準の提示・各種スケジュールや人事管理をしています

アートチームの構成と作業内訳 Edit Edit

  • hwansang
    • チームの担当は、キャラクター・背景・アニメーション・エフェクト・UIで構成されています
    • カテゴリ内で2D・3Dなどの専門領域に分かれています
    • 大局的にはほかのゲーム会社と大差ないと思います

プレイアブルキャラクター制作の作業サイクル Edit Edit

  • hwansang
    1. IP担当のシナリオライターが設定を提案します
    2. キャラクター担当アーティストが提案をもとに原案を作成します
      • 担当者によって、1枚のイメージに対して要素をカット・追加して調整したり、3~5枚の異なるイメージを作成したりします
    3. 設定担当・担当アーティストが、コミュニケーションをとってお互い満足いくイメージを導き出します
    4. イラストレーションと3D制作デザインをします
      • イメージだけでなく、3次元で実装できるかどうかに重点が置かれます
    5. モデラーが図面から3Dモデルを作成します
      • ゲームに適した仕様を維持しながら、意図したデフォルメができているかにフォーカスします
      • 3DのSDでできるビジュアルの美しさを追求します
    6. アニメーターが3Dモデルに基づいて動きを作成します
      • モーションがキャラの個性を表しているか、また必要な機能を満たしているかどうかに主に焦点が当てられます
    7. エフェクターが制作意図にあったエフェクトを作成・仕上げをします
    8. UIを洗練させます
    9. 企画・プログラミング・マーケティングなど様々な関連部門を経てユーザーに提示されます
    • 複雑すぎるので多くの部分を省略していますが、さまざまな部署の多くの助けが必要です

生徒への愛情と苦労する点 Edit Edit

  • hwansang
    • スタジオのメンバーはオタク全般に深い理解がある方が多いのですが、それぞれ担当の生徒に感情移入するため好み・愛情が創作プロセスに深く入りがちで、その過程で意見の相違が生じることがあります
    • 集団創作なので、個人に偏った解釈・嗜好が多すぎないかや、世界観全体・キャラクターの属する環境やグループに自然に溶け込めるか、全体のバランスに気を付けています
    • 各担当者のコミュニケーションを通じて、お互いに納得できる形を見つけ出してユーザーに届けようとしています

苦労したキャラクター Edit Edit

  • hwansang
    • 自分が担当した中ではアロナが代表として挙げられます
    • ゲーム全体のトーン・マナーを表現しつつ看板となるマスコットキャラクターでもあるので、プレッシャーに苦労したことを覚えています。下書きを練り上げるまでは、このままでいいのかなと思っていました
    • 考えて苦労した分、結果的にユーザーへのアプローチがうまくいったのはやりがいがあったと思いますし、誇りを持って見守っています

最近はhwansangの担当キャラクターがないことについて Edit Edit

  • hwansang
    • 開発初期は人手不足で、ビジュアルの基準を作らなければいけない部分が多かったため、自分たちで実務を担当していました
    • あのころと違い、僕よりずっと技術があるアーティストが多いので、裏方としていろんな人が安定して業務をこなせるようにすることに力を入れています
    • ただ、PVの絵コンテなど既存の世界観にないビジュアルを試す必要があれば、初期段階から参加してデザインを手伝っています。
    • キャラクターイラストのような1つの作品をお届けすることは珍しくなりますが、ブルーアーカイブの様々なアートに薄く広く関わっていることを知っていただけるとありがたいです(笑)

キャラクターのアニメーション制作プロセス Edit Edit

  • hwansang
    • まず、担当プランナーと打ち合わせをしてキャラクターに欲しい機能を聞き、それをアニメーションで表現します
    • その後、ゲームエンジン上で大元のプランナーの企画意図に沿った形で動作することを検証して、ユーザーにお届けします
    • ゲーム内に実装する際は、様々なオブジェクトとの相互作用や隠蔽・遮蔽など考慮すべき点がたくさんあるので、アートだけでなく関連する様々な専門部署の協力を得てキャラクターを届けています

ユーザーによってキャラクターの解釈が加わることについて Edit Edit

  • hwansang
    • 当初の意図やデザインがそのままユーザーに届くことはめずらしいです
    • 私たちにできることは、第一印象を作ることくらいだと思います
    • 第一印象よりあとはユーザーの手で多様に解釈され、それを開発内部でも常に注意深く見ていくことになりますが、その過程でやはり多少は影響を受けているようです
      • 具体的にどういう解釈が好ましく、こういう点を追加で受け入れて反映したと申し上げるのは難しいです
    • 個人的には、シリアスな素材やキャラクターのちょっと暗すぎるストーリーに埋もれて、(訳者注:世界観から)孤立することが心配でした
    • しかし、ユーザーの方々が2次創作などで良い感じの雰囲気を見つけて、素材やキャラクターをブルーアーカイブの世界観の中に自然に溶け込ませてくれており、感謝しています

Youtube(グローバル版公式)での開発チームコメント動画について Edit Edit

  • インタビュアー
    • 国内(韓国)Youtubeでは新しいアップデートごとに開発チームが直接出て紹介するコンテンツがアップロードされ好評です
    • アートチームとして参加するにあたっての悩み・苦労・エピソードを聞かせてください
  • hwansang
    • アートという職業柄、内向的な人が多いので直接出る人を選ぶのが大変だったようです
    • また、言う内容は整理できていても、いざ現場で話すと緊張して何度もリテイクしたようです
    • しかし、作業の舞台裏をユーザーの皆様にお届けできる貴重な機会ですので、熱烈な反響はありがたかったです
    • 特に原画チームは神秘主義にこだわりたい人が多いので、公開イベントに出ようとするか心配しましたが、意外とそういう場を逃すわけにはいかないという熱意を一番見せてくれたのが印象的でした

アートチーム内の守るべき原則やジンクス Edit Edit

  • hwansang
    • やっぱりヘイローじゃないですか(笑)
      • 初期はなじみがなく欠けがちで、ヘイローを描くことを習慣化するようお願いすることも多かったです
      • 今は当たり前になっていて、以前ほど欠けることがなくなったのはよいことだと思います
    • ジンクスといえば、会議のたびに「これは無くても大丈夫な欲張りですが...」と始まる提案は、結局は断れなくなってしまう現象があります
    • そういう貪欲さはアートのとがりを生み出すメリットになる一方、体力を必要以上に消費させるものでもあるので、管理者の立場では常に悩むポイントです

開発初期から日本版リリースまででの苦労 Edit Edit

  • hwansang
    • 立ち上げ時のビジュアルクオリティの均一性に気を配るのが難しかったのを個人的に覚えています
    • 特にオープン直前のユーザーアンケートで3Dキャラクターが少しぽっちゃりしていると指摘されて、修正を進めたのが記憶に残ります*15
      • Before/Afterの比較例として使われうっかりミームを作ってしまったユウカには申し訳ないです

制服のデザインについて Edit Edit

  • hwansang
    • デザインする前に、学園ごとの共通ビジュアルガイドルールを制作しています。そのガイドに基づいて、キャラクターを作成するたびにレビューをします
    • キヴォトスの巨大学園は現実の文化と地域をモチーフにしており、そのモチーフの国や地域で着る制服または伝統服のスタイルを反映しようとしています
    • 各校の制服のビジュアル基準を分かりやすく提示しようとして制作したのが、1st PV(ティザーPV)の各学園別のシーンだと考えていただければ幸いです

別衣装について Edit Edit

  • hwansang
    • キャラクターの別衣装はシナリオ設計時にリクエストを頂く場合もありますが、脚本を読んでから追加するケースもありました
    • 衣装ごとのコンセプトアートの数は、キャラクターによって合意に至るまでの枚数が異なるので、平均的な数を出すのは難しいです
    • 特異なケースとしては、C&Cの学生服は事前の依頼で作られたものではなく、キャラクター担当(注:Mx2Jさん)の個人作品が正式に採用されたものです
      • 想定外でしたがシナリオ側で快く受け入れてもらえてありがたかったです

モブキャラについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • モブキャラでアートチーム内で特に愛されているデザインや、個人的に思い入れのあるデザインはありますか?
  • hwansang
    • 特に3rd PV の応援する生徒たちのシーンは担当者の魂が入ったシーンだと思います
      • 登場するエクストラキャラクターたちの間の細かな相性や設定が反映されているので、じっくり見ていただけると嬉しいです

学生以外のキヴォトス住民について Edit Edit

  • hwansang
    • 様々なメディアミックスでキヴォトス住民の多様な姿をお見せしようとしています
    • ゲーム外では各作家が解釈してくれた多様で風変わりな住民たちが見られそうです
    • ゲーム内では正月アルのメモリアル背景に登場する獣人や、パヴァーヌ第1章のキービジュアルに登場する様々なミレニアムの学生やロボットなど、隠れた住民の描写がありますので是非ご覧ください

最終編の新キャラクターたちのデザインについて Edit Edit

最終編のネタバレ

「要塞都市エリドゥ」について Edit Edit

  • hwansang
    • 花のパヴァーヌ2章の舞台は、コンセプトアートとしても魅力的な題材でした
    • ただ、最終編と同時に準備をする時間に追われ、コンセプトに比べてスペックダウンしたり狭いエリアしかビジュアルをお見せできなかったりしたのが残念でした
    • 要塞都市の名前にあわせて、各エリアが動いたりエリア全体が動いて武装したり、いろいろ試みをできないか考えています
    • 今後エリドゥが再びストーリーに登場する機会があれば、魅力的なコンセプトをもっと紹介できることを願っています

最終編の舞台について Edit Edit

最終編のネタバレ

最後にユーザーに一言 Edit Edit

  • hwansang
    • ユーザーの皆様のご支援のおかげで、ここまで来れたと思います
    • 色々と困難な時期にもブルーアーカイブを応援してくださり、それぞれのキャラクターに愛情を注いでくれたすべての人に感謝します
    • これからもお見せしたいキヴォトスの魅力的なビジュアルがたくさんありますので、お待ちいただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします

2023/09/15 [シナリオ・経歴] [初めて恋に落ちたゲーム] MXスタジオIP室IP第2チーム チョン・イギ チーム長の「ポケモン金・銀」編 (Nexon Games INSIDE) Edit Edit

Nexon Gamesの公式ブログに掲載された、チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長のインタビュー。

前半は、自身の肩書であるゲームシナリオデザイナーについて。
後半は、おすすめのゲームである「ポケモン金・銀」について。

ゲームシナリオデザイナーとして Edit Edit

チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長の自己紹介 Edit Edit

  • チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長
    • こんにちは、MXスタジオIP室でシナリオデザインを担当しているチョン・イギと申します
    • ゲームシナリオデザイナーとして、設定、シナリオ、クエスト、フィールド、演出など様々なストーリーテリング方法で、ナラティブ(表現)を設計し制作する仕事をしてきました
    • 今はMXスタジオ「ブルーアーカイブ」で、チーム内の全体的な管理とシナリオデザイン業務を担当してリードしています

「ゲームのシナリオデザイン」とは Edit Edit

  • チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長
    • MXスタジオのIP室では、「シナリオライティング」「シナリオデザイン」「IPライセンス」の3つのチームが密接に連携しています
    • 「ブルーアーカイブ」におけるシナリオデザインとは、シナリオライターが制作したストーリー(テキスト)がゲームとして動作するように、コンテンツ、システム、戦闘、アート、映像、サウンドなどを織り交ぜ、ユーザーに伝えたい物語を極限まで磨き、データ化し、ライブビルドに安全に実装することです
    • 私はよく「ブルーアーカイブのシナリオデザイナーは一種の花屋さんです」という例えで説明することがあります
      • 様々な分野の専門家が、心を込めて育ててくれた花(リソース)を集め、最も美しい状態の「花束(ゲーム)」にし、きれいに包装する仕事です(笑)

ゲームシナリオデザイナーを始めたきっかけ Edit Edit

  • チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長
    • 大学時代は広告宣伝学を専攻していたのですが、異様に「スナックカルチャー」(ウェブ小説やウェブトゥーンなど短時間で消費するコンテンツ)と呼ばれる分野に興味がありました。おそらく「自分が作ったコンテンツを大衆に見せたい」という願望があったのだと思います
    • 今はYouTube、Instagram、TikTokなど様々なチャンネルと多くのコンテンツ制作方法論が用意されていますが、当時はインフラが構築され始めたばかりの過渡期で、ノウハウと呼べるような情報がなかなか手に入りにくい状況でした
    • そこで目をつけたのが「ゲーム」でした。ゲームというメディアの中で、素敵なコンテンツをユーザーに見せたいという一心で「シナリオ」という分野に飛び込み、今まで休むことなく走ってきました

ゲームシナリオデザイナーを目指す方にアドバイス Edit Edit

  • チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長
    • ゲームシナリオデザイナーは、ライティングだけが求められる職種ではありません
      • もちろん、ライティングスキルの比重が低いわけではありませんが、それはゲームシナリオデザイナーが持つべき能力の一つであって、それだけで競争力をアピールするのは難しいです
    • 「シナリオデザイン」は、ストーリーという不安定なテキストを、様々な開発部門で視覚化できる情報に新たに加工し、データ化する能力を最も重要視しています
    • ゲームシナリオデザイナーは、感情的な思考と論理的な思考を同時に行う必要があります。文系と理系の中間的な領域と言えますね
    • 例えば、「シロコと対策委員会の学生が銀行を襲うために仮面をかぶった」というテキストがあれば、それをゲームにするための伝え方をまず考えなければなりません。その後、イラスト、映像、サウンドなどのリソースを整理し、新たな、あるいは既存の基盤システムを把握して実際に組み立てるまでの統合的な思考が必要です
    • 「ゲームシナリオデザイナー」を夢見て、ポートフォリオを悩んでいる方に、私が役に立ったヒントを一つお伝えします。 自分が用意した素晴らしいストーリーを文書としてまとめるだけでなく、書いたストーリーを自分で分解して、どのようにゲームに具現化するのか、自分なりの仕様書の形でまとめると、とても役に立つと思います

おすすめゲーム「ポケモン 金・銀」について Edit Edit

「ポケモン 金・銀」の紹介 Edit Edit

  • チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長
    • 「ポケモン 金・銀」は、今ゲーム業界にいる私と同年代の方なら一度はプレイしたことがあると思います
    • 今でもオールドゲーマーに語り継がれるほどよくできたゲームと言われ、私もたまに懐かしく思い出しながらプレイするゲームです
    • 「ポケモンチャンピオンを夢見る少年が冒険に出かけ、様々なポケモンを捕獲して図鑑を埋めていきながら、各村の館長とポケモンバトルをしてバッジを獲得し、最後にはポケモンリーグで四天王に挑戦する」というポケモンシリーズならではの物語を持つ名作ロールプレイングゲームです

「ポケモン 金・銀」をおすすめした理由 Edit Edit

  • チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長
    • 「ポケモン 金・銀」は、私が小学生の頃、初めてエンディングを達成したゲームです。また、「物語」の重要性を教えてくれた作品でもあります
    • ゲームデザインの観点から見ると、当時の1MBという限られたカートリッジ容量で、城下町(ジョウト)と関東地方(カントー地方)という2つのステージを実装し、その容量不足を解決するために、きちんとしたシナリオを盛り込んだ素晴らしいゲームだと思います。特に、いくつかのコンテンツを削除・修正するのではなく、それに見合った設定を付与している点には、大きな点数をつけたいと思います
      • 例えば、ポケモンの世界観にはサファリボールで野生のポケモンを捕まえる「サファリゾーン」というコンテンツがあるのですが、サファリゾーンの園長が旅に出てしまい、コンテンツが利用できないという設定があります。容量を節約しながらも、充実した背景説明でプレイヤーを納得させたのは本当に素晴らしいと思います
    • 僕も長年ゲーム開発をしてきて、限られたリソースとコストでナラティブを考えることが多いのですが、今よりもはるかに制限された環境下で、これだけ素晴らしい工夫を凝らし、ゲームとしての説得力とディテールを維持しているのはすごいと思います
    • 現在も素晴らしいポケモンシリーズの新作がリリースされていますが、「ポケモン 金・銀」も新作と比較しても決して古臭くなく、洗練されたゲームデザインが素晴らしいゲームです。 もしまだプレイしていないのであれば、ぜひプレイしてみることをおすすめします

一番印象に残っているところ Edit Edit

ポケモン金・銀のネタバレあり

「ポケモン 金・銀」から受けた影響 Edit Edit

  • チョン・イギ(akaigamgyul)シナリオ演出チーム長
    • 「ポケモン 金・銀」は自分自身を振り返ることができたゲームの一つでした
    • 子供の頃はプレイヤーの立場で楽しんでいましたが、今は一人のゲーム開発者としてゲームに向き合い、当時のゲーム開発者のアイデアや洞察を振り返ることができたゲーム
    • そして、これまでゲーム開発を続けてきた中で、もしかしたら自分がやっている作業の中で細かさやディテールを見逃していないかどうか、警鐘を鳴らしてくれたゲーム
    • いろいろな意味で私にとって大きな意味を持つ特別なゲームです

2023/09/15 [音楽] 開発者インタビューvol.3 - 音楽ディレクター編 (簡体字中国語版公式) Edit Edit

簡体字中国語版のクローズドβ開始前に行われた音楽ディレクターMitsukiyo氏への短い公式インタビュー。
要約した内容は以下の通り。

本編 Edit Edit

Q1.自己紹介 Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 私の代表作は、「Constant Moderato」と「Unwelcome School」です
    • いろいろなジャンルの音楽を試すのが好きで、本作でも色んなジャンルやスタイルのトラックを作りました

Q2.ブルーアーカイブの音楽のスタイルについて教えてください Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 全体的なジャンルは、エレクトロニック・ミュージック(電子音楽)を基本として、フューチャーベース、ドラムンベース、トラップ、Hi-techなど
    • 「ブルーアーカイブ」独自の音楽スタイルを形成するため、一つのジャンルに絞らず様々な要素を組み合わせています
      • 例1)ビナー戦BGM「Endless Carnival」:クラシック音楽とドラムンベース
      • 例2)勝利BGM「Party time」:チップチューンとフューチャーベース
    • 「青春」と「学園」の2つのキーワードを反映するため、軽快でクールなエフェクト音を多用している
      • 例3)学園シーンでは鐘の音、夏のシーンでは水滴の音、静かな昼下がりのシーンでは鳥のさえずりの音
    • 自分の曲はゲームの背景曲として使われるのが主なので、プレイヤーに刺激を与えないように、ゆったりとカジュアルなアレンジを心掛けています
    • 私と、NorKARUTは個性的な作曲家です。だからこそ、ただの一般向けの音楽ではない、本作の個性を引き出す音楽を作ろうとしています

Q3.中国でも人気の「Unwelcome School」を作ったきっかけ Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • キーとしたのは「悪役が悪いことをするが、悪事の中に滑稽な要素もあり、曲自体はスピード感があるものにしたい」ということ
    • 頭でアイデアを考えるより、指の動きで自然に作った曲
    • 「悪役」を表すため、長調ではなく短調に
    • 不安定感・断然感を出すため、全音階よりも短音階を多用

Q4.中国の先生たちに何か言いたいこと Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • ブルーアーカイブはキャラクター、プロット、音楽、サウンド、演出の面で優れたゲームです。ぜひお楽しみください
    • 中国のプレイヤーのために「Step by Step」と「Constant Moderato」のミックス曲をリリース前のPV用(taptapbilibili)に作りました
    • 「ブルーアーカイブ」にもっともっといい音楽を届けられるよう、これからも頑張ります

Q5.中国のプレイヤーに「CONNECTED SKY」を演奏してもらえますか? Edit Edit

4:15付近から実際に Mitsukiyo さんが演奏している

2023/08/11 [ビジュアル] 開発者インタビュー第2弾 - アートディレクター編(簡体字中国語版公式) Edit Edit

簡体字中国語版のクローズドβ開始前に行われたアートディレクターhwansangへの短い公式インタビュー。
長さの割にかなり内容が多い。
超要約した内容は以下の通り。

本編 Edit Edit

透き通った爽やかなアートスタイルの理由と決め方 Edit Edit

  • hwansang
    • 「学園」と「青春」というキーワードを最大限伝える方法を探り、今のアートスタイルができた
    • 画風の統一と、各作家の個性をバランスよく表現することに注力している
    • 参加してくれた方々から「ブルーアーカイブ」らしいスタイルの提案を受けて今のスタイルができている

ヘイローはただの飾り? Edit Edit

  • hwansang
    • 設定については何も言えない
    • ビジュアル面からいうと、キャラの個性・能力・特徴を映し出す物として描いているので感じとってほしい

ブルアカのようなアートスタイルを目指すイラストレーターへ Edit Edit

  • hwansang
    • 方法論やテクニックより、まず世界観が大切
    • ブルアカの一つの長所は、キヴォトスの世界や登場人物がフィクションでなく実際に存在しているような感覚をプレイヤーに与えようとしているところです

担当キャラクターは? Edit Edit

  • hwansang
    • アロナ・ソラ・リンなど接することが多く、本作独自のビジュアルを表現するキャラクターは自分が担当

キャラクターのデザインプロセスは? Edit Edit

  • hwansang
    • シナリオライターが設定を提案、原画家がデザイン案を出し、設定担当・3D担当・アニメーターたちと打ちあわせして最終デザインを決定して、そのあと制作
    • キャラ制作の面白味は、リリース後にプレイヤーの解釈・創作でキャラや開発チーム内の設定が徐々に変化していく過程
    • 中国版プレイヤーに新しい解釈を加えることを期待しています

2Dと3Dを組み合わせることで気を使っていることは? Edit Edit

  • hwansang
    • 3Dはブルアカ独自の戦闘シーンに機能的に不可欠
    • 3Dの美術的メリットを最大化するようにしている たとえば射撃・リロードモーション・表情

中国のプレイヤーたちへのメッセージ Edit Edit

  • hwansang
    • 長らくお待たせしました
    • 「ブルーアーカイブ」のキャラクター・世界観を皆さんがどう解釈して創造してくださるのか、楽しみにしています

2023/07/21 [全般] 第1部最終編 更新記念 開発者コメンタリー(グローバル版公式) Edit Edit

グローバル版の第1部最終編 開始直前に行われた開発者コメンタリー。
ただし、内容はとくに最終編と関係はない。

内容は、以下のイベントと登場生徒、および今後実装2生徒の制作裏話。

登場スタッフはisakusan(シナリオディレクター)キム・グクギ (9ml)(2Dキャラクターチーム長)kokosando(イラストレーター)CHILD(イラストレーター)Lee HyounMin (GrimGreen)(シナリオライター)Nam MinCheol (Prenguin)(シナリオライター)

以下、韓国語字幕をOCRしてDeepLで日本語訳したものを基にした要約。

オープニング Edit Edit

自己紹介 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • MXスタジオアート室2Dキャラクター1チーム チーム長のキム・グクギです。今日もよろしくお願いします
  • Kokosando
    • 2Dキャラクター1チームで、キャラクター原画を担当しているKokosandoと申します。よろしくお願いします
  • CHILD
    • MXアート室2Dキャラクター原画1チームの最年少CHILDと申します。よろしくお願いします
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • MXスタジオIP室でシナリオライターを担当しているイ・ヒョンミンと申します。よろしくお願いします
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • 同じくIP室でシナリオライターを担当しているナム・ミンチョルと申します。よろしくお願いします

アイスブレイク Edit Edit

  • isakusan
    • 今日もインパクトのある映像が画面に映し出されていますね
    • Kokosandoさん、どうしたんですか?
  • Kokosando
    • Kokosando.jpg
    • 美少女(のアバター)をかぶるのはどうも苦手なんですよね。それで、自分で書いた絵で顔を隠すとなると優等生カマキリくらいしかないんですよ
  • isakusan
    • CHILDさん、この子犬は一体何者なんですか?
  • CHILD
    • CHILD.jpg
    • これは知り合いが描いてくれた怒っているチワワの子犬の絵なんです。私に似てるって持ってきてくれたので、描いてくれとお願いして描いてもらいました
  • isakusan
    • 放送を見ている先生方はよくわからないと思いますが、すごく似ています

イベント「放課後スイーツ物語 甘い秘密と銃撃戦」 Edit Edit

ストーリーについて Edit Edit

  • isakusan
    • このイベントはユーザーの皆さんの反応がとても良かったと思います。これを書いたライターのミンチョル(Prenguin)さん、どのように書きましたか?
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • 放課後スイーツ部はキヴォトスの中でも特に日常を代表する子たちだと思うんです。なので、できるだけ親しみやすく、学校で見聞きしたことがあるリアリティのある話し方・行動・反応をするように心掛けました。私が実際に見たりしたものを中心に構成するようにしました
  • isakusan
    • 内なる女子高生が...出てきましたか?
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • ああ...完全に否定はできないですね
  • isakusan
    • 私はうまくいったと思います。シナリオはどのように準備しましたか?
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • 日程上、前後に大きな事件が起きるメインシナリオがすでに用意されていました。なので、これはもう大きな話ではなくて、学生一人ひとりが持っている悩みとかそういう...個人的な話で構成しようと思ったんです
    • 一番引き出せるのは、経験談とかで私が似たようなことを考えられるケースです。実際に、学生時代にこうすればもっとうまくできたのにと思ったことを中心に書きました

キービジュアル Edit Edit

  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • 普通、キービジュアルというと、キャラクターの綺麗だとか恰好いい姿を見せるものが多いのですが、見てもらえれば分かると思いますがちゃんと目を開けている子が一人もいないんです
      • Houkago_Sweets_Monogatari_Key_Visual.jpg
    • みんなデフォルメされた表情で、これを構想したときに「こんな風にしてもいいのかな」と思いました。ですが、いつものようにアート室の人たちがうまくやってくれるだろうととりあえず投げたところ、想像していたよりずっといい感じに出来上がってきたんです。なので、やっぱり投げれば何とかしてくれるだろうと信じるきっかけになりました
  • キム・グクギ (9ml)
    • キービジュアルイラストの制作はKokosandoさんにお願いしました。制作はいかがでしたか?
  • Kokosando
    • 僕は最初にストーリーを渡されたときにこの子たちを見て「めちゃくちゃだな」とすぐに思ったので、そういう方向で制作を進めました
    • やっぱり原画家なので、僕ももちろん綺麗で上手い絵は好きなんです。ただ、漫画的で面白い絵の方が好きなので、むしろ私は楽しかったです
  • キム・グクギ (9ml)
    • 作品でよく見かける漫画的な表現が、Kokosandoさんの魅力だと思います

レイサの設定とデザイン Edit Edit

  • isakusan
    • このイベントで特にレイサがすごく人気でした。レイサはどのように構成しましたか?
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • レイサは、悪い記憶では無いのだけど久しぶりにいきなり出て来ると困ってしまう、そんな友達や思い出を思い浮かべて制作しました。(昔の)思い出というのは、自分が対処できない状態で突然やってきたら、困ってしまうしちょっと避けようとしてしまうじゃないですか
  • isakusan
    • 黒歴史みたいなものですか?
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • そうですね。布団を蹴る(原語:이불을 찬다;[流行語] 寝る前に布団の中で良くない記憶や黒歴史を思い出して足で蹴る様子を指す*16)みたいに言いますよね
    • なので、多くの人にそういうことが一つくらいあると私は信じていて、そんな思い出がやって来たという仮定でストーリーを書きました。その思い出の立場からすると、僕らのことをどう思うんだろう? ということを考えてレイサというキャラクターを構成することになりました
  • キム・グクギ (9ml)
    • レイサをデザインしたときの話も聞かせていただけますか?
  • Kokosando
    • レイサは、先にエデン条約編で少しだけ登場しました。当時、自分のことを「エースにしてみんなのアイドル」だなんて、ちょっと変な子だと思っていたんです。その後、「放課後スイーツ物語」のシナリオを見て、ただの変な子じゃないんだなと思いました
    • 同じグループであるスズミのグレーカラーや制服と似合うパステル調のカラーを着せちょっと幼い感じにして、レイサ本人は一生懸命に飾ったつもりだけど洗練されていないという風にしようと思いました
      • Reisa_Origin.jpg
    • バッジとか人形とか、レイサ本人は一つ一つに意味をもたせながら他人と仲良くなろうとしたけれど、なかなか思い通りにならないという可哀想さや稚拙さ、そういう部分がキャラクターの核だと思って制作しました
  • キム・グクギ (9ml)
    • 制作の過程で、特に印象に残っているエピソードなどはありましたか?
  • Kokosando
    • レイサは元々、ちょっと未熟な性格で、その性格を表現するために両サイドの髪の毛の長さを少しだけ変えて制作していたんです
    • イベントストーリー公開後、先生方のレイサの漫画やたくさんのファンアートを見ると、想像以上に不憫な解釈になっていたんですね。(実装前に)イラストだけが先に公開されていて、幸いにも修正する時間があったので、髪の毛の長さを揃えたことを覚えています
      • Reisa_Back_Hair.jpg
  • CHILD
    • レイサの初期試案には髪型にもたくさんのカラーが入っていたんですよね。今のカラーを見ると、アイスクリームとか綿菓子とか、レイサのヘアスタイルと相まって可愛らしさがよく表現されているように思います
    • このようにたくさんのカラーをうまく使い分けているのがKokosandoさんの長所ではないかと思います。
  • isakusan
    • ああ、暖かい(コメント)ですね
  • キム・グクギ (9ml)
    • もう一つ、レイサが登場するシナリオの草稿を見たとき、背の高いお姉さんっぽくもあり小柄そうでもあり、どっちでも成立しそうな感じを受けたんです
  • Kokosando
    • 最初はイメージが足りなかったので、まず背が高い方向で作業することになったんです。設定的に元々背が高い方だったので。ただ描いていくうちに、「あ、この子は背が高いとダメだな!」と。なので、私が小さくして、思い切って小さい方向で進むことになりました
  • isakusan
    • 実は、私が「エデン条約」を書きながらこの子を頭の中で描いたときは、背の高い子だったんです
    • 今のレイサの方がずっといい感じです

カズサの設定 Edit Edit

  • isakusan
    • はい、続いて今回のイベントの主人公ですね。ミンチョルさん、カズサの設定はどう制作しましたか?
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • 冒頭でお話したように、放課後スイーツ部の生徒たちはリアルな感じになるように頑張りました。もちろんカズサもです。ちょうどその年齢で大人になり始めた? でも実はまだ大人になりきっていない頃の生徒を書こうとしました
    • 絆ストーリーでは、他の放課後スイーツ部の子たちもそうですが、親しみやすくてシャーレによく遊びに来るような感じを出そうとしました。特に重要な立場や役割ではないんですが、その代わりに気軽に出入りできるというような生徒と考えて書きました
  • キム・グクギ (9ml)
    • そういえば、カズサが過去にスケバンだったという描写がありましたね。その姿がかなり気になったのですが、最後まで出てきませんでした。もしかして意図があったのでしょうか?
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • カズサのスケバン時代の姿については、最後まで表現しない方がいいとみんなに言っていたんです。たいていそういうのが表に出ると、その方にばかり目が行ってしまうので。僕らの話で大事なのはそっちじゃないから。今ですね、今
    • もちろん気になる人が多いだろうとは予想はしていたんですけど、こんなにたくさんいらっしゃるとは思っていなかったので、まずはお詫びを申し上げなければなりません。いつか話す時が来てほしいと思っています
    • まだ想像でしかないのですが、アイリとの話しも書きたいとは常に思っています
  • キム・グクギ (9ml)
    • カズサの話は、これからもお楽しみに~みたいな感じですね

ヨシミナツのストーリー上の設定 Edit Edit

  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • ちょっと変わった仲間たちですね。もちろん親しいのは親しいんですけど、全部が全部好きな面ばかりじゃないじゃないですか。実際、かなり怒らせることも多いと思います。戯言を言ったりするし、ぶち壊しにするし
    • でも今回のシナリオだけは、どうあっても一応、二人ともカズサを助けようとしていたと言いたいです。アクシデントはあったけど、意図は善意でした
    • 個人的にはカズサが過去にどんな人間だったとしても、全く気にも留めていないヨシミの態度がかなり書いていて良かったです
  • isakusan
    • たしかに、放課後スイーツ部の仲間たちを見ていると「本物の友達(原語:찐친)」だなあとちょっと思いましたね

各スタッフのイベントの感想 Edit Edit

  • Kokosando
    • 私はレイサが一人でぼーっとしてるところがすごく良かったです。そのシーンにあの情けない表情と演出がうまくマッチして、とても楽しく見れました
  • isakusan
    • 苦しむ美少女が好きなんですね
  • Kokosando
    • 好きな方ですね
  • isakusan
    • 💪
  • CHILD
    • 私は放課後スイーツ部の子たちのティキタカ(原語:티키타카;テンポの良い会話のこと)がすごく面白いし可愛く感じていたのですが、そこにレイサまで加わることでさらにハッピーになる放課後スイーツ部の子たちの姿を思い浮かべて、とても楽しいと思いました
  • キム・グクギ (9ml)
    • 放課後スイーツ部の子は、開発初期から一緒にやってきた生徒たちであり、また、ブルーアーカイブでも日常感を代弁してくれる生徒たちです。その分、開発者や先生たちにも、とても親しみやすい存在でした
    • この機会に関係性がさらに深まるのが見られて、楽しかったです

イベント「聖堂のメリークリスマス ~救護騎士団の贈り物~」 Edit Edit

ストーリーについて Edit Edit

  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • サンタといえばやっぱり救護騎士団ですね! という感じで制作することになりました
    • ミネが出るなら「救護」をすることになります。誰を相手にするべきか? 会議でいろんな意見が飛び交いましたが、結局、ハスミがいる正義実現委員会を「救護」すべきだという結論になりました
    • セリナハナエはすでに完成したキャラクターでした。なので、作業をしていく中で新キャラクターであるミネにやや重きをおくようになっていきました
  • isakusan
    • ミネがすごく露出できるようになったので、とても良かったと思います

キービジュアル Edit Edit

  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • 意外とバックにいるハスミツルギに、先生方の視線が集中した記憶があります。デザートに夢中になっているハスミと、それを心配そうに見守るツルギの関係性に興味を持たれていましたね
      • Seidou_Merry_Chirstmas_Key_Visual.jpg Seidou_Merry_Chirstmas_Key_Visual_Left.jpg
    • 先生方、ツルギはもともと常識人です
  • isakusan
    • 常識人です
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • 違うと思われる先生方は、正義実現委員会と面談してください
  • isakusan
    • キービジュアルにも常連のようにでてくる、正義実現委員会モブについても説明していただけますか
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • 正義実現委員会モブは他のモブに比べ、特に人気が高いです。当時、異常に人気だったこともあり、このモブをセンターに設置しようというちょっと奇抜な企画書を書きました。それがそのまま通ったので、内心驚いた記憶があります
  • CHILD
    • 最初に提案書をもらったとき、この子はモブなのにセンターに置いてもいいのかなと思いました。でも、僕がブルーアーカイブチームに入ってから初めて手がけたキャラクターでもあって愛着もありますし、多くの方に気に入ってもらえたからこうして出てくることができたのだと思います。ありがとうございます
  • isakusan
    • ところで、そういえばマシロが見当たらないですね。マシロはどこにいるんですか?
  • CHILD
    • エピローグをご覧いただければわかると思いますが、マシロは一緒に登場します。でも、画面を構成していたらマシロが入る場所がなくなってしまったんです。今見ると、もう少し小さくでも入れておけばよかったかなと思っています。マシロごめんなさい
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • マシロはこの時も正門で警備をしながら正義の味方をしていたのではないでしょうか。パーティーフードはきっとみんなのサンタセリナが持ってきてくれたのでしょう

セリナ(クリスマス)のデザイン Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • デザイン担当のCHILDさん、セリナ(クリスマス)はどのようにデザインされましたか?
  • CHILD
    • セリナ(クリスマス)は、私たちのゲームに初めて登場するクリスマスコンセプトの生徒ですよね。だから、デザインするときに悩んだんです
    • 慈善活動にやってきた救護騎士団の生徒ならどんな服を着るか? と考えて、ブルーアーカイブなら普通のサンタ服を着せるのとはちょっと違う方向性があるんじゃないか? と考えました
      • Serina_Christmas_Origin.jpg
    • セリナはいい子だから、真剣に救世軍*17の活動に取り組むと思うので、今のようなある程度フォーマルでありながらかわいい姿になりました
    • 本物のサンタになったセリナの姿も、いつか見ることができるのではないでしょうか?
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • セリナがサンタになったら、普通に天井の換気扇のようなところから現れるのではないでしょうか
  • 一同
    • (笑)
  • CHILD
    • 最初は既存のセリナのデザインやイメージを考えて、ただただ可愛く見えるようにデザインしようと思っていました。ですが、ヒョンミン(GrimGreen)さんと意見交換しているうちに、セリナならちょっと先生を意識した方がいいのでは? となり、普段履いている白いストッキングから黒に変えてみたり、いつもと微妙に違う雰囲気を感じさせるデザインにしてみました
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • じゃあ、お二人でセリナのストッキングについて個別に打ち合わせをされたんですか?
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • そうですね。デニールは大事です。本当に大事なんです
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • わかりました。本当に頼もしい職場ですね
  • isakusan
    • 私は時々、うちのスタジオが怖くなることがあります
  • キム・グクギ (9ml)
    • 譜面台とか、手にベルを持っているとか、音楽に関わる要素がいくつか含まれているように見えますが、これも意図的なものでしょうか?
  • CHILD
    • シナリオを見るとハナエが「セリナ先輩はすごく歌が上手いんです」というセリフがあるんですけど、その台詞に合わせてキャロルを歌っているセリナの姿を想像して、楽譜を置きました。譜面台がスキル演出にも使われていて、綺麗に仕上がってとても満足しています
  • isakusan
    • ぱっと見て「ああ、クリスマスだ!」という感覚がぐっと伝わってきて私は良かったと思います
  • CHILD
    • セリナのロビーイラストは、救護活動中に先生からショールを渡されるという設定です。なんかこの状況と雰囲気そのものがチートっぽくないですか?
      • Serina_Christmas_Memorial_Lobby.jpg
  • キム・グクギ (9ml)
    • CHILDさんが雪の降る背景に光り輝く照明を、とても気を使って配置してくださいました。セリナの髪に透過する光とか、照明に影響される背景の部分とか、とても綺麗に表現されていると思います
  • CHILD
    • クリスマスといえば、寒い冬の空と対照的な暖かい照明がポイントだと思ったので、そこを強調しました。この状況でワクワクして喜ぶセリナの表情を表現するのにも気を使いました
    • アニメーターの方もセリナの動きをキレイに表現してくれたり、素敵なBGMも加わったりして、クリスマスの雰囲気がよく出ていると思います

ハナエ(クリスマス)のデザイン Edit Edit

  • Kokosando
    • ハナエは、主に医療行為で変な行動をすることが多いキャラクターなのですが、キヴォトス内の純粋で優しい子ランキングで言えばかなり上位に入ると思います。朝顔という苗字がすごく似合う、そんな生徒だと思います
    • セリナがサンタという感じなので、トナカイにしてみました。他の試案も全部トナカイの角を付けています。私も久しぶりに見たのですが、かなり明るくてかわいいです
      • Hanae_Christmas_Origin.jpg
    • オリジナルのハナエを尊重しつつ、季節感も少し感じさせながら出来るだけふわふわとした表現をしようとしました。改めて見るとすごくかわいいですよね
  • キム・グクギ (9ml)
    • ご自身で制作されたロビーイラストでも、ほっこりした雰囲気がよく伝わってきますね
      • Hanae_Christmas_Memorial_Lobby.jpg
  • Kokosando
    • ロビーイラストは、毎年来るサンタさんにクッキーと牛乳でお返しをしようと思っているハナエです。まだサンタを信じている上に、あちこちに飾りをつけたり靴下も飾ってプレゼントをもらおうとしているところが、年頃の学生らしからぬ可愛らしさです。高校生なのに
    • 純粋に感謝を伝えたいというところが優しい生徒だと思います。編み物もコツコツと一生懸命やっているそんな姿を見ていると、あ、この子、可愛いなと
  • キム・グクギ (9ml)
    • すごく黙々と作業してくださっていたので知りませんでしたが、1つに対する愛情がすごく感じられますね
    • 意外と編み物の動きを表現するのは、難易度が高い作業なんです。リファレンスを一生懸命探して、イントロでちゃんと編み物をするハナエを完成させていただき驚きました

ミネの設定とデザイン Edit Edit

  • isakusan
    • 救護騎士団の精神的支柱であり「救護」を身をもって実践している団長さん、ミネです
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • ミネはジュヨン(isakusan)さんが作ったキャラクターですが、当時、パラディンのような鋼鉄の信念を持ったキャラクターと説明されていました。でも今思えば、私がその鋼鉄のような信念にハンマーを打ちすぎたようです。すみません、団長さん
  • isakusan
    • パワフルでいい感じです
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • ミネがハスミと喧嘩するシーンは...正直、純粋に個人的な欲で入れた部分ではあります。いつか仲が悪かった、1年生時代のハスミとミネが見られるといいですね
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • そんなことを言っているうちに、私たちの仕事がどんどん増えていくのはご存じですよね? 今、かなり溜まってますよ、もう
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • また私が自分の墓穴を掘ったようです
  • キム・グクギ (9ml)
    • では、ミネのデザインもちょっと見ていきましょうか
      • Mine_Hanae_Serina.jpg
    • ミネは、セリナとハナエが完成した後に、二人のデザインに合わせて制作された生徒です。先に制作された二人がかなり可愛らしいフォルムを持っているので、あの二人の色味とフォルムで鋼のパラディンということで、かなり難易度の高いデザインだと思いながら心配半分・期待半分で担当者の方(注:ni02さん)にお願いしました
    • でも、担当者の方が見事に色の比率を調整してくださり、ロング丈のシルエットを利用して文字通り守護天使のような感じに昇華していただき、とても感動したのを覚えています
    • 今でもミネのデザインや色味は、社内でも好きなスタッフがかなり多いほどで素晴らしいデザインだと思います

イベント「喰積の 前にいささか ~一番勝負~」 Edit Edit

ストーリーについて Edit Edit

  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • 新年のイベントとして美食研究会と給食部が登場します。この時点で思いつくシナリオは一つしかなかったんです。とにかく料理が出るはずだし、対決が出るはずだ。それなら、「フウカの路地裏食堂」*18をやるしかない
    • 美食研究会はどこに出てきてもおかしくないけど、それだけに微妙に扱いにくいキャラクターでもあります。脇役や「薬屋の甘草」(訳注:何か起きるたびにいつも顔を出す人のたとえ)として使うには最高なのに、主役にするのはちょっと難しい生徒たちです。だってやっぱり悪役ですからね
    • 給食部も同様に、ハルナと合体させると話がどんどん出てきますが、やはり単独だとちょっと難しい生徒たちです
    • そこで、今回のイベントではハルナとフウカの意外な一面を見せる方向で行こうという話が企画会議で出ました。生徒たちの隠れた一面を見せることで、物語の主役として活躍させようということでした

キービジュアル Edit Edit

  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • キービジュアルの一番手前は、フウカ・ハルナで決まっていたんです。問題は残りのスペースでした
      • Kuitsumi_Key_Visual.jpg
    • 美食研究会と給食部全員を登場させると作業される方が大変なんじゃないかと心配していたのですが、快く全部描いてくださって、本当にありがとうございました
  • キム・グクギ (9ml)
    • ヒョンミン(GrimGreen)さんがおっしゃるように、コスチュームがとにかく豪華なキャラクターが多数登場するので、作業工数がかなり多かったと思います。前面に小道具までたくさん配置していただきました。作業者の方(注:ヘナチョコさん)のこだわりを感じます
      • 特に、一人称視点の描写で、食べ物がたくさん見える食卓と華やかなお祭りの街並みの背景が、臨場感を演出しているように思います
    • 個人的にイラストで一番印象的だったのは、賑やかな雰囲気の中、フウカとハルナがこちらに目を向けながら向かい合って立っているところです。とてもワクワクします

フウカ(正月)のデザイン Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • 担当の方が「白い新婦」をキーワードに、花を使って清楚さを表現されました。フウカは、先生方の間では「結婚するならフウカ」なんて言われるほど家庭的な姿をよく見せるキャラクターなので、新婦を連想させるこのデザインがよく似合うようです
    • 試案でご覧のように、他にも面白いアイデアがたくさんありました。共通していつもと違う前髪やアクセサリーがあるのを見ると、飾ろうと頑張るフウカの姿が思い浮かんでとても可愛らしいと思います
      • Fuuka_Shougatsu_Origin.jpg
    • フウカ(正月)のメモリアルロビーのシチュエーションは、先生と過ごした一日の締めくくりとして夜景を一緒に見るシーンです。担当者の方(注:7peachさん)が、整ったポーズのフウカさんとほのかな照明、そして風に吹かれる髪型などを最大限気を配って描いてくださいました
      • Fuuka_Shougatsu_Memorial_Lobby.jpg
    • 通常、背景全体にぼかしが入る場合は事前にディテールを妥協して描くことが多いのですが、この担当者さんは「全部描いてから効果を適用するのと、少しだけ描いてから効果を適用するのは仕上がりが違う」と言いながら、すべての場所を埋めた後にぼかし効果を適用していました。それを見ると、ある種の真心を感じられた気がします
    • 光のぼかしもフィルターではなく、一枚一枚、植物を植えるように直接配置してくださいました。その丁寧さのおかげで、落ち着いた雰囲気たっぷりのロビーイラストに仕上がりました

ハルナ(正月)のデザイン Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • ハルナはフウカと対比させるために、暗い色のデザインでお願いしました。担当者の方が暗い背景色と明るい色の文様・花で清楚な雰囲気を演出してくれました。品格のあるハルナさんによく似合う衣装だと思います
    • 当初は、装飾的に華やかで洗練された試案もありました。おおむね上品に見えますが、実際はいろいろと過激な面があるハルナのキャラクター性をより強調するため、見た目自体はより清楚な方でデザインを進めることになりました
      • Haruna_Shougatsu_Origin.jpg
    • ハルナ(正月)のロビーイラストは、こちらのKokosandoさんが担当してくださいました
  • Kokosando
    • おせち料理を食べさせているハルナです。お正月ということで、寒さを感じさせるようにしました。また、料理を食べさせるシーンなので、先生とハルナの目の高さを合わせて画面に近づけるように気をつけました
    • おせちは冷やして食べるものだと思いますが、真ん中に湯気が立った巨大な海老フライがありますよね。エビフライ。エビフライが先生への何かの感情ではないか、という気持ちで制作しました
      • Haruna_Shougatsu_Memorial_Lobby.jpg
    • そういえば、ほぼ完成した時点で左利きじゃないのに箸を左手に持っていたので、最後の最後で手の左右を変えた記憶があります。レイアウトも含めて、なんとかうまく変えました
  • isakusan
    • あの時、大変なことになるかと思ったのですが、あっという間にサクサクと変えてくれたんです。それを見てすごく驚きました
  • キム・グクギ (9ml)
    • Kokosandoさんのレイヤーの整理や保存が上手いので、そういう問題が起きてもすぐにうまく処理していただけたようです。私も見ていて、「この人は本当に賢いな」と思いました
  • isakusan
    • 暖かい(コメント)です

ジュンコ(正月)のデザイン Edit Edit

  • isakusan
    • ジュンコは、僕もすごく好きなキャラクターでもあります。特に今回のジュンコのデザインがとても可愛くてドキドキしました
  • CHILD
    • ジュンコ(正月)のデザインは、原作者であるDoReMiさんに担当していただきました。ジュンコを思い浮かべながら、頭の中に浮かぶイメージをそのままデザインしたそうです
    • それとは別に個人的な感想を申し上げますと、他の子は新年だからちょっと高級で派手で綺麗な着物を着ているのですが、一人だけ高価に見えない無難なデザインの袴を着てブーツを履いたこの姿もすごくかわいかったです。その服がバイト先のお店で借りた期間限定というのも可愛いし、おやつ袋を手に持っているのも可愛いし
    • せっかくの新年だからツインテール以外の髪型が見たい、という気持ちもありましたが、やっぱりジュンコといえばツインテールなんだろうな...と思いました
  • キム・グクギ (9ml)
    • CHILDさんは個人的にもジュンコのファンアートをたくさん描いているくらい、ジュンコが好きなようです
    • 今回、ジュンコ(正月)のロビーイラストをご自身で描くことになり感慨深いものがあったと思いますが、いかがでしたか?
  • CHILD
    • ジュンコはある意味、私が入社したきっかけでもありますし、個人的に好きなキャラクターでもありますが、まさか私がここに来てジュンコを担当することになるとは本当に思っていませんでした。これって「成功したオタク(原語:성덕;推しに近づけたファンのこと)」ではないでしょうか?
    • 口ではそう言ってましたが、仕事を任されたときは本当にプレッシャーが大きすぎて、前日はお腹が鳴って眠れなかったんです。
    • たぶん、私がジュンコが好きなのを他の方も知っているから、特別に任せてくれたんだと思います。だから、うまくやろうと思ったところもあります。DoReMiさんにもたくさん助けてもらいました
  • キム・グクギ (9ml)
    • 私はジュンコのお餅を配る手や、こちらを見る視線がすごく可愛く仕上がったと思います
      • Junko_Shougatsh_Memorial_Lobby.jpg
    • シチュエーションだけ見るとハルナ(正月)と似ているように感じるかもしれないんですが、ちょっと違うニュアンスを表現したかったんです。華やかなお祭りの街の中で二人だけの空間ができたような、そんな距離感を表現してみました
    • ジュンコのロビーの台詞をご覧ください。一人で考え事をしながら、こんな風に表情がコロコロ変わるジュンコの姿を見ることができます。本当に可愛いと思いませんか?
    • 言いたいことはたくさんあるのですが、分量の関係上、ここまでとします

アカリ(正月)のデザイン Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • アカリのお正月衣装は、グレーからブラックまでのトーンを少し控えめに使いながらベースとし、レザー素材やゴールドの装飾でポイントをつけることにこだわって洗練された感じでデザインしてみました
    • お見せする画像は、アカリのデザイン案です。左側は比較的可愛らしく、右側は比較的スタイリッシュです
      • Akari_Shougatsu_Origin.jpg
    • 私は、アカリがどこか清楚で洗練された雰囲気を持っていると思っていましたので、試案制作時に「金髪碧眼の貴族のお嬢様が日本のお祭りに遊びに来ている」というニュアンスでアプローチしてみました
    • アカリはまた、洗練された雰囲気の中に、活気や可愛らしさが一粒、二粒と混ざっているんです。そういった部分は、ヘアスタイルや小道具を利用して表現することを意図しました
    • 内部設定として、アカリの内面や気品について想定されたものはないと思うのですが、イメージ案を共有すると他の方々も自然と高級感のある色を選んでくださったのが不思議でした

イズミ(正月)のデザイン Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • イズミ(正月)は担当のMx2Jさんに代わり、私が簡単に説明させていただきます
    • お正月を楽しんでいるような明るい表情のイズミです。食べ物を持って走ってくるような姿がとても可愛らしいです。衣装や柄に入った黄色のポイントカラーも、イズミの元気な魅力をよく表しているようです
    • イズミらしく、イワシのたこ焼きにミントのようなソースをかけたものを持っているのがかなり刺激的です
    • 当初は元気な子犬のような感じが良いとのことで、プードルのようなヘアスタイルの試案も用意してくれました。既存のイズミの髪の毛の長さに合わせるために最終的に選ばれませんでしたが、この機会に可愛いので一緒に見ていただけたらと思います
      • Izumi_Shougatsu_Origin.jpg

直近実装される生徒(グローバル版2023/7/21時点) Edit Edit

ミカのデザイン Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • まずは、ミカのデザイン秘話について説明します。担当のYutokaMizuさんも特別な思い入れのあるキャラクターなので、直接コメントを寄せていただきました。私が少し整理して内容をお伝えさせていただきます
    • お見せする画像は、ミカの初期の原画です
      • Mika_Origin_01.jpg Mika_Origin_02.jpg
    • この時点では、ミカがストーリーでどのように描かれるのか具体的に決まっていなかったので、私たちが知っているミカとはかなり違う姿も含まれており新鮮です
    • 初期は「パテル分派の首領」「自他共に認める美少女」「女神」というちょっとおおざっぱなキーワードしかありませんでした。そこに、ミカならではの尖ったビジュアルキーワードを追加するため「宇宙」に関連したコンセプトを追加され、工夫された形跡が見られます。この宇宙のコンセプトは現在、ミカのヘイローや目など様々なところに反映されています
      • Mika_Cosmic_Concept.jpg
      • ミカの所属する「パテル」が、父、創造主などの意味を持つことから、超越的な意味を込めて宇宙を連想させる色と素材を適用してくれたそうです
    • また、ミカは感情表現がかなり多彩な生徒です。ストーリーが進むにつれて追加される表情や服装が本当に多く、その都度、ミカのキャラクターがどんどん立体的に変化していくのが魅力的ですね
    • 担当の方も、より演出に没入できるように表情ひとつひとつにとても丁寧に作業してくださいました。当時、実際にミカの顔を描きながら、何日もかけて目、鼻、口を1ピクセルずつ動かしながら苦労していたのを覚えています
      • Mika_Faces_01.jpg Mika_Faces_02_2.jpg
    • コメントから、ミカが誕生するまでに本当にたくさんの悩みや努力があったことが伝わってきました。制作者の方が、美しい外見はもちろん、シナリオの活用先まで徹底的に考えてくださったおかげで、ミカが先生方にもっともっと愛されるようになったのだと思います
  • isakusan
    • ミカは私もストーリーを書きながら、表情がここまで必要とされるとは予想していませんでした。ミカはたぶん、私たちが持っているキャラクターの中では一番表情が多いかもしれません。今こうして見返すと感慨深いものがありますね
    • 特に私はミカがすごく好きで、イラストもたくさん出ましたね。その中で一番好きなミカの姿は、ミカが一番きれいに表れているこの泣いているミカのシーンです。YutokaMizuさんが描いてくれた泣く美少女。見ていて本当に幸せでした
      • Mika_Crying.jpg
  • Nam MinCheol (Prenguin)
    • どうも発注のときから、ちょっと私利私欲が入っている感じがしていたんですけど、本当にそうだったんですね
  • isakusan
    • こうしてミカの開発秘話が聞けるのは本当に嬉しいです。やっぱりミカは、いろんな意味ですごい学生だったようです
    • ミカは今回ピックアップで公開される生徒でもあるので、先生方、今後ともよろしくお願いします

カンナのデザイン Edit Edit

  • Kokosando
    • 登場するたびに株を上げている、ヴァルキリーの公安局長で狂犬のカンナです
    • 作業当時は「ヴァルキリー」「公安局長」「狂犬」など、名称以外に具体的な設定がなかったので、かなり悩んだキャラクターです
    • 「狂犬」ってどんだけ恐ろしい奴なんだろう? そんなことを考えながら私は見ていたのですが、担当の方(注:POIstさん)に聞いてみると最初に思っていたのと違って、現場からも離れていて人生に疲弊した中間管理職のキャラクターでした。それを聞いて、ああ、これはオフィスレディのキャラクターかと
  • isakusan
    • うーん....
  • Kokosando
    • オフィスワーカーの3大栄養素(訳注:アルコール・ニコチン・カフェインのこと)を摂取しそうな、過去に暴れ回ったであろうキャラクターという感じで制作しました
    • 「刑事」というキーワードもあったので、最初はもう少し大人っぽい感じを意識しました。しかし、いざ描いてみたら、「学生じゃないな....?」と。キリノやフブキに比べるとヴァルキリーっぽさが少ないという意見もあったので、「なるほど!」と思いました
      • Kanna_Origin_01.jpg
    • 私も「その通りだ」ということで、もう少し若々しく見えるような感じで新しい案を組んでみました。ヴァルキリーは北欧の名称ですからね。北欧、美人、短髪、そばかすとかそういう要素を混ぜて、もう少し学生っぽいものを加えてみようとしました
      • Kanna_Origin_02.jpg
    • 最終的には、ちょっと人生に挫折したオフィスレディのような感じになりました。マグカップだけは変わらないような気がします。
  • isakusan
    • 私はカンナの1年生、この姿もすごく好きです。あの笑顔、本当にいいじゃないですか
  • キム・グクギ (9ml)
    • 試案の中の1つ(一番左)が、1年生時のイメージとして採用されました
    • カンナは学生ですが大人っぽい雰囲気を持っているので、先生とも対等に付き合えそうな感じがとても良いですね。カンナのメモリアルロビーのイラストを見ると、そんなカンナの魅力を存分に活かし大人がよりリラックスして会話を楽しめる空間である屋台を背景にしているのが印象的です
  • Kokosando
    • 「屋台で先生に見つかる」というメモリアルロビーのコンセプトを聞いた時、面白くてすぐにイメージが浮かび早速制作をしました。複雑なイメージを描きたかったので、あれこれ詰め込みました
      • Kanna_Memorial_Lobby.jpg
    • 私たちがSpine(Live2Dのようなアニメーションツール)のリソースを作らないといけないので、練り物や仕切りなどを戦略的に描いたのを覚えています
    • エンドウ豆をおつまみに小さなグラスにウーロン茶を入れて食べているシーンですが、場合によっては誤解を招きかねないので茶碗にしたのも記憶に残っています
  • isakusan
    • あれはウーロン茶です。キヴォトスの善良な学生は飲酒をしません

エンディング Edit Edit

  • isakusan
    • 今回は原画チームで準備をたくさんしてくれたので、いっぱい話ができました
    • それでは皆の感想を聞いてみたいと思います。いかがでしたか?
  • キム・グクギ (9ml)
    • 今日も先生方に様々な情報をお伝えできたことを光栄に思っています。また、特に今日は作品を直接担当された方々と一緒に話をすることができて、より良かったです
  • Kokosando
    • 私はもっと素の姿をお見せしたかったのですが、そうすると100%編集になるしかないので、私たちのフルパワーの10%くらい? しかお見せできなかったのが残念です。しかし、私たちの作業はいつも120%努力しているので、これからも期待していただけるとありがたいです
  • CHILD
    • 僕も最初はすごく緊張してたんですけど、話をしているうちに少し楽になりました。自分の分量が少ないかな? と思っていたのですが、話しているうちに多くなったような気がします。もちろん、ここで話せなかった話もあって残念なところもありますが、やりがいがありました
  • Lee HyounMin (GrimGreen)
    • とても新鮮でした。私たちはもちろん普段ものすごくたくさん話をしますけど、ここでしか出てこない話もありましたし、シナリオライターとしてアートがどのように機能して作られているのか分からない部分も多かったので、根本から知ることができてよかったと思います
    • 自分の制作しているストーリーに関わるキャラクターだけでなく、他の子の話も詳しく聞くことができたので、とても良かったと思います
  • isakusan
    • それでは、ここで皆さんに別れを告げなければならないと思います。引き続き、キヴォトスライブ生放送をよろしくお願いします。次回の開発者コメントもお楽しみにお待ちいただければ幸いです。それでは、ここでご挨拶とさせていただきます。さようなら!

2023/06/30 [シナリオ・経歴] 私を導いてくれた本] MXスタジオIP室シナリオチーム オ・ヒョンソクさんの「フルメタル・パニック」シリーズ *19(Nexon Games INSIDE) Edit Edit

Nexon Gamesの公式ブログに掲載された、オ・ヒョンソク(POIst)シナリオライターのインタビュー

オ・ヒョンソク(POIst)氏の自己紹介 Edit Edit

  • こんにちは、MXスタジオIP室でシナリオライティングを担当しているオ・ヒョンソクと申します
  • ゲーム業界に来る前はライトノベル・SF小説家として活動していましたが、2020年初めからMXスタジオに入社してシナリオライターとして働いています
  • IP室で私が担当している主な業務は「ブルーアーカイブ」のシナリオ作成とキャラクター企画です
    • ミリタリー業界で活動していた経験を活かし、SRT特殊学園やヴァルキリー警察学校のように軍事的な素材が目立つ物語を主に作ってきました
  • もちろん、ゲームというメディアの特性上、ゲーム内シナリオだけでなく商品・マーケティングなど多方面でコンテンツが展開されるため、ゲームの魅力を立体的に伝えられるようにIP室内外の様々なチームメンバーと協力して作業を進めています
    • 私一人では至らない部分も多いのですが、様々な分野の専門家の方々に助けていただけるので、いつも楽しく、全力で取り組んでいます!

『フルメタルパニック!』はどんな小説 Edit Edit

  • 賀東招二さんの「フルメタル・パニック!」シリーズは、富士見ファンタジア文庫から発売された初期のライトノベルの一つです
  • 私にとっては「私を導いてくれた本」であり、皆さんにもいつかぜひおすすめしたい作品です
  • 「ボーイミーツガール」というおなじみのテンプレートを踏襲しつつも、学園物・ミリタリー・メカニックなど様々なサブカル要素をうまく融合させたストーリーが秀逸です
  • この作品は、幼少期から傭兵生活を送ってきたため、平和な日常生活に対する常識がない少年・相良宗介が、高校に学生として潜入し、様々な事件に立ち向かう物語を描いています
  • 具体的には、2つのシリーズがあります
    • ミッション遂行がメインで巨大ロボット・ミリタリー調が目立つ「フルメタル・パニック!」
    • 学園生活がメインでコメディ・学園調が目立つ外伝「フルメタル・パニック?」
  • 2つのシリーズが目指す雰囲気やスタイルが大きく異なるので、1つの作品内で様々なスタイルの物語を同時に楽しめるのも、フルメタル・パニックの魅力の一つだと思います

『フルメタル・パニック!』を「私を導いてくれた本」に選んだ理由 Edit Edit

  • 好きな本は数え切れないほどあるのですが、その中でも「フルメタル・パニック!」を「私を導いてくれた本」に選んだ理由は、この作品が一番最初に読んだライトノベルだからです
  • 「フルメタル・パニック!」を初めて読んだのは高校生の時に友達の勧めでした
  • それまで読んだミリタリー小説は戦略や戦術・武器などに焦点を当てていたのですが、「フルメタル・パニック!」は魅力的なキャラクターと学生らしい葛藤に焦点を当てていて、とても新鮮でしたし何よりとても面白かったです
    • 日本のライトノベル特有の漫才のような会話も私の好みでした(笑)
  • 私が「フルメタル・パニック!」で一番気に入ったのは、日常パートとシリアスパートの調和のとれた描写です
    • 先ほども言いましたが、「フルメタル・パニック!」は雰囲気が大きく異なる2つのパートに分かれています
  • 学園を舞台にした日常パートである「フルメタル・パニック?」で築き上げた関係性が、メインパートである「フルメタル・パニック!」で葛藤を解消する装置として使われる描写がとても良かったです
    • 平凡な日常がなければ悪役もヒーローも存在しないという物語のテーマを直感的に理解することができました
  • おかげでライトノベルというジャンルに興味を持ち、他の作品を読んだり書いたりして作家活動を始めたので、「フルメタル・パニック!」は今の自分を作ってくれた作品だと断言できますね
  • 「フルメタル・パニック!」はもう10年以上も前の作品ですが、名作は時代を超えた価値を持っているからこそ名作と呼ばれるのだと思います(笑) 皆さんも機会があればぜひ一度読んでみてほしいです!

『フルメタル・パニック!』シリーズで一番印象または記憶に残っているシーン Edit Edit

  • 「フルメタル・パニック!」は10年以上にわたって連載されたので、作品内のキャラクターも連載を重ねるごとに少しずつ成長しています
  • 主人公である相良宗介の、人間味を徐々に帯びて成長していく様子が一番印象に残っています
    • 物語序盤に描かれる宗介は、任務を遂行するためなら手段を選ばない冷酷な傭兵のようなイメージが強かったのですが、後半になると普通の人のように喜怒哀楽を感じ、仲間を守るために命令を拒否するほど変化していきます
  • 最後の戦闘で宗介が彼のパートナーであるAI「アル」と交わす会話は、彼の成長を表す部分であり、私は読んでいて胸が熱くなりました。個人的には、このシーンをフルメタル・パニックの数ある名シーンの中でも最高傑作に挙げたいと思います

2023/06/16 [シナリオ] 開発者インタビュー第1弾 - シナリオディレクター編(簡体字中国語版公式) Edit Edit

簡体字中国語版のクローズドβ開始前に行われたシナリオディレクターisakusanへの短い公式インタビュー。
超要約した内容は以下の通り。

  • isakusan
    • ブルーアーカイブは昨今流行りの重たい・暗いストーリーではなく基本的に明るい青春物語です
      • シリアスな部分もスパイス的には存在しますが、基本的には青春・ファンタジー・学園・愛・友情・努力がメインです
    • 原文は韓国語で、そこから中国語版・グローバル版・日本語版に翻訳しています
      • 中国語版はYostarがとてもがんばってくれているので感謝しています

2023/05/19 [全般] 時計じかけの花のパヴァーヌ 開発者コメンタリー(グローバル版公式) Edit Edit

本記事はメインストーリVol.2「時計じかけの花のパヴァーヌ」第2章、メインストーリーVol.3「エデン条約」第3,4章のネタバレが含まれています。

グローバル版メインストーリーvol.2「時計じかけの花のパヴァーヌ」第2章「友情と勇気と光のロマン」リリース直前記念の開発者コメンタリー。

内容は、2nd PV、エデン条約編のヒフミ演説シーンヒフミハナココハルパヴァーヌ2章のストーリー制作アリスC&Cメンバートキリオアバンギャルド君の制作裏話について。

登場スタッフは、isakusan(シナリオディレクター)、hwansangことキム・イン(アートディレクター)Park SeongMin (Then-goon)(シナリオライター)DoReMi(イラストレーター)Mx2J(イラストレーター)

以下、韓国語字幕をOCRしてDeepLで日本語訳したものを基にした要約。

オープニング Edit Edit

登場スタッフ紹介 Edit Edit

  • isakusan
    • まずは、アートディレクターであるキム・イン(hwansang)さんです
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • こんにちは
  • isakusan
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • シナリオライターであり、シナリオチームのパート1(注:シナリオライターチームのこと。パート2はシナリオ演出チーム)のパート長を務めているパク・ソンミンです。ブルーアーカイブでは、桜花爛漫お祭り騒ぎ不忍の心百夜堂FC計画などのイベントシナリオを担当しました
  • isakusan
    • そして、ブルーアーカイブの看板イラストレーターであり、メイン作画を担当されているDoReMiさんです
  • DoReMi
    • ブルーアーカイブのキャラクターのメイン作画・監修を担当しているDoReMiと申します。よろしくお願いします
  • isakusan
    • この座談会がメインストーリーについてのお話ということで、メインストーリーの作画を担当されているイラストレーターの方々をお招きすることになりました。ということで、DoReMiさんがお話を多くしてくれそうです
    • いや、でも顔はどうしたんですか? なんで見せてくれないんですか?
  • DoReMi
    • DoReMi.jpg
    • 私は昔から前に出たがらない性格なんですが、ブルーアーカイブのメインストーリー座談会というのをやるというので、思い切って出てきました。よろしくお願いします
  • isakusan
    • はい、よろしくお願いします
    • おや、こんなところに偉い方が!
    • 一体どういうことなんですか? カイザー理事さん?
  • Mx2J
    • Mx2J.jpg
    • こんにちは。私はカイザー理事ではなく、以前、ライブなどでご挨拶させていただいたMx2Jです。私はブルーアーカイブでキャラクター原画を担当しています。
  • isakusan
    • Mx2Jさんは今回の放送でご紹介するメインストーリーで非常に多くの活躍をされたので、今回もお呼びしました

2nd PV Edit Edit

  • isakusan
    • 今PVは3rd PVまで公開されています。その中でも、特にメインストーリーと非常に密接な関係がある、2nd PVについて少しお話したいと思います
    • グローバルでは'21年12月14日(注:日本では'21年3月19日)に公開されたんですけど、久しぶりにこの映像をもう一度見てみましょう!

2nd PV(グローバル版韓国語Ver.);日本版とほぼ同じ

  • isakusan
    • 改めて見ると本当に良いですね。私もシナリオライターとして長い間仕事をしてきたのですが、PV映像を作ってその内容に沿って進行することは初めて経験しました

2nd PV の制作意図・目的 Edit Edit

  • isakusan
    • 2nd PVを企画・制作されたインさんに意図や目的みたいなものをお聞きしたいです
  • Kim In (hwansang)
    • 2nd PVの場合、開発するメリットの1つとして「今後の青写真にあらかじめ触れることができる」ということがありました。事前にジュヨンさんにこれからのストーリー展開を聞き、「ああ、これは本当に一人で知っているのはもったいない」と思ったんです。開発者の方々と一緒に(今後のストーリーについての)共通のビジュアルやロードマップを共有することでより良いものが作れるのではないかと考え、制作をしようと考えました
    • (ストーリーの)青写真だけでなく、ビジュアル面でも今まで見せられなかったハードボイルドな部分やブロックバスター映画*20のような部分などを見せられた点で、本当に思った以上の効果があったと思います
  • isakusan
    • DoReMiさんがすべてのPVの作画を担当されましたよね
  • DoReMi
    • はい
  • isakusan
    • 2nd PVを制作するにあたって、何か悩まれた部分や感想などありましたら、一言お願いします
  • DoReMi
    • 1stのPVの時に悩んでいたことを、2nd PVに反映して描いたといえます。当時、イラストレーターごとに固有の画風が共存しているところがあったんです。それらを一つの画風に統一して、ブルーアーカイブのビジュアルはこんな感じです、という宣言を内外に提示することを重要視しました
    • 線画の作業が延々と続いたのですが、(キム・イン)ADさんのある種の怪物的な進行力に引っ張られて、気がつくといつの間にか完成していました。ADさんと一緒に「こんなのやりたい!」と思いっきり話あって描ける時間だったので、すごく楽しかったです
      • 時間の関係上、全部ここで言えないのがちょっと残念です。ネルアリスとの戦闘シーンとか、いろいろと。
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • DoReMiさんもおっしゃっていましたが、実は、2nd PVで描かれているシーンは、私たちが話し合っていたアイデアの氷山の一角に過ぎないんです。アート間で話し合ったことだけでなく、ジュヨンさんとも話をしながら「これから私たちの世界観の中でどんな物語を見せようか?」と考えていた部分を本当に思う存分展開できて嬉しかった反面、全部見せられなかったのが残念でした

アズサがボロボロになった顔のシーン Edit Edit

  • isakusan
    • そういえば、インさんが私に「アズサがボロボロになった顔が見たいんですけど、どうですか?」と聞いたことがあったんです。それで、私がアズササオリと喧嘩するシーンがあるのですが、そのシーンを入れればいいんじゃないかと言ってシナリオ構成をそのように組んだ記憶があります
      • Azusa_2nd_PV_boroboro.jpg
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 個人的には、美少女の本当の魅力は苦しみを乗り越えることにあると思っています。
  • isakusan
    • 私は本当にこのブルーアーカイブを作っていて、とても幸せな気分です。ライターとしては、このシナリオカット、これが本当に貴重なものなんです
    • 僕は以前からこういうのがあったらいいなと思って大事に書いていたんですけど、実はブルーアーカイブでは本当にお腹いっぱい書いているような気がしています。あらためてここにいる方々に感謝の拍手を送ります
  • 一同
    • (拍手)

2nd PVとメインストーリーの制作時期の関係 Edit Edit

  • Park SeongMin (Then-goon)
    • 僕が入社してすぐに見たのが2nd PVのラフ映像でした。いきなり疾走するような雰囲気のあの映像を見て、すごくドキドキしました。ここに入ってユーザーより先にこれを見ることができる、ということにすごく感動しました
  • isakusan
    • これが開発者の長所というか短所だと思うんですけど、長所は先に見ることができること、欠点はネタバレをされることだと思います
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • それがもう3年前(注:2020年)のことです。もしかしたら、その時からPVに登場するすべてのストーリーはすでに決まっていたんですか?
  • isakusan
    • 大まかなあらすじは決まっていました。でも、詳細なプロットが出来ていたわけではないんです。PVを先に作らないといけないので、イメージシーンは先に構想を練って後でそれをつなぎ合わせてストーリーを書いていく、みたいな形でいろいろな作業をしましたね。
    • 特に今見ていただいている、名前を明かせないあのキャラクター。あのキャラクターは、エデン条約4章で初登場しましたね
      • Kuzunoha_2nd_PV.jpg

トリニティとゲヘナが向かい合うシーン Edit Edit

  • isakusan
    • Mx2Jさんも今回PVに直接参加された方として、お気に入りのシーンや印象に残っているものがあれば教えてください
  • Mx2J
    • 私はトリニティとゲヘナが向かい合うシーンが特に好きでした
      • Eden_Treaty_Trinity_and_Gehena_02.jpg Eden_Treaty_Trinity_and_Gehena_01.jpg
  • isakusan
    • これは本当にユーザーの皆さんにすごく反響がありましたね。特にあの表情。あの表情は誰が作ったんですか?
  • DoReMi
    • インさんがカラーラフを描いてくれて、私が仕上げた絵です。描いていて、インさんもキャラクターに欲を出しているんだなあというのをつよく感じた絵でした
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 実は私が下絵を描いたときは、ここまでキャラクター性の魅力が増すとは思わなかったんですけど、DoReMiさんのおかげで期待以上に良いキャラクター性満載のシーンが出来上がりました
  • DoReMi
    • 楽しい作業でした

ゲマトリアたちのデザイン Edit Edit

  • isakusan
    • さて、私がちょっとお聞きしたいのはこのシーンです。ゲマトリアですね。彼らについて、開発の裏話をお話しします
      • Gematria_2nd_PV.jpg
    • 一番左のベアトリーチェ以外の、黒服ゴルコンダ&デカルコマニーマエストロ、この3人はMx2Jさんが描いてくださいました。特に黒服は、初めて美少女以外のキャラクターを作ったケースで特別な思い出として残っています。新しい挑戦だったので、二人で一緒に苦労しながらやりました
    • 驚いたことに、Mx2Jさんが美少女だけじゃなくてこういうクリーチャーもすごく上手に描けるので、「よし、次のゲマトリアのキャラは全部Mx2Jさんに任せよう!」と思ったのを覚えています
    • Mx2Jさんは、メンバーの中で気に入ったキャラはいますか?
  • Mx2J
    • ゲマトリアは、ジュヨンさんが人間の形でないことを望まれたんです。私はその点が好きでした
    • その中でも、私はマエストロが特に愛着があります。木彫りのような姿でどうやったら人間っぽくなく、怪物っぽく見えるか? と考えながらデザインをしました。ポーズもそうですし、人間味を感じさせないように、できるだけ奇怪な姿勢にしました。ジュヨンさんと意見を交わしながら、最終的には満足のいくものに仕上がったと思います

「エデン条約」編 Edit Edit

ヒフミの演説シーン Edit Edit

  • isakusan
    • 実はエデン条約という物語は、私にとってもそれなりに意味のある物語なんです。特にヒフミのこの演説シーン。これは本当に良かったですね
    • 制作当時、このシチュエーションをテキストで書いていたんですけど、インさんが見た瞬間にこうして描いてくれたんです。単純に数行のテキストがこうやって世界の中で肉体を得ていく。そういう過程を僕が横で見ていて、ああ、本当にすごいな、と思いました
      • Eden_Treaty_Hifumi_Speech.jpg
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • スクリプトを先に読む機会があったのですが「あ、これこのまま出すのか。カットイン描かないのか?」というような、無言のプレッシャーを感じたんです。なので、「これはやらないといけない」と思って進めていました。思い起こせばあまり時間の余裕もなかった状況だったんですけど、「やろう!」と言ったら周りの人たちが快く「これはやるしかない!」と熱意を示してくれました
    • 私の不器用なラフも見事にこなしてくれたDoReMiさんのおかげで、本当に良いシーンになった気がします
  • isakusan
    • このシーンは特別にボイスも入れてくれて、素敵に仕上がったと思います。私もお礼を...。拍手!
  • 一同
    • (拍手)
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • このシーンが、ブルーアーカイブの象徴となるシーンとなっている気がします。ブルーアーカイブというタイトルが回収され、ユーザーの皆さんが受け止めているように、私も、ああ、素敵なシーンだなと思いました
    • まだご覧になってない方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ見ていただきたいと思います
  • isakusan
    • 学園と青春の物語 ブルーアーカイブ! たくさんのプレイをお願いします

ヒフミについて Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • ヒフミは、ここまで重要度の高いキャラクターになるとは思っていませんでした。私が担当したキャラクターですが、(リリース)当時は「ただの普通の学生です」という感じで配信されたんですけど。ここまで重要な人物として浮上して、今思えば騙された感がすごく強いです
  • isakusan
    • 僕も、最初にヒフミを発注依頼をするときはここまで重要な子じゃなかったんです。でも、文章を書いているうちに、ふと気づくとものすごい重要人物になってたんですよ。後には、ブラックマーケットを捲土重来するようなボスにまでなっていて。僕もちょっと驚きましたね
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • ここまでヒフミの重要度が高くなった原動力のひとつは、私だけでなく、多くの人がヒフミに愛着を持って投資をしてくれたからだと思います。代表としてヒフミのメモリアルロビーだけでも、DoReMiさんがすごく素敵な解釈をしてくださって、それを受けてまた作曲家さん(注:Mitsukiyoさん)が「ああ、これは専用音楽が必要だな」と思ってと、キャラクターを最初に考えていた以上のものにしてくれる原動力になりました
  • DoReMi
    • ヒフミは作業当時、社内でも一番人気のあるキャラクターの一人だったので、メモリアルを制作することに少しプレッシャーがありました。私もヒフミが大好きなので、描いていてとても楽しかったです

ハナコについて Edit Edit

  • isakusan
    • ヒフミだけでなく、ハナコも私が最初にインさんに依頼をしたときは、今のようなキャラクターじゃなくすごく天真爛漫で臆病で恥ずかしがり屋さんだったんです。これもシナリオを書いていて気づくと、今のハナコになっていましたね。「多くの人を私がこんなに苦しめたんだな」と思います

コハルについて Edit Edit

  • isakusan
    • アズサとコハルは、当初の予定通りで何も変わっていません。
    • いかがでしたか? DoReMiさん コハルをデザインされた方としては?
  • DoReMi
    • コハルは、とにかく私が大好きな生徒の一人です
    • 開発当初は、(もともと)一人でキャラクターデザインをしてきてばかりだったので、こんなキャラはどうですか、あんなキャラはどうですか、みたいな感じでジュヨンさんに投げかけることがすごく多かったんです。でも、ジュヨンさんに投げかけると、いつもとても素敵なキャラクターが出来上がるので、ああ、面白いな、と
    • コハルも最初、私がつけた設定では言えないことがたくさんあったんですけど、ジュヨンさんがよく触って磨いてくださってこんなキャラクターになりました
      • コハルのトレードマークである猫の目も、ジュヨンさんのリクエストで作られた表情です。説明を聞いた瞬間に頭の中で「ああ、これだ!」と思ったのを覚えています
    • そうしてジュヨンさんを通して出てきたコハルのシナリオを見ると、もっと可愛くて、生き生きとした動きをしていて、すごく良かったんです
      • 普段は可愛いコハルですが、特にエデン条約ではあまりにキュートすぎて「私をときめかせるのはコハルだけ」という感情が当時もあったような気がします
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • コハルといえば「身体に刻まれた線はなぜ入れたんだろう?」という点について、この場でお話していただけることはありませんか?
  • DoReMi
    • あ、これ...これは描いた当時の思いはあったんですけどね。今はまだ公開してないので、ユーザーの皆さんの想像に任せることで...
  • isakusan
    • あ~残念ですね、私も気になってたんですけど

「時計じかけの花のパヴァーヌ」編 第2章 Edit Edit

  • isakusan
    • パヴァーヌ編2章オープンのために用意した特別映像です。見てみましょう!

アニメPV「友情と勇気と光のロマン(우정과 용기와 빛의 로망) Side-A」;日本版にはないアニメPV

  • isakusan
    • パヴァーヌ編2章の前半のストーリーをまとめたアニメーションPVでした。いかがでしたか?
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • アリスがとても可愛かったです
  • isakusan
    • かわいいですよね
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 私もアリスが大好きです

ストーリー制作裏話 Edit Edit

  • isakusan
    • それでは、今回のストーリーを担当したソンミン(Then-goon)さん。このパヴァーヌ編2章について紹介をお願いできますか?
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • このパヴァーヌ2章は、ちょっと特殊なプロセスで制作しました
    • まず、メインシナリオの大きな軸については、ジュヨンさんが成すべきこと・ユーザーに伝えなければならないこと・伝えてはいけないことといった基礎構成を先にプロットとして組んでくれて、私たちに伝えてくれました
    • この基本的なプロットをもとに、私が物語のテーマをゲーム開発部らしくRPGにしてみたらどうだろうかとアイデアを出し、ディテールを追加しながらジュヨンさんと一緒に議論をしながら進めました
  • isakusan
    • はい、実はかなり急なスケジュールだったので*21、私がだいぶラフなプロットだけ作って渡したのですが、ソンミンさんがプロットで空白の部分や矛盾みたいなものをうまく解決してくれて、個人的に感謝しています
    • 特に、このRPGコンセプトという、物語のテーマ、核心というか? こういう重要なものを押さえていただいて、僕もその後のアリスのストーリー展開にこの土台がすごく大きな助けなっています
    • 当時はスケジュールがすごくタイトで、ソンミンさんがいつも週末に出勤して夜勤をしていたのを覚えています。そのようなスケジュールでも、こんなすごい作品を作ってくれて驚きました
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • プロットが確定している状況でライティングをする作業ですから、いろいろと制約がありもどかしい部分もあったんですけど、その分明確にGoalが見えている作業だったので、ジュヨンさんも一緒に夜勤をしながら楽しく作業しました

アリスについて Edit Edit

  • isakusan
    • パヴァーヌ編2章の中心人物といえば、やはりアリスですね
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • アリスは、私たちのゲームの中でも一番人気のあるキャラクターですよね。私が入社する前(注:2020年以前)から、すでに作られていた初期のキャラクターでした。作った時にどんな意図があったのか気になったりもしました
  • isakusan
    • 当時、アリスの設定作業をされていた方(注:おそらくYang Young geeさん)が意図していたのは、ゲームというテーマで物語を作ったときに最も適したキャラクターを作るということでした
    • デザインはDoReMiさんが担当されましたが、どうでしたか?
  • DoReMi
    • アリスは2つ目のメインシナリオの主人公です。いろいろな意味で特別な子です。その分、ビジュアルでも一目で他の生徒たちとは違う特別感が出て欲しいと思いました。とてつもなく長い髪、とてつもなく青白い肌、とてつもなく巨大な武器のように、一目で規格外に見える要素を入れてデザインしたのを覚えています
    • また、アンドロイドという設定がある分、より優しい感じ、より感情豊かな感じを持たせることに気を配りました。アリスが人間から遠い存在に見えないように、仲良くなりやすく、親しみやすく、近づきやすく...したかったんです
  • isakusan
    • アリスがモモイ、ミドリより背が高いじゃないですか。それも、何かそういう意図で進められたんですか?
  • DoReMi
    • そうですね、ゲーム開発部の子たちはみんな小さい子ばかりですよね。その中で、外見は一番大きいけど中身は一番小さいアリスが、小さな子たちに妹のように接している姿が見たくて、アリスの身長は双子よりずっと大きくしてくれと頼んだ記憶があります
  • isakusan
    • 私が覚えているのは、アリスの武器、レールガンですね。アリスだけが持っている武器です。当時、開発しながら「これは実装できるのか? 今までライフルとか現実的なものばかりだったのに、こんなSF的なテーマで大丈夫なのか」についてすごく議論をしました。結局、アリス専用の武器カテゴリーを作ることになったのを覚えています
  • DoReMi
    • デザインを終えてシナリオを通して出てきたアリスが、私が思っていたよりいろいろな意味でもっともっと規格外なキャラクターになってしまったので、見ていてとても面白かったです
    • 扱いやすいキャラクターだからなのか、二次創作もすごく面白いものがたくさん出てきて、そういうアリスの姿も私の中でちょっと同化していくものがあって見るたびにとても楽しいです。アリスはとてもかわいいです、たくさん愛してください。

C&Cのメンバーについて Edit Edit

  • Park SeongMin (Then-goon)
    • アリスとゲーム開発部以外では、今回のストーリーの主役はC&Cサークルですよね。C&Cといえば、ゲーム内で一番人気のあるサークルの一つです
  • isakusan
    • ああ、本当に人気ですよね
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • バニーガールイベントで、ものすごい大反響を起こしたキャラクターたちです。C&Cを制作・デザインしてくださったMx2Jさん、何かお話はありますか?
  • Mx2J
    • メイドという共通のコンセプトの中で、どうすればそれぞれの個性をうまく生かせるのか? ということを考えました。特にネルはメイド服にスカジャンという服を着たユニークな子なんですけど、ジュヨンさんから最初にキャラクターの設定を提示された瞬間に「あ、この子はこういうキャラクターなんだな」と思って迷いなく作業できたキャラクターでした
  • isakusan
    • アスナはどうでしたか? アスナこそ、ブルーアーカイブで大きな反響を呼んだキャラクターです
  • Mx2J
    • アスナは、そのC&Cで私が一番最初にデザインしたキャラクターでした。メイドと学生、特殊工作部隊のコンセプトを混ぜるということで様々な試行錯誤がありました。いろいろな意見を出し合いながら完成したキャラクターということで、最初にデザインした時とは全く印象が変わったキャラクターですね
  • isakusan
    • これが初期のアスナだったんです。私はこのアスナもいいと思います
      • Asuna_Origin.jpg
  • Mx2J
    • 私も悪くないと思います
    • カリンはすでにデザイン済みのキャラクターでした。元々出る予定がないキャラだったんですけど、インさんが描いているドラフトデザインを見て、黒い肌、鋭い目つき、黒豹のようなイメージに惹かれて「どうにかして出さないといけない」と言い張り、皆さんにお見せすることができました。なので、特に愛着のあるキャラクターです
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • ところで、C&Cといえば、バニーガールの話も外せませんよね
  • Mx2J
    • バニーガールC&Cは、最初のデザイン段階から考えていたコンセプトです。バニーガールの衣装を着て潜入するというシナリオドラフトの話を聞いて、「ああ、じゃあこうしたら面白いな」と思って描いておいたんですけど、いざイラストを描くときに個性を出そうとデザインに少しずつ差をつけました
      • 特に、あのネルのぼろぼろの服と、だぶだぶのハイヒール、膝の絆創膏はみんなの協力なしには出せませんでした
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • また、C&Cといえば、今回のパヴァーヌ2章でも制服を着たアスナとカリンが登場します。これもちょっと裏話をしたいと思います
    • 制服のアスナとカリンは、Mx2Jさんが個人的に描いた画像を見て「あ、これはぜひゲームにも入れたいなぁ」と思い、ジュヨンさんと相談したんです。最終的に、どうにかうまくパヴァーヌの方に入れて登場しました
  • isakusan
    • ブルーアーカイブは制服が中心なのに、この子たちは普通の制服姿を見せる機会がなかったんです。だから、今回の機会でそういう姿を見せられたらいいなと思い、シナリオで今回お見せできました
    • あ、もちろん、彼らの制服はミレニアムの制服ではありません。キヴォトスには結構たくさんの学園があるので、その中のどこかの学園だと思ってもらえればいいと思います。いつか、ネルやアカネの制服姿も見せられるといいですね

トキについて Edit Edit

  • Park SeongMin (Then-goon)
    • トキには、C&Cの隠れ5人目のメンバーという設定でした。実はこのキャラクターの存在自体は、僕が入社する前からすでに存在していました。「普通は存在しないはずの何機目」のようなキャラクターで、加えてパワードスーツというロマンの部分まで、ジュヨンさんが設定してくれていたんです
    • 一番悩んだ部分が、今まで言及されてはいたものの登場していないキャラクターが、既存のキャラクター、ネルやアスナ、カリン、アカネたちと一緒にいるときに違和感が生じてはいけない、という点です。その辺をケアするために、トキというキャラクターをどうしたらいいのか? について考えた結果、既存のメンバーと個性が重ならない、恥ずかしげもなく近くに来て平然と座っていられるようなキャラクターになりました
  • isakusan
    • その図々しさがそのピースピースに繋がったんですね。あれを見て私もすごく驚きました。ピースピースはソンミンさんが提案したものだと記憶しています
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • それもチーム内で意見を出し合いながら提案をした部分です
    • あと、トキといえばパワードスーツですね。これをただ着るわけでなく空中から呼び出して着るという、とても素敵なギミックがあるんです。どうしたらもっとかっこよく見えるか悩んだ末に、思い入れが入った描写がたくさん入りました
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • トキは設定的にも期待が大きかっただけに、アート担当者選定にも紆余曲折があった記憶があります
    • C&Cの他のメンバーといえば、当然隣にいるMx2Jさんが担当する予定だったのですが、ちょうどその時、Mx2Jさんが手を痛めてしまったんです。悩んでいたら、DoReMiさんがやってみようと意気込みを示してくれたので、DoReMiさんが進めることになりました
  • Mx2J
    • あの時、私が腕を骨折しなければ...*22
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • でも、ある意味、シナリオの面でも既存のC&Cと対立するキャラクターということで、画風の違いやキャラクター解釈の違いがかえってメリットになったんじゃないかと思うようになりました
    • DoReMiさんがトキ関連で、気をつけた部分があれば教えてください
  • DoReMi
    • 最初にトキを受け取って作業した時は、ミリタリーなメイド、そして無茶苦茶なパワードスーツへのモード変換、という二つの大きな宿題がありました
    • タクティカルな(注:ミリタリーファッションの)シークレットエージェントというイメージは面白そうだとは思っていたんですけど、そうすると普段メイドとして働くトキの姿がちょっと描けないので、最初はスタンダードな形のビクトリア朝のメイドのようなもので試案作業をしました
      • Toki_Origin.jpg
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • トキはアビ・エシュフ以外にも、キャストオフしたときにスカートを脱いでしまうところもすごく印象的じゃないですか。元々の仕様にはなかったと記憶しているのですが、そこらへんをもう少しお話していただければと思います
  • DoReMi
    • トキは設定担当の方から、ミリタリーな感じをもっと強調してほしいという意見がありました。私が最初の(デザイン)案でロングスカートにハマって諦められずに話し合った結果、結論がキャストオフでした。普段は上品に見えるメイドさんが、戦闘モードに入るときにスカートをちぎって脱ぎ捨てる姿を考えると、かなりロマンを刺激しそうで「これだ!」と思った記憶があります。
  • isakusan
    • 最初にリクエストをしたときはこんな規模じゃなかったんですが、気づいたらすごいものが出てきて、私もちょっと驚いた記憶があります
    • DoReMiさんは普段からメカニックを描いていましたか?
  • DoReMi
    • 好きではあったんですけどあまり上手く描けなかったので、仕事をいただいたときはかなり大きな挑戦でした
  • isakusan
    • では、メカニックを描くのは今回のトキが初めてですか?
  • DoReMi
    • ブルーアーカイブではアリスのレールガンがありますね。でも、こういう本格的なメカニックは初めてだったような気がします
    • 最初に設定をいただいたときは、今よりもリアルで重厚な感じだったんですが、私の手を経た後はちょっと軽快な感じになった気がします。搭乗する形ではなく、身体に巻く外骨格の形になりましたし
    • また、絶対に飛んではいけないという設定担当の方の要望があり、また今までのミレニアムの基調から外れてもいけないなどなど、同時にやらなければならない宿題がありました。初仕事としてはちょっと大変でした
    • でも、ブルーアーカイブにはオタクが種類別に常駐しているので、メカニック系に一家言がある方ももちろんいらっしゃいます。そこで、あちこちにアドバイスをもらいながらデザインをどんどん磨いていきました。多くの方の助けを借りながら、難しい挑戦ではありましたが、みんなが見て「おお~」と思えるようなものができたと思います
    • トキは色々なロマンが混ざり合ったロマンの塊のようなキャラクターですからね。たくさん愛していただければと思います。

リオについて Edit Edit

  • isakusan
    • いよいよ登場するミレニアム学園の生徒会長リオです
    • 最初にリオを作った時の意図は、今のような形ではありませんでした。ビッグブラザー、ブルーアーカイブではビッグシスターと呼ばれています。そういうある種のコントロールをする悪役として考えていました
    • ソンミンさんがリオの内面ディテールをより深く仕上げてくれて、求道者コンプレックスを持っているという設定が追加され、そのおかげでリオの反対側にいるヒマリとの対比がとても良いコントラストになってすごく良くなりました
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • 最初にリオというキャラクターをもらった時、ヴェリタスのヒマリの敵対者という設定になっていて、元々は敬語キャラでもあったんです
    • でも、シナリオを書いていて、単に敵対関係にあるだけではリオの物語が完結しない気がしたんです。だから、ヒマリと対立しながらも、同時に最も自分と同じような立場にいるヒマリに対して理解を求めるキャラクターとして仕上げました
  • isakusan
    • Mx2Jさん、リオをデザインされた方としてはいかがでしたか?
  • Mx2J
    • ああ、リオ良かったです
    • リオは最初、悪役としてデザインされたキャラクターだったんです。ヒマリと対立するというそのキャラクター性に合わせて、全身真っ黒にデザインしました。また、セミナーの衣装であるスーツを取り入れ、さらに先生と対立している感じを出すためにわざと学生という感じを少し減らしました
    • その過程で、私の私利私欲をたくさん盛り込んだデザインに仕上げました
  • isakusan
    • ですね、見ていると本当に透明なアレ(?)が感じられます

アバンギャルド君について Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • リオといえば、もう一つ欠かせないのがアバンギャルド君ですね。アバンギャルド君は本当に開発チーム内でカルト的な人気を誇っていました
      • Avantgarde_Staff.jpg
    • リオのお気に入りという設定がついたのを見てまた驚きました。何か意図された部分があるのであれば、聞いてみたいですね
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • リオのように完璧に見えるキャラクターが、ダサいデザインにハマっているというアイデアをくれたのはジュヨンさんです。この設定のおかげで、よりリオが可愛くなってユーザーさんに受け入れられるのではないか? と思いますし、神の一手だったと思っています
  • isakusan
    • 当時、アバンギャルドくんをデザインしていた原画家の方(注:kokosandoさん)が私のところに訪ねてきてくれて「これでいいんですか」って聞かれたんです。私はうなずきながら「これです」と答えた気がします

エンディング Edit Edit

  • isakusan
    • ブルーアーカイブのメインストーリー座談会はいかがでしたか?
  • DoReMi
    • まず、内部で作業している立場から明かしたい舞台裏がたくさんあったのですが、いろいろなことを話す機会があってとても良かったです。今後、このような場がもっともっと増えるといいなと思います
  • Park SeongMin (Then-goon)
    • 今はゲームを開発する開発者ですが、同時にユーザーとしても聞きたい話を聞く機会が用意されてとても良かったです。今回の時間以外にも、今後もこのような時間が何度でもあればいいなとそう思っています
  • Mx2J
    • 自分たちだけで話していたような裏側をユーザーの皆さんにお伝えすることができ、本当にうれしいです。本当はもっと話したいことがたくさんあったのですが、時間的にできなかったのが本当に残念です
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 私も本当に久しぶりに舞台裏について、たっぷりお話できて本当に良かったです。先ほど皆さんも言っていた通り、このようなシナリオに関連する話だけでも夜通し話しても足りないくらいたくさんあるのですが、今後はもっと頻繁にこのような場を設けられればいいなという思いでいっぱいです
  • isakusan
    • それでは、今日のお話はここで終わります。時計じかけの花のパヴァーヌ編2章をよろしくお願いします
    • もう一つのユーザーさんへのプレゼントがこの放送が終わってから続きますので、そちらもお見逃しなく

アニメPV「友情と勇気と光のロマン(우정과 용기와 빛의 로망) Side-B」;日本版にはないアニメPV

2023/05/12 [音楽] [単独]ブルアカ作曲家に最愛のキャラを尋ねる(This is Game) Edit Edit

韓国のゲームニュースサイトThis is Gameのサブカル担当記者によるメイン作曲家Mitsukiyo・KARUT・Norの3名へのインタビュー動画。
グローバル版1.5周年記念の音楽ライブ「サウンドアーカイブ Live!」(2023/5/20)の8日前に行われた。

トピックは、自己紹介・「サウンドアーカイブ Live!」のこと・作曲家3名の縁と本作への合流過程・isakusanとの関係
・ブルーアーカイブの魅力・一番好きな生徒・プレイヤーの反応について・今後について。

以下、概要。

自己紹介 Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • もともとジャズのようなBGMを作っていたが、本作に参加しながらカジュアルな電子音楽や様々なジャンルの音楽を作っています
  • Nor
    • 電子音楽をメインに作っています
  • KARUT
    • 普段は音楽プロデューサーや作曲やDJとしても活動しています

「サウンドアーカイブ Live!」について Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • ライブのアレンジを全部やっておいてバンドの6人に渡したら、彼らがスケジュールを組んで練習室を確保してくれて、2か月から2か月半くらい練習しました
  • インタビュアー
    • 特にこの曲は覚えておいてほしいと思う曲は?
  • Mitsukiyo
    • 必殺技を使っていいですか?「Unwelcome School」に注目してほしい
      • 0.5周年の「サウンドアーカイブ」の時と重複する曲になるが、どう変わったか注目してほしい
    • もう一つは「Kaiten Screw!!!
  • KARUT
    • 私は光輪大祭のイベント曲である「Shooting Athletes」です 個人的に好きだった曲なので
  • Nor
    • 私は今回バンドアレンジをMitsukiyoが担当することになったので事実上観客でオススメが難しい
    • 私の曲は人の声をカットして沢山貼った「ボーカルカット」を使っているのですが、これ全部(Mitsukiyoさんが)ギターで編曲したんですよね?うわー‥‥
  • インタビュアー
    • 一番苦労したことを一つだけ教えてください
  • Mitsukiyo
    • Norが「デチューン(音程を半音より細かく下げること)」を使ってドとド#の間の音で曲を書いていて、コピーするときに苦労しました
  • Nor
    • 絶対音感持ちなので毎回「ド」「レ」「ハ長調」みたいに言い当てられるんです。すごく嫌なんですよ、イライラするし生意気
  • 一同
    • (笑)

3人の縁とゲームへの合流過程 Edit Edit

  • インタビュアー
    • 本当に何かの漫画にでてくるバンド部のようなエピソードを見ている感じがします
  • Mitsukiyo
    • 私たち、もう10年くらい付き合ってるんです
  • Nor
    • 一緒に(音楽を)やっていたわけではなく、ただ一緒に「ゲーム」をしていましたね
  • インタビュアー
    • ブルーアーカイブはどのような縁で始まったのか気になります
  • Mitsukiyo
    • 3人とも一緒だと思うんですが、まずキムヨンハPDが美少女収集型RPGをつくるというメールをもらいました
    • 信頼のキムヨンハPDがいて、私たちはみなゲーム・アニメ好きだったので美少女収集型RPGをやらない理由がありませんでした
  • KARUT
    • メールを受け取る前、軍隊を除隊したあと近くの大型ディスカウントマートでアルバイトをしていました
    • 色々な個人的な問題で少し音楽をやめようか?とまで考えていました
    • 屋上で物を運んでいたら突然携帯が震えて見たらBGMの制作依頼が来ていて、音楽をあきらめるのはまだ早いんじゃないかと
    • その時から本当に後悔しないように頑張らなきゃいけないという気持ちを持つようになったんだと思います
    • そうやって初めて取り組んだ曲が「Colorful Mess」という曲です

(シナリオディレクター兼音楽プロデューサーの)isakusanとの関係 Edit Edit

  • Nor
    • (isakusanのフリをしながら)私たちはみんなオタクなので信頼関係がある。あなたが好きなものは私も好きだし、暗黙のうちにお互いを理解し信頼している。もう仲間だ。
    • あ、じゃあ好きなようにしていいんだ? ありがとうございます! と言って、今は楽しく作業をしています。

ブルーアーカイブの魅力 Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • まず、かわいい。見ただけで心が晴れやかになる
    • 久しぶりに本当にオタクの友達同士で話が通じる一つのコンテンツがちゃんとできた気がして、それで大きな意味があると思うんです
    • まさに僕らにあった感性のゲーム

一番好きな生徒 Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 今はカズサかな?あえて一人だけ選ぶとしたら
    • いつまた変わるかわかりません
  • Nor
    • 私はイズナが好きです すごくかわいくて、アイラインがすごくきれいなんです
    • Hifumi Daisukiという曲があるでしょう?(Mitsukiyoさんの方を向きながら)私利私欲が入ったんですね
    • 僕も私欲を入れたいんです。Izuna Daisukiを作りたい。
  • KARUT
    • 正直言ってイズナのファンだったんですよ。でも(Norさんが)どんどんイズナがいいってアピールしてくるので...
    • トキ...すごいファンです

プレイヤーの反応について Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 大きな反応には、感謝しています ありがとうと100回言っても足りないくらい
    • (3人とも)似たようなものだと思いますがプレイヤーの反応を探したり、今回のBGMはどうなんだろうという感じで見ています
    • だいたいはポジティブな反応が多くて、面白い反応も多いです
  • Nor
    • 3人がこうしてユーザーの前に立つことができること、それ自体がすごいことで想像もしていませんでした
    • 本当にこれについてはただただ感謝としかいいようがないですね

今後について Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • まずは頑張ります
    • コツコツとこの場所で担当させていただけることに感謝しています
    • 与えられた位置で最善を尽くしてより良い曲をお届けできるように、これからも一生懸命精進していきます
  • KARUT
    • 多くの関心を持ってくださって本当にありがとうございます
    • これからもできるだけ良い曲を聴かせてあげたいと思います そして何よりも清渓川に落ちないように確実に努力するのが一番いいと思います
    • いつもブルーアーカイブのBGMを愛してくださって、プレイしてくださって本当にありがとうございます
  • Nor
    • 私が今、こうして曲を楽しく楽しく書けるのは本当に自分が自分のスタイルで曲を...仕事をしてもこうやって(みんなに)気に入ってもらえるんだなということを実感して自分の曲に自信を持つきっかけになりました
    • だから、ワクワクするし、楽しいし、人生が。楽しく楽しく人生を生きていこうと思います。

2023/05/?? [全般] ブルーアーカイブ オフィシャルアートワークス 2 STAFF INTERVIEW(一迅社) Edit Edit

2023年12月19日発売のオフィシャルアートワークス2に収録されているスタッフインタビュー。
インタビューが実施されたのは、2023年5月と記載されている。

登場スタッフは、Hwansang(アートディレクター)isakusan(シナリオディレクター)イム・ジョンギュDDoReMi(イラストレーター)

内容の詳細は購入した方向けとし、トピックだけ記載。

  1. イム・ジョンギュDとDoReMiさんのチーム参加経緯
  2. リリース1年目と2年目での制作環境や取り組みの変化
  3. メインストーリー
    • 2年目に実装されたメインストーリーで印象に残ったもの
    • メインストーリーでのアートデザイン・シナリオ・ゲームシステムなどの意図や注目点
    • 戦闘パートの新たな演出について
    • 最終編実装が2周年となった意図・経緯
  4. イベントストーリー
    • 2年目に実装されたイベントストーリーで印象に残ったもの
    • イベントストーリーでのアートデザイン・シナリオ・ゲームシステムなどの意図や注目点
    • 「晄輪大祭」のメディアミックス企画の意図・経緯
  5. キャラクター
    • 2年目に活躍した中で思い入れのあるキャラクター
    • 2年目に活躍した中でユーザーの反響が一番印象にあるキャラクター
  6. 3年目以降の展望
    • 今後の抱負や展開
    • 最後にファンのみなさんへのメッセージ

2023/04/24 [ビジュアル] 2Dキャラクター担当者が明かすブルーアーカイブのキャラクター誕生の舞台裏 (Nexon Games) Edit Edit

Nexon Games の人材採用ページに掲載された、社員インタビュー記事。

登場スタッフは、キム・グクギ (9ml)(2Dキャラクター原画チーム1 チームリーダー(当時))

本編 Edit Edit

スタッフ自己紹介 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • こんにちは。MXスタジオアート室2Dキャラクター1チームのチーム長のキム・グクギです
    • キャラクター関連のデザイン作業と、チーム内の全体的な管理業務を担当しています

2Dキャラクターアーティストの仕事 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • 2Dキャラクターアーティストの仕事は、大きく原画領域の仕事とイラスト領域の仕事に分けられます
    • 原画領域の仕事は、与えられたコンテキストを解釈してビジュアルを構成し、制作に必要なビジョンやデザインを提案することです
      • 具体的には、キャラクターやモンスターのデザインと3D制作のための図面作業、またシーンのビジュアルムードをデザインするコンセプトアートなどがあります
    • イラスト領域の業務は、イラストを外部に公開したりゲーム内で使用したりできるように、完成されたリソースに加工する仕事です
      • プロジェクトごとに様々な種類と形が存在しますが、ブルーアーカイブでは、立ち絵やメモリアルロビーイラスト、シナリオカットイン、アップデートのキービジュアルとなるポスターなどを制作しています
      • そのほかに、2Dアニメーションのためのリソースの分離やエフェクト、3D制作に必要なソースの提供など、後続の作業部門の制作過程で必要となる部分の対応を行っています。私は、そこでの制作物の検品とフィードバック、チームのスケジュール管理などの管理業務も兼ねています

2Dキャラクターチームの構成 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • ブルーアーカイブのライブサービスが続くにつれて、定期的に行わなければならない業務の種類が増えてきました
    • そのため、最近、2Dキャラクターチームがチーム1とチーム2の2つの組織に再編されました。2つのチームが運営されることで、組織間で各業務を交互に分担することができるようになりました
    • 業務の固着化による過負荷やアイデアの消耗を緩和し、メンバーの全体的な力量が成長するきっかけになることを期待しています

2Dキャラクターチームの雰囲気 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • チームの雰囲気は気さくな方なので、制作物が共有されれば、お互いに気軽に意見を出し合える水平的で自由な組織文化が形成されています
    • 完成度を高めるための技術的な面についても多くの議論をしますが、「こうしたらもっと面白くなるんじゃないか」というようなアイデアもよく出し合います。実際にそうやって始まった話から、改善されていく作品もたくさんあります。
    • 同じような時期の作品を一緒に楽しんできた世代で構成された集団でもあるので、好みやセンスという面でも共通分母が多いです。仕事は大変ですが、一緒に頼り合って楽しく過ごせるような気がします(笑)

キャラクターの制作プロセス Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • 大きく分けて2回の会議を行い、各部門の手を経て完成します
    1. シナリオチームで、キャラクターのコンセプトや背景などの設定を準備します
    2. シナリオチームと2Dキャラクターチームとで話し合う「原画発注会議」を行います
    3. 2Dキャラクターチームでデザイン作業を行い、外見や性格を確定させキャラクターのビジュアルを完成させます
      • 作業工程の例として、「アツコ」のイラストを引用してみました。通常は、下絵・中間・完成の段階で 3回程度の共有を経て完成されます。社内掲示板に共有した制作物を一緒に見て、クオリティを上げることができる部分をチェックし、お互いに意見を出し合いながら進めていきます
      • Atsuko_2d_work_process.jpg
    4. 企画室とシナリオチームが話し合い、スキル演出のコンセプトや戦闘の場面などを企画します
    5. この内容をアートルームに共有し、意見を調整する「スキル発注会議」を行います
    6. 会議の内容をもとに、3D、モーション、エフェクトなどのアートルームのフォローアップ作業を経て、ゲーム内仕様のキャラクターリソースがすべて完成します

メンバー・チーム間の意見調整方法 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • できるだけ衝突がないように事前共有や議論を十分に行いますが、それぞれのニーズの衝突はどうしても発生します。スケジュールや実装の限界など、物理的な部分で意見が異なることもありますし、美的な観点が衝突することもあります
    • 最も多くの悩みを抱えるのは担当作業者の方々なので、担当作業者の方々と話し合い、核心となる意図がよく反映されるような方向で調整しています
    • もちろん、100%反映が難しい状況もあるため、担当者レベルで決定が難しい状況では役職者間での話し合いを通じて結論を出すこともあります

キャラクターデザインで最も重視する要素 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • 一番重要視しているのは、キャラクターの設定や世界観に沿った「デザインの妥当性」です。キャラクター性や状況に基づき、キャラクターが着用しそうなスタイルの衣装や、持っていそうなアイテムを連想しながら要素を構成し、その中で最も個性的に見える組み合わせを選んでいくようにしています
    • 意外に思われる方もいらっしゃると思いますが、個人的には派手さは比較的後回しにしています。ストーリーや設定などの文脈に裏付けがない限り、必要以上に派手な描写は控えています
    • 完成度を高めるために装飾的な要素を追加する必要がある場合は、デザインが物語性を損なわないかどうかチェックしながら、キーワードや存在感のバランスを十分に計算した上で追加するようにしています

手がけたキャラクターに対するユーザーの反応で最も印象的なもの Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • 印象に残っているものはたくさんありますが、一つだけ挙げるのは難しいですね
    • ひとつ挙げるとしたら、「シュン」の子供版が一番最初に思い浮かびます
    • シュンは、ブルーアーカイブのキャラクターの中で、唯一年齢を気にしているニュアンスで描かれている珍しいキャラクターです。ブルーアーカイブには外見的に大人に近いキャラクターもいますが、外見の根拠としてストーリーや設定まで存在するキャラクターは、シュンが唯一ではないかと思います。そんなシュンが、若返りのポーションを飲んで子供になったという背景を持つキャラクターが、シュンの子供バージョンです
    • 技術的には、むしろ密度を落としてシンプルになったデザインにもかかわらず先生方から絶大な支持を受け、オリジナルのシュン以上の人気を博してとても嬉しかったです。
    • このケースは、先ほどの「デザイン的な蓋然性」がうまく機能したケースだと思います。子供になったという設定が最も大きな効果を発揮できるシュンのキャラクター性をベースに、そのイベントを推し進めたシナリオチームの設計が光ったと思います

視覚的な基調と衣装デザインの仕方 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • ブルーアーカイブのキャッチフレーズが「学園、生徒、そしてあなたの奇跡のような物語、奇跡のような日常*23」ということで、日常風景に異質でユニークな要素が混ざり合って「ミリタリー青春ファンタジー」の世界を構成しています
      • 例えば、銃器の携帯が一般化されているとか、空にヘイローがあるとか、道路に戦車に乗った女子高生いるとか、そういうものがあります
    • 慣れ親しんだ中にユニークなポイントをいくつか配置して、約8:2くらいの比率のビジュアルを維持するように心がけています
    • キャラクターの衣装をデザインする際も、同じ基調で一貫するように、おおむね現代的な既成の様式をベースにしたデザインを念頭に置いて作業します。表現できる文脈がある場合は、小道具など一部にユニークなポイントを配置することが多いです
    • また、アニメや二次創作など、IPの拡張性も考慮する必要があります。後で活用しやすいように、さらなる解釈に無理がないこと、直感的なデザインも重要な要素だと思います。
    • 長期的にはより多様なデザインを提供できるように、現在の基調を少しずつ広げていきながらバランスを調整していこうと考えています

ヘイローのデザインの仕方 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • 学校別のデザイン基調ルールを決める際、ヘイローの大まかなデザインルールも一緒に決めています
      • ゲヘナは尖ったシルエット・トリニティは丸いシルエットといったように
    • そのルールの中で、キャラクターの性格を考慮して形を作ったり、モチーフとなるシンボルや文様を反映させたりしています
    • 例えば、アリウススクワッドのヘイローデザインは、傷と輝きをモチーフにX字型をベースにするようにルールを決めました
    • このルールに基づき、サオリは意志がしっかりしている方なので、はっきりした一点に集中したシルエットを、ヒヨリは混乱しやすい性格であることを考慮し、星が頭の周りをぐるぐる回るようなシルエットを意図してデザインされました

総力戦ボス「ケセド」のデザイン Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • ケセドは、デザインする際に最も悩んだモンスターの一つです。企画意図を忠実に反映させることが最優先課題でした
    • デザインガイドラインは明確でした。戦闘時にも動きがないこと、背景との干渉がないこと、破壊されたあと何の痕跡も残らないこと。外部装甲は非常に堅牢で、核は脆弱に見えるという方向性も決まっていました
    • ケセドはビナーの次に行われた比較的初期の総力戦であり、機械類モンスターです。初期試案段階から、デカグラマトンの技術力を十分に反映させようとしました。また、企画の意図が実装されるように細かな演出にも力を入れました。
    • 登場シーンでは、蒸気と炎が噴出する描写を通じて威圧感が感じられるように演出し、戦闘中に外部装甲が開く時は、コア(本体)が露出することがよく伝わるよう赤い色の警告サインで緊迫感を伝えようとしました。逆に閉じた時は青色のサインが表示されます
      • Chesed_design.jpg

インスピレーションを得る元 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • 物語の一場面を思い浮かべるときは、アニメや音楽などのメディア媒体が参考になることが多いですね
    • デザイン作業中は、類似のリファレンスを見ることが多いです。なるべく多くの参考資料を収集して、マインドマップのように整理しながら計画を立てる方です
    • 個人的な習慣の一つが、作業テーマに合った雰囲気の音楽を選定して一曲繰り返し聴くことです。最初に計画しておいたイメージを継続的に思い出すのにとても役に立っています
      • 最近ではジャズをよく聴いているのですが、作業完了後もその曲を聴くと、作業過程のフラッシュバックが思い浮かぶ...ある意味、ちょっと副作用がありますね(笑)

一緒に働きたいと思う同僚 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • メンバーと集団が一緒に成長できる環境を大事にしていて、できれば個人を超え、集団を俯瞰できる視野を持った人だといいですね。
    • 個人の専門的な力量が向上することも、ある意味では集団の成長要素になりますが、共同体意識を持って同じ目標に向かって協業する過程では、結束が強い集団の方が長期的には成長幅が大きく、安定性の面でも有利だと思います

2Dキャラクターデザイナーを目指す方へのアドバイス Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • アート職種の中でも、キャラクター原画家はイラストレーターを兼任しているため、陥りがちな落とし穴をお話します
    • プロモーションなどで対外的によく露出するイラスト領域以外の、直接的に露出しないコンセプト・図面作業などの原画業務などの場合、同じコストでもどうしても露出度に差が出るものです。相対的に、ユーザーからのフィードバックや感想の量も少ないですしね
    • 特に、ブルーアーカイブのようなキャラクターシナリオ中心のゲームでは、原画業務のモチベーションが下がる可能性があるのが落とし穴だと思います
    • デザインの説得力やコンセプトがないまま、ただただ綺麗に描かれたキャラクターは、魅力を訴求するのに限界があります。ゲーム全体に溶け込んでいるコンセプト原画も、ゲームやIPのディテールのクオリティを高める上で重要な要素であることをぜひ意識してください
    • イラストと原画、この2つの能力を兼ね備えられるように努力してほしいと思います。

ブルーアーカイブを愛するユーザーに一言 Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • キャラクターの話から個人的な話まで様々なテーマで話をしながら、私は楽しかったのですが、皆さんも楽しんでいただけたでしょうか
    • ブルーアーカイブを通じて、より良いアートワークをお見せできるように努力していますので、これからもたくさんのご愛顧をお願いします
    • これからもよろしくお願いします!

2023/04/21 [全般] Get Set,GO!キヴォトス晄輪大祭 開発者コメンタリー(グローバル版公式) Edit Edit

グローバル版の晄輪大祭リリース記念開発者コメンタリー動画その2。
イベント後半の「Get Set,GO!キヴォトス晄輪大祭」についての動画。

内容は、晄輪大祭イベント後半のストーリー・キービジュアルと、新しく実装される生徒キャラクターマリー(体操服)ハスミ(体操服)ユウカ(体操服)、および総力戦ボス「ゴズ」の開発裏話。

登場スタッフはhwansangことキム・イン(アートディレクター)Eum InYong(リードゲームデザイナー)Kang HanSol(3Dアニメーションチーム副長)Kim HaeJong (kikihae)(2Dアニメーションチーム長)オ・ヒョンソク (POIst)(シナリオライター)

以下、韓国語字幕をOCRしてDeepLで日本語訳したものを基にした要約。

オープニング Edit Edit

イベント前半の感想 Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 前半のイベントON YOUR MARKが行われてから、今まで注目されていなかったキャラクターたちが先生方に注目されるようになったようで、とても嬉しかったです
    • ミレニアムの生徒たち、特に、これまでイベントなどで登場する機会がなかったスミレ、イベントストーリーでは初登場となったヴェリタスのメンバーの魅力を先生方に紹介することができたので、個人的にはとても嬉しいストーリーでした

ピックアップガチャ結果 Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 皆さん、ピックアップ運はいかがでしたか?
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • プロ天井師なので...。確か夢では10連で出たはずなんですが、うまくいかなかったですね
  • Kim HaeJong (kikihae) 2Dアニメーションチーム長
    • 申し訳ありませんが、言葉は控えさせていただきます。100連以内に出てきたので

イベント「Get Set,GO!キヴォトス晄輪大祭 Edit Edit

ストーリー Edit Edit

  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 体育祭後半のイベント「Get Set, Go!」は、晄輪大祭の本編を扱っているストーリーです。前回は体育祭を準備するミレニアムの学生たちの物語を主に扱いましたが、今回は様々な学園の生徒たちが、競技場で一緒に競い合いながら物語を進めていきます
    • 今回の主人公に近いキャラクターといえば、実行委員を務めている正義実現委員会副部長のハスミです。ハスミは、多くの先生がご存知のように、カロリーの高い食べ物が好きで運動とはかなり縁遠いキャラクターです
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 見た目のクールな印象とは全く違う、二面性のある魅力的なキャラクターです
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ローディングイラストでも体重計と格闘している姿は、多くの先生方が覚えているのではないでしょうか?
      • Hasumi_Loading.jpg
    • ハスミは、今回の体育大会にはやや複雑な心境で臨むことになります。そして、ハスミだけでなく、彼女が出会うたくさんの生徒たちも、それぞれの欲望と葛藤を抱えている。その欲望がひとつにまとまって、一挙に激しく爆発するような群像劇の形になるよう意図しながらシナリオを書きました
    • 参加した選手たちは、それぞれが抱いている欲望と役割の仮面の間で苦悩しています。この欲望をどう解消していくかが、今回の見どころとなります
    • 前回のON YOUR MARKイベントでもお伝えしたように、今回のイベントストーリーは3rd PVのイラストを先に完成させる際、担当の方が細かい設定をたくさん入れてくださってストーリーを書く上でとても助かりました。
    • このイラストを見ると、炎上している戦車の後ろにシロコとサキの姿が見えます。これによって、この戦車がなぜ暴走したのか、そして、生徒たちがどのように対応しようとしたのかがわかります。
      • TrackCrasher_Scene.jpg
    • 騎馬戦のイラストには、ハレのドローンとマキのスニーカーが見えます。これにより、百鬼夜行の生徒が誰とどのような戦いを繰り広げ、勝利を勝ち取ったのかも想像できますね
      • Kibasen.jpg
    • さらに、ここにはデモをする生徒たちのプラカードがあります。生徒が作中でどのような問題を起こすかは、直接ご確認ください
      • Demo_Placard.jpg
    • 途中、このようにモブたちが応援をするシーンがあるのですが、担当者さんがこのモブたち個々人の状況も細かく設定してくださっていて、とても感心しながら聞きました
      • Kourintaisai_Stand_Mob.jpg
      • 例えば、この右側の生徒は応援道具がなかったので、応援する学校の色と同じビニール袋を頭にかぶったとか、ここの左にいるこの友人は、奉仕活動をしていてタオルを巻いているのですが、競輪大会に賭けをして盛り上がっているとか
    • 紙面の都合上、これらすべてのモブたちの物語を聞かせられなかったのがとても残念です。時間と予算がもう少しあれば...
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 今回の体育祭は、本当に担当された作業者さん一人一人の本当に深い愛情が、込められたイベントだと思います

キービジュアル Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 前回のキービジュアルとは違って、躍動的な雰囲気とコミカルな状況を強調したのが特徴です
      • GetSetGo_Key_Rough_01.jpg GetSetGo_Key_Rough_02.jpg
    • 違うグループの違う学校の生徒たちが、それぞれのストーリーを持って試合に臨むことになるのですが、担当者の方(注:kokosandoさん)がストーリー一つ一つを連想させることができる部分を一枚に丁寧にうまく盛り込んでくださっていて、原稿を見たとき、本当に感心しました
    • この絵を見て、ハスミの翼で周りの選手を邪魔しながら、こうやって進めることもできるのでは? というキヴォトスならではの面白い裏話がありました
      • GetSetGo_Hasumi_Wing.jpg
    • 他にも転倒したジュンコとか、遅れをとっているナツとか、ストーリーを一通り見てみると理解できる要素がたくさんあります
    • イベントを一度プレイした後もう一度キービジュアルをよく見てみてください。ああ、こんなシーンだったんだと思える部分がたくさんあると思います

マリー(体操服)の設定とビジュアル Edit Edit

  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • これまでブルーアーカイブに登場したキャラクターの中で、最も純粋で善良と言っても過言ではないキャラクターが、シスターフッドのシスター・マリーです
    • マリーが大会に参加するきっかけは、大運動会の紹介文を読んで「すべての生徒が武器を捨てて平和を分かち合うお祭り」ということで喜んで実行委員会に志願したのですが、実際は負けず嫌いな生徒たちの間でいろいろと苦労することになります
    • 冒頭で私は欲望に注目してほしいと申し上げたのですが、マリーは欲望がほとんどない本当に純粋でいい子です。そのため、今回の物語では、マリーに大きな葛藤を与えることはしませんでした
      • 最近のコミュニティを見ていると、「マリーが実は内心暗い内面を持っている悪い子かもしれない」という陰口を叩く先生を見かけることがあるのですが、マリーは実際にとてもいい子です。もしマリーが悪い子のように見えたら、懺悔をお願いします
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 続いて、マリーの体操服のデザインについて
    • 担当者の方(注:CHILDさん)が作業を進める際、すでにトリニティの公式体操服のデザインは決まっていました。なので、デザイン自体は大して難なくでできたと思います
    • ただ、マリーなら運動するときに髪をどう結ぶだろうか? というヘアスタイルの意見が非常に分かれ、その部分でとても悩みました
      • Mary_Taisoufuku_Design.jpg Mary_Mizugi_Hair.jpg
    • マリーは、夏の記念イラストで一度だけ水着を披露したことがありましたね。ここで見せたツインテールがとても似合っていたので、体操服にもこの髪型を引き継ぐ方向で行こうかと考え悩んでいたところ、別の原画家さんが提案したマリーが駆け寄るポニーテール姿がとても似合っていたので、その方向で進めました
      • 一見些細に思えるような部分も、こうして一つ一つ丁寧に意見を出し合う部分が、本当にブルーアーカイブのクオリティの高いアートを作る原動力ではないかと思います
    • メモリアルロビーも説明します。担当者の方がこのように3種類の案を用意してくれました。その中で、よりマリーの性格に合う案を採用することになりました
      • Mary_Taisoufuku_ML_Rough.jpg
    • 続いて、アニメーションについてです
  • Kim HaeJong (kikihae) 2Dアニメーションチーム長
    • ベンチに座って疲れているマリーを発見し、癒やしてあげるという文脈のメモリアルロビーです
    • イラストが、マリーのイメージにぴったりだったので、難しいミッションではありませんでした。2Dキャラクターチームから提供された表情ガイドが、状況を完璧に示してくれていたので、私たちも演出に集中することができたと思います
      • Mary_Taisoufuku_ML_Guide.jpg
    • 作業する上で最も重要視したポイントは、マリーが私たちと一緒に休んでいる状況や雰囲気を表現することです
    • 作業プロセスを説明すると、まず、現実感のあるキャラクターのために、背景、エフェクト、追加原画などの考えられる部分をできるだけ細かく設定します。よく見えない細かい部分まで全体的に調整しながら設定することが、その状況を説明していくキャラクターを表現するための重要な要素になると思います
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • おっしゃった通りでなく、全然簡単ではないようですが
  • Kim HaeJong (kikihae) 2Dアニメーションチーム長
    • 手間と愛情ですね(笑)
    • 印象に残っている秘話としては、担当者(注:LM5さん)も今回のマリー(体操服)ロビーのイラストをかなり気に入っていたため、より自然なマリーを演出するために演技室に入り、荒い呼吸の演技をしながらアニメーションを研究している姿がとても印象的でした
  • 一同
    • (笑)
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • アートだけでなく、企画的にもかなり苦労されたキャラクターだと記憶しています
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • マリーは、先ほどご説明いただいたようにみんなを助けようとする優しいキャラクターです。そのため、すでに役割も神秘ストライカーヒーラーに決まっていました。他の属性にはストライカーヒーラーがいましたが、神秘属性にはいなかったので
    • 役割は決まっていて、スキルのカットインはどう提案しようかと考えた結果、1つ目の案は、マリーが持っているバッグを持ち歩きながら喉の渇いた生徒に水筒を渡すような姿を提案しました。2つ目の案は、床に散らばっていた運動会の道具を整理しているときに喉の渇いた生徒を見つけて、走って行って水筒を渡すというのを提案しました
      • Mary_Taisoufuku_EXSkill_Props_01.jpg Mary_Taisoufuku_EXSkill_Props_02.jpg
    • 皆さんご存知の通り、1つ目の案に決定されました
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • 説明してくださったスキル内容をもとに、賑やかなマリーの様子をカットイン絵コンテで作成していただきました
      • Mary_Taisoufuku_EXSkill_Konte.jpg
    • ゾンビ映画に出てきそうな緊迫感。そして一番重要なマリーの叫ぶような表情。キャー!いいですね!
      • チーム内でも、泣きそうな表情と真っ白に疲れてしまったマリーの姿を見て、みんなで集まってほほえましく「もうちょっと、もっといじめられないかな?」と意見を交わした記憶があります
  • 一同
    • (笑)
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • ブルーアーカイブでは、本当にキャラクターの表情がとても生き生きしている印象を受けることが多いのですが、そのようなキャラクターのカットイン・アニメーションの表情に関して気にされている部分をお話しいただければと思います
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • その時その時で違うんです
    • 様々な映像やチームメンバーの経験を参考にして、現実のディテールを取り入れたり、それかキャラクター性をより大きく活かして非現実的な動きを表現したりします
      • キャラクターの表情の参考にするため、直接私たちが表情演技を...するわけではありません。私たちはキヴォトスの生徒ではないので、お互いに表情を演じていると心に傷を負うことがあります(笑)
    • 原画で描いていただいた表情を参考にしたり、IP室で用意していただいたイベントストーリーや生徒さんの設定集を先に読み込んだりして、事前に準備をしてから作業を進めています
      • Mary_Taisoufuku_Face_Pattern.jpg
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • 見ているだけで安心しますね
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 本当に聞いてるだけで心強くなる説明だと思います

ハスミ(体操服)の設定とビジュアル Edit Edit

  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 先ほどお伝えした通り、ハスミは今回のイベントストーリーの主人公を務めているキャラクターであり、責任感の強いリーダータイプの生徒でもあります
    • ただ、リーダーシップの強いハスミもたまには全てを捨てて、美味しいものをたくさん食べて楽しくお祭りを楽しみたいという欲求が
      心の片隅に残っています
    • ハスミに欲望を解消する方法を教えてあげることが、今回のイベントのキーポイントといえるでしょう
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 続いて、ハスミ(体操服)のデザインです
    • 担当の方(注:Mx2Jさん)が、迷うことなく一気にデザインされたのがとても印象に残っています
    • スキルカットインに登場する店舗やスナックのイメージも、ご自身でコンセプトを決めてくださったそうです
      • Hasumi_Taisoufuku_EXSkill_Props_01.jpg
    • ハスミが体育祭でどう見えたらいいのか、どう振る舞うのか、またどう行動するのかについて、頭の中のイメージがとても明確だったのでスピーディーに進められたのでは、という気がします
    • 他にも、ローディングイラストに登場した体重計をそのままスキルカットインに登場させるなど、魅力的な要素や設定を再登場させたのもよかったと思います
      • Hasumi_Taisoufuku_EXSkill_Props_02.jpg
    • メモリアルロビーでは、体操服のジッパーが上がらず苦戦している様子がイラストになっています
    • 担当者の方は、素敵な案を出してくださいました。より状況を強調しやすい方向に決定して進めることになりました
      • Hasumi_Taisoufuku_ML_rough.jpg
    • 普段とは全然違う、困惑しているハスミの姿が見られたので、魅力が増したと思います
    • アニメーションはどのようなところにこだわって制作されたのか、ご説明いただけますか?
  • Kim HaeJong (kikihae) 2Dアニメーションチーム長
    • 体育祭を控えて体操着を取り出したものの、どうしても入らない状況で先生に助けを求めるメモリアルロビーです
    • 初めてメモリアルロビーのイラストをいただいた時はいろいろと不安な部分もありましたが、状況演出に忠実に作業しよう、との思いで始めることになりました
    • 作業開始時、原画家さん(注:Paruruさん)から良いご意見をいただきました。自然な演出を表現するため、追加でリソースをお願いした記憶があります。ジッパーが開いた体操服・閉じた体操服とジッパーパーツを2つ追加で製作し、それを切り替える演出にすることで、無事に完成させることができました。いつも協力的にリソースを提供してくださる原画家の方々には感謝しかありません
      • Hasumi_Taisoufuku_ML_Zipper.jpg
    • カメラは、戸惑う表情とジッパーを上げる過程を主な演出ポイントとして作業しました。普段は見られないハスミの恥ずかしがる姿を立体的に表現できたと思います。
    • 色々な意味で難易度の高い状況の演出であり、難しい部分も多かったのですが、全ての作業者の方々が快く作業してくださったおかげでハスミらしさがとてもよく表現できたと思います
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • ハスミにはEXスキルに可変コストというシステムが搭載されています。この可変コストシステム自体は、ウイを作るときに作ったシステムです
    • コストを流動的に使えるようにする目的で作ったんですけど、ハスミが入手しやすいキャラクターとして出てくるようになったことで、多くの先生が汎用的に使えるようにするためにそのシステムを適用した記憶があります
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • 食いしん坊だけど、気になることが多い。そんな複雑で可愛らしい姿をカットインでうまく表現していただきました
    • ハスミ(体操服)は、一言で言えば、果てしない自分との戦いをしている、そんな涙ぐましい闘争を楽しんでいただければと思います
    • そして、なんとこんな可愛いハスミ、配布です
  • 一同
    • (拍手)
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 作業していて印象に残っているモーションとかがあれば、説明していただけると嬉しいです
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • もちろん、ハスミ(体操服)は熱かったですね。みんな紳士的な会話に積極的に参加してくれました
      • ある日、モデリングチームに、ハスミについて急遽意見を聞きたいと言われて連れて行かれたことがあります。内容は「特定表現の強調をどこまでレベルアップさせるか?」。このような判断のために、ここにいるイン(hwansang)さんを含め、様々なチームメンバーが、とても紳士的な意見を調整していました
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • 翼の話ですよね?
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • あ、翼ですね。翼です(笑)
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • 印象に残っているモーションを挙げるとしたら、家具のインタラクションです
    • 本来であれば、マリーのほうにいく家具でした。先ほどお話ししたように、紳士たちの強い意志と意見により、ハスミがこの家具を付与されることになります。ハスミの食いしん坊のコンセプトにも合致しているようですし、普段のハスミには見られない可愛らしいモーションや「どこまで表現できるのか」を確認できるものだったのではないでしょうか?
      • Hasumi_Taisoufuku_ML_Furniture.jpg
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • ハスミ(体操服)といえば、本当に多くの方がまた気になるところだと思います。神名文字は、十分に配られる予定なのでしょうか?*24
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • はい、グローバル版では神名文字を十分に差し上げます
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • ありがとうございます

ユウカ(体操服)の設定とビジュアル Edit Edit

  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 3rd PV公開直後に熱い反応があったキャラクターです
      • Yuuka_Taisoufuku_3rd_PV_Rough.jpg
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 一番最初にメモリアルロビーに触れる生徒であり、チュートリアルで先生の領収書管理をしてくれ、強烈な第一印象を残すキャラクター、ユウカです
    • 今回の大運動会はミレニアムで開催しているため、ユウカは誰よりも深い責任感を持って臨むことになります。前半のイベントで過労となりユウカは参加できなくなってしまうところでしたが、幸運にも他の生徒たちの助けにより無事に晄輪大祭に参加することができました
    • ユウカは理性と合理という言葉を口癖にしていますが、実はちょっと情熱的で衝動的な一面もよく見せるので、このギャップが先生方にとても愛されているようです
    • 今回の体育大会でも彼女の理性と、理性が崩れる瞬間に注目してほしいです
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 3rd PV制作時に体育祭のシーンのレイアウトを担当してくださった方(注:YutokaMizuさん)が、同時にデザインもしてくださいました
    • 公開直後から、本当に多くの方に反響をいただいたおかげで、これは出さないといけないというみんなの思いが強かったので、実装まで滞りなく進むことができたと思います
    • ユーザーの皆さんのこの反響に応えられるよう、衣装以外にも、ドローンやなんちゃって子犬のロボットなどなど、ひとつひとつ担当者の方がストーリーを感じることができるよう細心の注意を払ってくれています
      • Yuuka_Taisoufuku_Design.jpg
    • ユウカ(体操服)のメモリアルロビーは、体育祭のための訓練中のユウカを映し出すシーンになります
    • 導入演出から担当の方がとても力を入れていて、試案もたくさん制作してくださったのが印象に残っています
  • Kim HaeJong (kikihae) 2Dアニメーションチーム長
    • ユウカ(体操服)のメモリアルロビーは、イントロを追加制作した2カットのイラスト演出で制作しました
    • イントロ演出の際、汗をかきながら水を飲むユウカの演出の温度感について別イメージでのご提案もいただき、水の動きや喉の動き、口の形、汗ひとつひとつにこだわりを持って作業した覚えがあります
      • Yuuka_Taisoufuku_ML_Intro_Plan.jpg
    • 背景をより豊かに、より立体的に表現したいと欲張って、すべての木や草について影の照明を分けるという、いつもより手間のかかる提案をさせていただきました。おそらく、メモリアルロビーの中で最も手間のかかった背景の出来栄えだと思います
    • ユウカの設定動画にもあるように、感情表現もかなり多彩です。表情の数もおそらく他のキャラクターに比べて圧倒的に多かったと記憶しています
    • メモリアルロビーの一部はアイドル中に特別なモーションが入る場合があるのですが、今回のユウカも笑顔を混ぜてもらえたらいいなと思い、担当者の方と協議して反映しました
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 続いて、企画的に気をつけたところがあれば教えてください
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • ユウカは当初の企画では、100kgの重荷を背負って一人で軽快に移動する単独スキルでしたが、タンクで集団を移動させる生徒がいなかったこともありますし、総力戦でも使えるように変更しました
    • 味方が何に向かって駆け寄ってくるようにするのが良いか悩んだのですが、最終的には旗に決めて修正依頼をした記憶があります
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 3Dもすごく色々な小道具がたくさん用意されていたと記憶しています
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • そうですね。犬やドローン、水筒、リモコンなど、こんなにたくさん? と思うくらいたくさんの小道具がありました
    • 小道具を見た後、一つも省きたくなかったので、できるだけ使おうとしました。例えば、3Dでずっと手首につけているストップウォッチとか。ドローンがスキルの時だけ出てきては消えるのではなく、ユウカの周りを常に追いかけて助けてくれるとか
    • ロボット犬のモーションコンセプトを硬いロボットにするのか、それともやわらかい機械のような感じにするか、いろいろと悩みました。しかし、ロボット犬のコンセプトである「インタラクティブである」ということを考え、実在の犬を基準にして、愛嬌のあるかわいいロボットの友達になりました
      • 「機械が人と?」という疑問もありましたが、キヴォトスの世界観で考えてみると、アンドロイドも普通の人と同じような線上にあるわけです
    • ちなみに、ちょこちょこついてくるドローンはオウムをベースに制作しました

総力戦ボス「ゴズ」の設定とビジュアル Edit Edit

  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ゴズは、スランピアのマジックショーの舞台、マジックキャッスルでマジックを披露するアミューズドール、つまり、動物の形をしたロボットです
    • 発注者がこのキャラクターをイメージしたとき、「ナルシシズムを持った意地悪な性格の猫」が欲しいと説明してくださいました
    • スランピアについてはまだ明かされていない設定が多いので、説明はここまでにしておきます
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • (ビジュアルの)コンセプトとしては、シロ&クロに代表されるスランピアのイメージを取り入れる一方で、ゴズの特徴である柄模様をいかにうまく表現するかがポイントだったようです
    • 特にゴズの特徴である「マジカルハットコイン」(原語:야바위*25)の柄にとても苦労されていたのが印象に残っています
      • Goz_Design_01.jpg Goz_Design_02.jpg
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • 8体目の総力戦ボスとなるゴズです。7体目のホド以来、久しぶりの新規総力戦として登場しました
    • 新規総力戦を追加するときは、通常は2パターンのどちらかです
      • 1つ目は、設定とビジュアルコンセプトが先に決定された後に、ボスのパターンが決定される形です。例としてデカグラマトンがあります
      • 2つ目はそれとは逆に、ボスの役割とパターンが先に決定された後で、設定とビジュアルコンセプトが決定される形です。ゴズがこの後者のケースでした
    • なので、ゴズはまず攻撃と防御タイプを先に決定した状態でした。特殊装甲なので、シロ&クロと同じスランピアにしたらどうだろうということで、スランピアテーマを提案しました。テーマが決まってからは一気呵成に進みました
    • 背景コンセプトは、シロ&クロがメリーゴーランド・バンパーカー*26であれば、次は遊園地の華であるジェットコースターでお願いしました
      • Goz_Background.jpg
    • 次にキャラクターの外見的な設定は、シロ&クロがネズミとカラスだったので、同じように動物の外見をお願いしました
    • 最初のフェーズでは、ローラーコースターが定期的に登場します。この時、先生方は轢かれないように避けてください
    • そして2番目のフェーズに進むと、魔術師ゴズとの戦闘が本格的に始まります。この時、ゴズは定期的に幻影を召喚するのですが、本体をよく見分けて本体を攻撃するのが主な攻略法になります
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • ゴズは製作する前に「チェシャ猫」や「魔術師」、「パフォーマンス」、「スランピア」などのキーワードを決めて行きました。どこか不思議だけど美しい舞台と、魔法のような楽しくて幻想的な空間の主、という点に演出ポイントを定めました
    • 作業を進行してくださるチームメンバーの肌色が、日に日に変化していくのを見て、その苦しみを間接的に感じることができました
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ゴズの演出の中で一番印象的だったのは、フェーズが切り替わるときに、映画のようにカメラが一回転して生徒たちが映し出されるシーンです。そのシーンを構成するきっかけや、何か裏話のようなものはありますか?
      • Goz_Phase_Transition_01.jpg Goz_Phase_Transition_02.jpg
  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • SDの生徒を様々な方法で先生方にお見せしようという努力は、以前からありました。戦闘開始や勝利モーション、ピックアップモーションとか、そういうものがきっかけですね
    • SDの生徒がストーリーの一部になったのは、ペロロジラが最初だったような気がします。そこから出発して、なるべくいろいろなシチュエーションを見せようと工夫を凝らしてきました。ゴズの演出もその延長線上にあると思っていただければと思います。奇妙なショーの一部として参加することになる生徒や先生を表現しました
    • これからも生徒の様々な姿を機会があるたびにお見せする予定ですので、お楽しみにお待ちください。

サイコロラン Edit Edit

  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • 新イベントの仕掛けとしては、サイコロランがあります。サイコロの結果に応じてユウカが一生懸命走り、到着したタイルの報酬を獲得できます。この時のユウカがとても可愛いので、ぜひやってみてください

エンディング Edit Edit

  • Kang HanSol 3Dアニメーションチーム副長
    • このような光栄な場にお招きいただき、ありがとうございます。これからも先生方のためにもっと頑張りますので、よろしくお願いします
  • Kim HaeJong (kikihae) 2Dアニメーションチーム長
    • 今日、この場に出てきて、メモリアルロビーを紹介させていただき、とても楽しい時間でした。これから出てくるメモリアルロビーも楽しみにしていてください
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 2回にわたってイベント制作の裏話を先生方に説明させていただくことができ、とても光栄でした。今後とも、生徒さんたちにたくさんの愛をお願いします
  • Eum InYong リードゲームデザイナー
    • 私たち全員が開発者であり、一人の先生として多くの先生方に面白いものをお見せできるように努力していきますので、今後ともよろしくお願いします
  • Kim In (hwansang) アートディレクター
    • 私も今日こうして開発の裏側について、久しぶりに話をすることができて本当に楽しかったです。実は今日こうして話している部分は、本当に氷山の一角です
    • これからもブルーアーカイブをよろしくお願いします

2023/04/07 [シナリオ] "感動の涙が止まらない"と評価される『ブルーアーカイブ』のストーリーを書いた男 Nexon Games MXスタジオ ヤン・ジュヨン シナリオディレクターインタビュー(This is Game) Edit Edit

韓国ゲームニュースサイトThis is Gameが行ったシナリオディレクターisakusanへのインタビュー。
掲載された時期としては、日本版で最終編が完結した直後あたり。グローバル版は晄輪大祭の直前あたり。
以下、概要。

本編 Edit Edit

現在の肩書 Edit Edit

  • isakusan
    • このあいだ所属組織名が変わったり、大人の事情があり呼称が少し複雑になっているようです
    • まず私は、ゲーム開発者としてIP室の室長職を務めています
    • 同時に本作の「音楽プロデューサー」と「シナリオディレクター」を兼任しています
      • ただ「音楽プロデューサー」はサブジョブ(?)に近いです

日本でのストーリーに対する好評への感想 Edit Edit

  • isakusan
    • もちろん嬉しいですし、感謝しています
    • 何よりも、サブカルチャーの本場である日本で悪くない評価を受けていることは、ゲーム開発者として・文章を書くライターとしてとても光栄だと思います
    • ただ、良い反応に酔いしれて現状に甘んじたり、あるいは期待に無理に応えようとして自分を見失わないように気を付けたいと思っています

最終編で気を付けたこと Edit Edit

  • isakusan
    • 「ゲーム」シナリオライターなので、私が書くのは(小説ではなく)ゲームの一部であるべきです
    • ゲームとして成立する物語を作ることを最終編では特に最も重視しました

最終編でシナリオとコンテンツを連動させた理由について Edit Edit

  • isakusan
    • ゲームの最大の特徴は「インタラクション」だと思います
    • ユーザーが主体的に物語をゲームとしてプレイしながらインタラクションしてほしいと思いました
    • 最終編制作のために、約1年前(2022年)からキム・インADイム・ジョンギュDパク・ビョンリムPDをはじめとした多くの開発者と緊密にコミュニケーションを取りながら進めたからこそできたことだと思います
    • この場をお借りして、一緒に作ってくれた開発者に感謝の意を表します

本作のシナリオ制作プロセスについて Edit Edit

  • isakusan
    • 基本的な世界観・物語の展開の方向性、基調といった大枠は私が決めてチームに伝えます
    • シナリオについては、世界観やキャラクター性などに問題がなければ担当者のやり方を尊重する方です
    • イベントストーリーの場合、イム・ジョンギュD・Yostarと協議して年単位のスケジュールを作り、その中の細かいストーリーは私が主導して構成し、内部担当者のニーズがあればそれを優先します
    • ところで、私は今までメインストーリーばかり書いてきたので、チャンスがあればイベントストーリーも書いてみたいのですが、今年はそのような機会があるかどうかわかりません

前作(「魔法図書館キュラレ」)から修正した点と継承したい点 Edit Edit

  • isakusan
    • NDCの時にも発表しましたが、キュラレの時に一番残念だったのは物語の「主人公」が存在することでした
    • アップデートし続けるモバイルゲームでは、主人公が存在すると多くの問題が発生します
      • すべてのストーリーが「主人公」を通して展開しなければならないので、自由度や多様性を確保することが難しくなります
      • 主人公は登場頻度が高いので、人気が主人公だけに集中し新規キャラクターの展開がむずかしくなる。売上をださないといけない立場とてしてもこれは問題です
    • ブルーアーカイブでは、様々なキャラクターがそれぞれの物語で主人公の役割を担うオムニバス方式で構成しました
      • 幸い、特定のキャラクターに人気が集中することがあまりなく、比較的さまざまなキャラクターが人気を得ています
    • 前作から継承したかった要素は、...やはりギャグテイストでしょうか
    • キュラレは今となっては変わったコラボばかりが話題ですが、実はいろんなギャグが渦巻くギャグストーリーがほとんどです。今では見られないのが残念でなりません

ユーザーによるストーリーの解釈について Edit Edit

  • isakusan
    • シナリオの感想や分析は、機会があれば見るようにしており楽しく拝見しています
    • 文芸批評に近い文章や、論文レベルの分析を書いてくださる方もいて、身が引き締まる思いです
    • ただ、何が正解だ・何が私の意図したものだ、と私が言うことはないでしょう
    • 一度世に出したテキストをどう解釈するかは、完全に受け手の権利であるべきだと思うからです。それもまた、テキストが意味を模索していく一種の創作の過程でしょう
    • 私が目指したいのは、「ブルーアーカイブ」のシナリオが、継続的に活発な議論が続くテキストであってほしいということです
      • あるテキストに建設的な議論・解釈・反論が続いているのであれば、そのテキストは今現在を生きている状態だと言えるのではないでしょうか
      • 「ブルーアーカイブ」のシナリオは一度見て忘れ去られるのではなく、現在を生きながら継続的に(建設的で有意義な)反響を産むテキストであってほしいというのが私の願いです
  • インタビュアー
    • もしかしてwikiを直接編集したり、修正したいと思ったりしたことはありますか?
  • isakusan
    • いいえ
      • 私はユーザーの率直な反応を確認したいので、そうしてしまうと純粋なユーザーのフィードバックではなくなってしまいます
      • 個人としても開発者としても正しい方向ではないと思います
  • インタビュアー
    • ユーザーの受け止め方が不安だったシナリオはありますか?
  • isakusan
    • 哲学的な言葉を連発する総力戦の入場シナリオが一番心配でした
    • ゲマトリアの口を借りて、純粋に私の好みである変なことを書きまくりました
    • 意外と(?)反応が悪くなかったので、ほっとしています
  • インタビュアー
    • 「ここが肝心だ」と思っていて実際にユーザーから良い反応があった部分や、その逆で残念だった部分はありましたか?
  • isakusan
    • ユーザーの皆さんがポイントを押さえてくれたのは...やはり柴大将の可愛さですね
      • 大将の可愛さは想像を絶するほどです。特に尻尾が可愛いです。これこそ私が本当に伝えたいポイントなのですが、やはりユーザーのみなさんはこれを見逃さなかったようで感激しています
    • 残念なところは特にないのでパスします(笑)

ゲームやシナリオに「韓国色がないから」日本で成功したと言われている事について Edit Edit

  • isakusan
    • 「ブルーアーカイブ」が日本で評価されたのだとして、その核心的な理由が「韓国色がないから」という分析には同意しません
    • なぜなら、「ジャンル」というのは特定の国ではなく、「特定の文化」に基づいて定義される脱国家的なアイデンティティだからです
      • 例えば、「スパゲッティ・ウェスタン」はイタリア資本でスペインで撮影された西部劇のジャンルを指し示す表現ですが、それが'60~'70年代に栄えた理由は、だれがどう見てもアメリカ映画に見えるように特定の国の色を取り除いたことが核心ではなかったと思います。観客にとっては、そこが西部劇的な空間かどうかだけが重要だったでしょう
    • 私は文化評論家ではないのでこれ以上深く語れませんが、結局、ジャンルを判断する有意義な尺度は「それがどれほどジャンル的なのか」しかないと思います
    • だから、私は国籍のせいでシナリオを描くのに苦労したことはありません(翻訳は別問題です)
    • できあがった物がどれだけサブカルチャーのジャンルの特性を守っているか? どれだけオタクの心をひきつけられるかだけを考えていたと思います
      • 結局、オタクが享受するジャンルはオタクが作らなければならないという当たり前の真理に帰着したようですね

テキストの翻訳プロセスについて Edit Edit

※3行ちょっとで要約

  • テキストは、韓国語版が原文です(一部ユーザーの間で言われている、日本語版が原文というのは誤解)
  • 日本語版は、韓国語版をYostarがローカライズ・カルチャライズしたものです
  • さらに、ボイスは日本語版が基準となるので、違和感がないように日本語版→韓国語版へと逆向きに調整がなされています(訳注:つまり、「日本語ボイスがつくことによる調整」が発生しない部分については、日本語版→韓国語版という反映プロセスはありません)

※ほぼ原文に近い要約

  • インタビュアー
    • ユーザーの間では「韓国語→日本語→韓国語」のプロセスでテキストが作成されていると言われています
    • また、この中で「日本語」が事実上、シナリオテキストの「原文」と言われています
    • 実際に、このようなプロセスで制作されるのでしょうか
    • いわゆる「品質検収」はどのように作業されているのでしょうか
  • isakusan
    • 少し誤解されている部分があるので、この機会に正確に説明させていただきます
    • まず、ブルーアーカイブのシナリオはMXスタジオのIP室が韓国語で作成します
    • それをYostarに渡して日本語翻訳を行います
    • この時、Yostarローカライズチームが日本のユーザーの文化に合わせてテキストをカルチャライズし、韓国語版と日本版の内容が異なるケースが発生することがあります
    • また、声優のレコーディングは日本語を基準にしているため、グローバルサービス初期には、韓国語テキストと日本語の音声が異なる場合が発生し、問題になったこともありましたが、現在は日本語の音声に合わせて韓国語テキストを再調整するプロセスを追加して、日本語の音声とテキストのズレをケアしています
    • つまり、「ブルーアーカイブ」のシナリオは韓国語がオリジナルです
    • 翻訳プロセスでローカライズ・カルチャライズによってテキストが異なる場合が発生します
      • もちろん、このプロセスはYostarとの相互協議を経て決定しており、このような複雑な過程を経たからこそ「ブルーアーカイブ」が日本で良い翻訳品質で評価されているのだと思います

ブルアカ関連ミームについて Edit Edit

  • isakusan
    • 本当に(ミームが)たくさんありすぎてどれか一つに絞って話すのは難しいですね
    • 一番印象的なのはやはり...清渓川?
  • (記事中の清渓川の写真の付属コメント)
    • 取材していると、MX Studio関係者はみんなこのミームの話ばかりします。本当に...

シナリオが好評だった秘訣・理由 Edit Edit

  • isakusan
    • うーん...私が最も重要だと思う部分は、起承転結、つまり3幕構造で構築された3万字以上の完成されたストーリーを毎回の更新ごとに提供する、というシンプルなポリシーを守ることです
      • シンプルですがこれをn年間以上するのは思ったより難しいと思います。IP室のライター・演出の方々の優れた能力のおかげです...
    • シナリオ以外では、何よりもアートディレクターさん(hwansang)の全面的なサポートを挙げたいと思います
      • たとえば最終編では、アートディレクターさんがビジュアルを生み出してくださらなかったら、ただの面白いネタにとどまっていたと思います
    • そして、シナリオを主力商品として掲げるゲームに仕上げてくれた、イム・ジョンギュDパク・ビョンリムPDのサポートを挙げたいです
    • 信頼できるオタク仲間がいたからこそ、シナリオが良い評価を受けることができたのだと思います

シナリオ制作アイデアのインプット経路 Edit Edit

  • インタビュアー
    • シナリオ作成では、通常どのような経路でアイデアを得ますか?
  • isakusan
    • 特に決まったインプット経路はないです
    • 原論的にいえば、ほかの創作物をたくさん見る事でしょうか
    • ただ、アイデア収集のために作品を見るとむしろ十分に楽しめないので、そういうことを意識して見ているわけではないです

シナリオに関してユーザーに伝えたいメッセージ Edit Edit

  • インタビュアー
    • この場を借りて、ユーザーの誤解(?)を解きたいとか、ぜひ伝えたいメッセージを教えてください
  • isakusan
    • ブルーアーカイブは宗教的なものを目指しているわけではありません
    • 私は、初期キリスト教や初期仏教などに興味があるだけで、とくに宗教的な信仰を持っているわけではないんです
    • むしろ、「ブルーアーカイブ」はサブカルオタクが気軽に享受して楽しめるような物を目指しています

「晄輪大祭」で注目してほしい点 Edit Edit

  • isakusan
    • 晄輪大祭は「ブルーアーカイブ」が目指す学園青春ものの象徴のようなイベントです
    • 特にこだわったのは、たくさんのキャラクターの体操服の着こなしです
      • 特にミレニアムのような未来的な学校の体操服のデザインがブルマーというのは本当に理不尽というか、面白いというか、たまらないです...

最終編で注目してほしい点 Edit Edit

  • isakusan
    • 最終編は、開発初期(約5年前)から準備していたもので、ようやくお見せできます
    • まだ国内とグローバルユーザーの皆さんはもう少しお待ちいただく必要がありますが、楽しみにしていてください
    • これまで1st~3rd PVに最終編の様々な要素を隠しておいたのですが、後で機会があれば、探してみるのも面白いと思います

キサキについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • ミカに続いて話題を集めたキャラクターといえばキサキも外せませんね
    • 今後、このキャラクターについてはどのような展開があるのか気になります
  • isakusan
    • キサキはかなり前から話題になっていたキャラクターです(あの体操と一緒に...)
    • ネタバレになるので詳しくは言えませんが、キサキだけでなく様々な新生徒を用意していますので、今後の展開に注目していただければと思います

最後に一言 Edit Edit

  • isakusan
    • まず、「ブルーアーカイブ」を楽しんでいる韓国と日本、グローバルにいるすべてのユーザーに感謝します
    • もちろん、シナリオライターとして過分な声援を受けているのではと複雑な気持ちになることもありますが、黙々と良い物語を書いていけるライターになりたいと思います
    • これからもユーザーの皆様の期待とご声援にこたえられるよう努力していきたいと思います。ありがとうございました

2023/04/04 [全般] ブルーアーカイブ、ジャンルへの深い理解と愛情の結晶 (Inven) Edit Edit

韓国のゲームメディアInvenに掲載されたインタビュー記事。
掲載時期は、グローバル版で晄輪大祭の前半イベントと後半イベントのあいだ。

登場スタッフは、イム・ジョンギュD

トピックは、ゲームディレクターとしての方針、キャラクター設計や様々なスケジュール判断の背景などなど。

本編 Edit Edit

ブルーアーカイブが良い実績を収めたことについて Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • とても誇らしく、また安心しました。
    • 第1部最終編は、プロジェクト開始時からヤン・ジュヨン(isakusan)シナリオディレクターと一緒に計画したブルーアーカイブのIP化のための最初の目標点でした。さらに、キム・インアートディレクターとアート室で制作していただいた4th PVのラフを見た瞬間、この目標点に対する確信と同時に、必ず最高の形で先生方に提供しなければならないという責任感が生まれました
    • この「最初の目標地点までたどり着いた」という達成感と同じくらい、「一緒に開発した仲間の努力と情熱、サービスのために尽力してくれた皆さんの協力の結晶を無事に先生方にお届けできた」という安堵感も大きいです
    • 先生方からの反応が良かったので、私と同僚は2次、3次目標に向けて、また新たなパワーを得ることができました。今後も期待に応えられるように頑張りたいと思います。

ゲームデザインリードやディレクターとしての方針 Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • ブルーアーカイブは、全体的にボトムアップ方式で開発しています。この方式は、様々なアイデアとディテールを生かすことに強みがありますが、アイデアが散発的に散らばったり、全体的な構成の堅固さが崩れやすいという欠点があります
    • 長所を生かして短所を減らすため、今後のゲームサービスのビジョンを提示し、共感を引き出し、同僚が同じ方向を向くように努力しています

ディレクターとして本作制作における最も重要な価値観 Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 新しいゲームがIPとして定着するためには、長期的なサービスが必要だと考えています
    • 短期的な成果ではなく、長い間、先生方に愛されるゲームを作り、サービスしていくためにはどうしたらいいのかを常に考えています

キャラクターの性能・機能の設計プロセス Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 一番重要視しているのは、キャラクターの設定とアートに合うようにすること、キャラクターが活躍できる場を作ることです
    1. キャラクターの設定と原画をもとに、その生徒の役割を決定します
    2. バランス要素、現在の各コンテンツのメタ、採用率などのデータ、キャラクターの関係性による生徒とのシナジーなど、様々な要素を考慮してキャラクターのスペックを決めます
    3. キャラクターのアクションデザインを行います。この過程で、IP室との会議を通じて、キャラクターの文脈や設定を逸脱しないようにフィードバックをやり取りします
    4. 演出チームだけでなく、2D原画、モデリング、背景チームまで担当者が全員参加する会議を通じて様々なアイデアを出し、それを総合してキャラクターを制作します
    5. 内部テストやFQAテスト(注:機能テスト≒機能デバッグ)を通じて詳細なバランシングを行い、最終的な仕様を決定して制作します

新キャラクターの実装スケジュールを決めるうえで重視していること Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 新キャラクターの実装の順番は、様々な要素と相談しながら決めています
    • 最も優先する要素はストーリーです。ストーリーの展開によって実装するキャラクターの候補を決定し、各種コンテンツで現在必要とされている、または空いている需要に応じて、適切なコンセプトのキャラクターを実装キャラクターとして決定します
    • 二つ目はシーズンです。どうしても先生方の期待が高まるシーズンがあるので、その期待に応えるための選択をしています。夏の水着は「定番」ですね

ブルーアーカイブの本当の強みと言える点・弱みである点 Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 強みは、開発者たちのジャンルに対する理解とブルーアーカイブに対する愛情です。 この点は、世界中のどのスタジオと比較しても遜色ないと自負しています
    • 努力はしているのですが、サービスの安定化という点ではまだまだ不十分な部分があり、常に反省しています。今後も改善していきたいと思っています

世間へのイム・ジョンギュDの露出について Edit Edit

  • インタビュアー
    • キム・ヨンハPDがインタビューで、「ユーザーがゲームを作っている側にも興味を持ってくれて、一つのコンテンツとして楽しんでくれるのが不思議で楽しい」と答えていたのを覚えています
    • ディレクターさんは、PDの方々と比べると、相対的に世間に露出される割合が少ないのですが、その点を残念に思わないのでしょうか
  • イム・ジョンギュD
    • PDさんたちが対外的な活動をしてくれる分、開発にもっと集中することができるので、残念だと思ったことは特にないですね。 それに「ボッチ(原語:봇치*27)」なので...

グローバル版開発者コメンタリー動画について Edit Edit

イム・ジョンギュDが着ていたシロコTシャツについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • 1周年記念放送で着ていたシロコTシャツは本当に普段から愛用しているTシャツだったのか、その真偽のほどが気になります。 現在は保有しているTシャツのラインナップが増えたのでしょうか?
  • イム・ジョンギュD
    • (笑)。もともとグラフィックTシャツが好きなんです。ブルーアーカイブのTシャツのラインナップも少しずつ増えています。グッズのクオリティが高く、普段着としても素晴らしいです。いつも愛用しています。ただ、実生活用と保存用の2枚を購入するのは難しいですね

最終編を連続リリースした決断の背景 Edit Edit

  • インタビュアー
    • 日本サービスでの2周年生放送以降、最終編を連続して公開することになった背景には、イム・ジョンギュDの提案があったと紹介されています
    • ユーザーからは、じっくりとストーリーを楽しみたい人のためにゆっくり時間をかけた方がいいという意見もありますが、結果として一度にまとめて公開する方向性が採用されました
    • このような決断をされた背景をお聞かせください
  • イム・ジョンギュD
    • 先ほどお話したように、1部最終編はプロジェクト開始当初から計画していた最初の目標地点であり、それによってIPとして確固たる地位を築くという計画でした。様々なゲームやメディアが溢れている現在の市場で、IPとして位置づけるために最も重要なことは何かと考えた結果、最終編のロードマップを現在のような連続公開の形で計画しました
      • 主要なコンテンツを先行して開発・リリースし、フィードバックを受けながら完成度を高めていくなどの対策をとったのですが、それでもかなりリスクの高い決断だったので「これでいいのか」という懸念の声もありました
      • しかし、最高の体験を提供するために、「これでいいんだ!」という答えを出すことに全員で合意し、最終的には仲間が大変な苦痛...いや、苦労を強いられました。申し訳なく、感謝しています
    • ただ、4th PVの公開時期については、様々な意見や議論がありました。最終的にこの部分は、専門家であるYostarのマーケティングチームが提案してくれた「2周年生放送でのサプライズ公開」にすることになりました。それに伴い、最終編のプロローグの公開時期も生放送直後に決定しました。結果的に大成功でした

自身の選択によるユーザーの反応を見て良かったこと・後悔したこと Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • すべての更新に最善を尽くしていますが、やはり最終編が記憶に残っています
    • 本当に多くの優秀な社員と激しい議論、自らが招いた災難が多々ありましたが...いつか紹介できる機会があればいいなと思います
    • 後悔した瞬間はたくさんありますが、それでも次の選択を先延ばしにせず、より良い選択をするために努力しています。

MXスタジオで期待する人材について Edit Edit

  • インタビュアー
    • 一緒にブルーアーカイブを作りたいと思いつつも、「本物じゃないと生き残れない」というイメージで敬遠している人もいるのではないでしょうか。MXスタジオでどんな人材を待っているのか気になります
  • イム・ジョンギュD
    • ゲーム開発部が得たG.Bibleに書かれているように「ゲームを愛する心」です。ゲームが嫌いな人が、良いゲームを作ることはできないと思います
    • また、ライブサービスを行うゲームなので、ブルーアーカイブに対する理解度を重要視しています

2023年の目標と抱負 Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • ブルーアーカイブの成長と発展です。PDさんたちの言葉通り、ようやくスタートラインに立ったので、素晴らしいシナリオとアートを最高の形で先生方に提供することが目標ですね
    • そうやってどんどん進んで、いつかシアタースクリーンでブルーアーカイブの"あのシーン"を見るのが夢です

ユーザーへのメッセージ Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • ブルーアーカイブを通して、楽しさや感動を届けたいという私と仲間の想いが伝わればいいなと思います
    • これからも、ブルーアーカイブをどんどん進化させていきますので、よろしくお願いします!

2023/03/30 [全般] On your mark @ millennium 開発者コメンタリー(グローバル版公式) Edit Edit

グローバル版の晄輪大祭リリース記念開発者コメンタリー動画その1。

内容は、晄輪大祭イベントの企画経緯と、新しく実装される生徒キャラクター(ノアウタハ(応援団)ヒビキ(応援団))とコトリ(応援団)トラッククラッシャーの開発裏話。

登場スタッフはイム・ジョンギュ(企画ディレクター)オ・ヒョンソク (POIst)(シナリオライター)Sung JiWon (Rozred)(アート副ディレクター)キム・グクギ (9ml)(2Dキャラクターチーム長)Hwang InChul (aqua-aura)(グローバル版企画チーム長)

以下、韓国語字幕をOCRしてDeepLで日本語訳したものを基にした要約。

前置き Edit Edit

isakusanの近況 Edit Edit

  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • ところで、ジュヨンさん(isakusan)が見当たらないようですが
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ジュヨンさんは、次のシナリオ執筆と様々なメディアミックスの準備のためやむを得ず不参加で、私が代わりに来ることになりました
    • 清渓川に行かれたわけではありません。とにかくいろいろな面で現在も健康でお元気でいらっしゃいます
  • イム・ジョンギュD
    • 実はあまり健康そうに見えないんですけどね

イム・ジョンギュDの衣装 Edit Edit

  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 前回はシロコTシャツを着て来られて話題になった気がしますが、今日着てきた服(マシロTシャツ)もその時と同じように普段着として着ている服ですか?
  • イム・ジョンギュD
    • 今日の服は、今回の撮影のために初めて着た服なんです。普段着として使うには、今見える分には問題ないように見えますが、下半身がちょっと...
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • まあ大した違いはなさそうですが
  • イム・ジョンギュD
    • 少し慣れれば着こなせるかもしれませんしね

イベント「ON YOUR MARK @MILLENNIUM ~キヴォトス晄輪大祭~」 Edit Edit

イベントの制作経緯 Edit Edit

  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ブルーアーカイブは学園物なので、大運動会をコンセプトとしたイベントストーリー自体はずっと前から企画していました
    • 普段会う機会のない様々な学校の生徒が一堂に介して事件を起こせば面白いと思い、複数のライターの方々と意見を出し合いました。最終的に、(一つの)学校で行われる運動会のコンセプトを発展させ、今回のような晄輪大祭のストーリーを構成することになりました
  • イム・ジョンギュD
    • 学校をミレニアムにした理由はありますか?
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ミレニアムを開催校にした理由は、素材を揃えやすいからです。キヴォトスは現実よりも少し進んだ近未来の技術を持つ学園都市なのですが、それにふさわしい大運動会を見せるには、先端的な運動器具がたくさん用意されるべきだと思ったんです
    • 何より今回のイベント公開タイミングがエデン条約が終わったばかりなので、もっと別の学園に光を当てたいという目的もありました
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • 私は子供のころ、日本で暮らしていました。直接ブルマを見たことがあるので、晄輪大祭を見ているうちにやっぱり青春、ブルーアーカイブだなと
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 今回のストーリーは、少しだけ学生時代の経験を踏まえて書きました。私なんかは運動神経が悪いほうなので、体育の時間は応援席で応援するだけだったり、サッカーをするにしてもディフェンダーの役割で遊んでいたんです。なので、運動会の日は気後れして、寂しく一人で家に帰る経験が多かったと思います
    • そんな時、誰かが「運動ができなくても大丈夫だよ」と言ってくれていたら、私も今頃は体育が好きだったかもしれないなぁと思いました。こういう先生の気持ちで生徒を応援しながら、イベントストーリーを書いてみました
  • イム・ジョンギュD
    • 晄輪大祭は、1周年の3rd PVの時から話題になっていましたね。この時にすでにイベントの計画はあったのですか?
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 普通はイベントストーリーを作成し、それに必要なイラストやリソースを発注する形が一般的なのですが、今回のイベントはそれとは違って、まずイメージが先に完成し、それをスクリプト化する方法でシナリオが作成されました。3rd PVで、秋の生徒たちの日常にあたる大運動会の静止画をシナリオ企画前に何枚も制作してくださいました。私がそれをもとに肉付けしました
      • 例えば、スタジアムのトラックにあるボール型戦車を作れそうなサークルメンバーはどんな役割なんだろうかとか、ここに誰と誰と誰がいるのはどうやって出会ったのか、というような形でストーリーをまとめました
    • このやり方はシナリオチームでも珍しいやり方で、そのため原画チームから非常に多くのアイデアを提供していただきました。本来は1つのイベントで構成する予定だったのですが、多くの方が応援やアイデアを提供してくださったおかげで、メディアミックスを含む2つのイベントにボリュームアップできました
  • キム・グクギ (9ml)
    • 3rd PVはキヴォトスでの事件よりも日常を見せるために企画された映像です。なので、今回の晄輪大祭のキービジュアルも、ミレニアムの生徒の日常感のあるシーンをお願いしました
    • 担当の方(ミミトケさん)もブルーアーカイブに愛着があり、長い間呼吸を合わせてきた方でした。キャラクター性に合わせて、体育祭の準備に追われる生徒たちの日常感をうまく表現してくださったと思います。キービジュアルでは後ろに小さく表現されていますが、マキが描いている絵も丁寧にデザインしてくださっているので、この機会に一緒に見てもらえたら嬉しいです
      • OnYourMark_Maki_Drawing.jpg
  • イム・ジョンギュD
    • 実はあれこれ作業しているうちに、だんだん仕事が大きくなってしまい「これ全部作れるんだろうか、大丈夫なんだろうか?」という心配が多いアップデートだったのですが、みんな最高の出来栄えを出してくれたので、お楽しみに

ノアの設定とビジュアル Edit Edit

  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ノアはオープニングPVで、ユウカの隣で詩集を持っている姿で登場しており、長い間、多くの先生方から注目されてきたキャラクターです
    • キャラクター性の強いユウカの相棒としてどのような性格をつけるか、とても悩みました。まず、二人が一緒にいるときに会話が途切れることなく楽しく続けられるように、漫才で言うツッコミを誘発するようなボケキャラを意図しました。ユウカが計算と合理性を重視しているのに対して、ノアはある程度融通も利くし感情的な表現をよく使うので、そういう面で衝突するように意図しました
  • キム・グクギ (9ml)
    • ただ、私の感覚では、シナリオ上はむしろユウカがより感情的で、ノアが理性的なことが多い気がします
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • そうですね。ユウカが理性的に「完璧」とか「計算通り」とか言うことが多いけれど本当は感情的なように、ノアも感情的な表現をよく使いますが理性的なキャラクターです。このように、二人の目指す方向性と実際に得意なことが違うので、足りない部分を補い合いとても良い相性を発揮できるようになったと思います
  • キム・グクギ (9ml)
    • 次に、デザインについて簡単に説明します。ノアの初期案を持ってきてみました
      • Noa_Origin.jpg
    • ノアはユウカと一緒に、プロトタイプ時代からミレニアムのデザイン基調のベースとなったキャラクターです。お見せしている原案が'18年に制作されたイメージなので、ノアもかなり長い時間をかけて先生方の元に来たケースですね
    • 他のミレニアム生徒の服装もそれぞれ個性がありますが、ベースデザインに使われている細かいディティールはこの2人のキャラクターをもとに制作されたといえます
    • 初期設定では、ミレニアムがこの程度の科学技術まで可能であることを説明するためにレールガンを持っていたのですが、書記という設定や先に実装されたアリスの個性を尊重するため、今回武器をピストルに変更することになりました
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • 変更したノアの銃器のデザインがちょっと独特なんです。これはピストルなんですか?
  • イム・ジョンギュD
    • それを言うと、礼訟論争*28(激しい議論)が起こりますね
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ノアの武器「書記の採決」は、ピストルにコンバージョンキットを付けてサブマシンガンのように使えるようにしたものです。なので、分類をハンドガンにするかサブマシンガンにするか、内部のミリタリーオタクの開発者の間で非常に多くの議論がありました。しかし、結局いろいろな事情を考慮してハンドガンに決定されました
    • 私は、正直言ってコンバージョンキットが付いたハンドガンはサブマシンガンではないか、という素直な発言をちょっと控えめにさせていただきます
  • イム・ジョンギュD
    • そうですね、ハンドガンじゃなくSMGと言えばSMGですからね
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • そうなんです
  • イム・ジョンギュD
    • この変わった銃は、東京マルイとのコラボでデザインを提供してもらいました。当スタジオにもモデルガンを持っている人が結構います
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 私もマルイのコルトマグナムを一丁持っています
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • 気をつけないと
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • あ... いえいえ。人に向かっては撃ちませんよ
  • キム・グクギ (9ml)
    • イラストでもよく見ると、東京マルイと英文のデカールが貼られているのが確認できます
      • Noa_Weapon_Design.jpg
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 様々なラインで構成されたデザインが、ミレニアムの未来的なコンセプトとよく合う銃器だと思います
    • (戦闘では)プロフェッショナルなイメージの女の子らしく、じっくりと弱点を分析し臨む姿を演出してみました
    • ブルーアーカイブはミリタリーファンの皆さんもたくさん楽しまれているのですが、銃を巧みに操る姿を入れてみたかったので、様々な資料を参考にしスタジオ内の数多くのミリタリーファンの皆さんにアドバイスをいただきました
  • イム・ジョンギュD
  • キム・グクギ (9ml)
    • 先生と一緒にガラス窓を眺めながら会話するシーンで、反射されたキャラクターが映るシーンに挑戦しました。最初は「反転した画像を全部ではないにしても一部使えるのでは?」と予想しましたが、実際に計算すると反転で処理できる部分が全くなかったんです。それで、担当者の方(7peachさん)と一緒にとても困惑したのを覚えています。角度がずれるとガラス窓の中におかしなノアが映ってしまうので、正確な角度に映ったノアを描くため担当の方がかなり苦労されました
    • 2Dアニメーションチームで作業された設定データの映像も持ってきました。
      • Noa_Mirror.jpg
    • イラストの2倍以上の工数をかけて、窓に映る動きを表現してもらいました。そして雨水の表現も、ミサキで適用した映像をさらに開発し、エフェクトチームで素敵に仕上げていただきました。ノアのメモリアルロビーのイラストは、かなり多くのノウハウと努力が凝縮された成果物だと思います
  • イム・ジョンギュD
    • モーション演出の方はいかがでしたか?
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 遊び心のあるノアの性格を、アニメーションチームでうまく表現していただきました。作業していて一番楽しかったのは、カフェのモーションの作業だったそうです。ノートを隠す指を使ったモーションをうまく表現してくださいました
    • また、ノアはユウカの親友でもあります。担当の方がこの点も重要なポイントだと考えてくださって、(二人の)ポーズは似ているのですが銃器と物を逆に持っていたりとか、勝利モーションの感じを織り交ぜてみたりなど、細部にまで気を配っていただいたキャラクターでした
      • Yuuka_Noa_SD.jpg Yuuka_Noa_SD_Victory.jpg
  • イム・ジョンギュD
    • そんなこだわりが多いからか、ペアのキャラクターとして話題性がありとてもよいです

ウタハ(応援団)の設定とビジュアル Edit Edit

  • イムジョンギュD
    • 本当に素敵な学ランですね
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • ウタハはヒビキやコトリと異なり学ランを来ています。その理由はなんでしょうか?
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ウタハ自体がとてもパワフルで行動力があるキャラクターなので、チアリーダーというよりは鼓笛隊の応援団長みたいな格好の方がもっと似合うと思ったんです。昔、応援団を題材にしたリズムゲームをプレイしたことがあるんです。その時に出てくる応援団のキャラクターが、憂鬱な状況に陥った人たちをすごく熱心に応援してくれるんですよ。ウタハのマイスターの感性とかなり一致するところがあって、その感性をオマージュしたかったんです
    • 周りから何を言われても、それでも自分の感性を貫き通すそのマイスターの頑固なこだわりがウタハの魅力ではないかと思います
  • キム・グクギ (9ml)
    • 熱血応援団長というキーワードは、ビジュアルとしては紳士服のイメージになってしまいやすいかもしれませんが、担当者の方が衣装のラインやポーズなどを利用してウタハと応援団長のコンセプトをうまく調和させて表現してくださいました
      • Utaha_Ouendan_Origin.jpg Utaha_Ouendan_Kaminari_Origin.jpg
    • 初期には制服のスカートと組み合わせた案もありました。個人的には、やはり活発さを考えた開放性やラインを強調するために白のパンツを選んだのが秀逸だと思います。そして、雷ちゃんにヘッドバンドや服を着せたり、モニターを追加して飾ったりなど、ウタハの性格からアプローチしたアイデアも面白いですね
    • ウタハは原画家の間でも、ミレニアムの愉快な出来事や日常に寄与している名助演キャラの一人として愛着があるキャラクターでした。この機会に、より美しく生まれ変わったウタハを先生方にご紹介できることを嬉しく思っています
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • 制作の過程で大変なことや苦労したことはありましたか?
  • キム・グクギ (9ml)
    • ウタハはメモリアルロビーやスキルカットインで苦労した部分がありました
    • メモリアルロビーは、エンジニア部らしくパネルを持ったロボットたちと一緒に応援中のウタハを描いています。ウタハは私の中では元気で爽やかなイメージがあるのですが、担当者の方(Paruruさん)がそういう表情をたくさん描いてくださっていたのでとても良かったと思います。ウタハならロマン実現のために、きっとロボットをたくさん作ったんだろうなと思いました
    • イラストでもロボットを惜しげもなく配置してくださいました。ロボットの数が多く、距離ごとに異なるエフェクトが適用されているため、データ最適化で少し苦戦したようです。でも、ウタハのロマンを実現させるために担当者の方が頑張って実装してくださいました
    • ここに出てくる応援ロボットの原画も持ってきました。
      • Utaha_Ouendan_Robot_Origin.jpg
    • このロボットたちは、スキルカットインでも素敵に登場します
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 戦闘においても、ウタハと雷ちゃんのカッコ良さと可愛らしさを表現するために、雷ちゃんの演出の仕方について多くの議論を重ねました
  • イム・ジョンギュD
    • 当初の企画では、通常ウタハと同じような演出、雷ちゃんが雷ちゃんに乗って戦うような演出、あるいは雷ちゃんがウタハを追いかけるような演出、このような3つの案を提案しました
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • その中で一番難しい3つ目の案をチーム内で強く主張し、今のウタハになりました。乗り回し方の痕跡は、勝利の演出に少し残っています
    • 応援団長という韓国ではあまり馴染みのないキャラクターを、様々な映像や資料を探し実際に演じながら作業してくださったおかげで、真面目だけど楽しいキャラクターとして演出ができたのではないでしょうか
  • イム・ジョンギュD
    • 普段のカットインではなかなか見られない圧倒的な数のロボットたちがこのように応援するところに、ちょっと感動がありましたね
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ロマンですね
  • キム・グクギ (9ml)
    • そうですね。ロマンがあります

ヒビキ(応援団)の設定とビジュアル Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 実はものすごい話題になった生徒です。私も応援したくなるような生徒ですね
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • プロフィールをご覧になった先生方はご存じだと思いますが、ヒビキの趣味はコスプレです。今回のイベントシナリオでは、長い間活かせなかったこの設定を活かしてみました。ただし、本人が一番望まない方向で
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • 本人が望まない方向に進めた理由は何でしょうか?
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 理由は簡単です。その方が一番可愛いからです
  • イム・ジョンギュD
    • 大事なことです
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ヒビキがあまりしない、恥ずかしそうな表情をたくさん誘発したかったのでそうしました。例えば、新しく服を作る時間がなかったので、昔作っておいた少し小さめの応援服を着てきたという設定をつけました。そういう設定でデザインを発注したところ、担当の方が設定と感性をうまく捉えてくれて本当に感心しました
  • キム・グクギ (9ml)
    • Hibiki_Ouendan.jpg
    • ポーズや表情が言われた通り、とても可愛く仕上がりました。衣装も未来的な雰囲気で、ミレニアムのコンセプトに合うようにチアリーダーにレーシング要素のディテールを加味してデザインしていただきました。他にも、チャンキーな(ボリュームのある)オーバーサイズシューズを合わせたり、武器ケースや飾りなどのカラーポイントをつけるなど、ヒビキ自らがデザインした衣装という設定を踏まえると、ヒビキは相当なレベルのスキルを持っているようです
    • ついでにヒビキの他の衣装も簡単に紹介しておきましょう
      • Hibiki_Clothes_01.jpg Hibiki_Clothes_02.jpg Hibiki_Clothes_03.jpg
    • ヒビキは基本的な服装もそうですが、PVで公開された私服などを通じてヒビキは自分だけのファッションの色を持っているキャラクターとしてしっかりと描写されているんだなと感じます
    • チアリーダーの衣装の小物のディテール画像も一部抜粋してみました
      • Hibiki_Ouendan_Props_01.jpg Hibiki_Ouendan_Props_02.jpg
    • 部分部分を拡大して見ると面白い部分がたくさんあります。担当者の方がデザイン段階から、ドローンや袖口のバングル、それと連動する手袋のデザインなど、細かい小道具のギミックまで具体的にデザインしてくれました。面白いアイデアがたくさん盛り込まれたデザインなので私を含め、他の原画家の方々もチアリーダーヒビキの制作過程を楽しみに見守っていたのを覚えています
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • ヒビキのもう一つの魅力は、このように自ら製作した発明品です。どれもこれも不思議な機能を持っていて事故を招きすごくネタになりやすいので、今後も発明品についていろいろとお話していきたいです
  • キム・グクギ (9ml)
    • ヒビキはシナリオ上でかなりたくさんのものを作っているのですが、その中で1つ選ぶとしたら、どの発明が一番好きですか?
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 私は今回登場した、強制的に締め切りを守らせるワードプロセッサを一度ぜひ使ってみたいです
  • キム・グクギ (9ml)
    • 原画向けの用途があればいいんですけどね
  • イム・ジョンギュD
    • メモリアルロビーの紹介もお願いします
  • キム・グクギ (9ml)
    • はい、ヒビキのメモリアルロビーは、夜勤をしている先生の元気を回復させるため、チアリーダーの衣装を着て来ている状況です。ヒビキの戸惑ったり、顔を赤くしたりする描写が、ロビーイラストでも特に可愛く描かれていると思います。背景のほうも、デザイン段階で細かく用意していたドローンを演出として使ったり、オフィスの環境を一人称視点で描くなど、構成面でかなり気を配っていただきました
  • イム・ジョンギュD
    • 実際にこのメモリアルロビーを夜勤の時につけている方も結構いらっしゃいました
    • モーションも多くの願望が入っていますね
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • そうですね、静かだけどチアリーダーという相反する要素に対する、担当者の方の溢れんばかりの願望が押し込まれています。毎瞬間、モーション鑑賞に飽きることのないキャラクターです。チアリーディングという要素以外にも、イズナの場合と同様にヒビキの耳と尻尾に注目して、しゃがむポーズをとってみました。恥ずかしがり屋ですが、先生が見てくれるからこそ頑張れるヒビキの耳と尻尾を可愛く表現していただけたと思います
  • イム・ジョンギュD
    • ヒビキは私たちのゲームで、初の迫撃砲ストライカーキャラクターとして制作依頼をさせていただきました。特に担当された方が迫撃砲兵出身ということで、ものすごいディテールが入りました
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 実は制作工数などの問題で迫撃砲を持って撃つという案もあったのですが、いつものように考証と社内のミリタリーオタクさんたちのチェックを経て、細部まで表現されました
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • ウタハと一緒に出てくるカフェモーションがあるじゃないですか。あの二人だけで、ただひたすら応援してるあれはどうやって作られたんでしょうか?
      • Utaha_Hibiki_Ouendan_Cafe.jpg
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 「本当の応援団なら団体であるべきではないか」というアニメチームのアイデアで、ウタハの情熱的なリズムと合わせて、ヒビキの恥ずかしがるような可愛いモーションが制作されました
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • 応援団のヒビキは、配布生徒とは思えないんです。すごく気合が入っていると思っています。実はストライカーとして登場するとは実は夢にも思わなかったんです
    • それで以前から感じていたのが、ブルーアーカイブで新規キャラクターが登場するたびに、これがガチャキャラなのか配布キャラなのかがよくわからないんですよね
  • キム・グクギ (9ml)
    • キャラクター制作の際、配布キャラや★数によって、ビジュアルに差をつけないように心がけています
    • 部門を問わず、キャラクター1人を制作する際に、その状況でこの子だったらどんな服を着ているのか、どんな行動をとるのかなどなど、先生方にブルーアーカイブのキャラクターをどれだけ魅力的に伝えられるかを最優先で考えています。考えたあとにコストについて心配する、という順番であることが我々にとっては珍しくありません。個人的にはこれがブルーアーカイブチームのメンバーが持っている一番大きなエネルギーであり、長所の一つではないかと思っています。

コトリ(応援団)の設定とビジュアル Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • そして今回イラストで一緒に登場するキャラクターとして、応援団のコトリがいます(訳注:本コメンタリー時点では未実装)
    • コトリもヒビキをベースに衣装がデザインされています。少し気を使ったのですが、活動性を考慮して今回はメガネを外した状態で描くことになりました。コトリらしく、説明が必要な場面では再び取り出して使うこともあるので、安心(?)していただいてよさそうです
    • 衣装デザインが、ユニフォームとしてもキャラクターのカラーやマーク使いの面でも完成度の高いデザインなので、先生方の2次創作でチアリーダー衣装の様々なキャラクターを見ることができたのも楽しかったです
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • 私は、コトリの少し折り畳まれたお腹にすごく親近感を感じるんです。すごくリアルというか、キャラクターに命が吹き込まれたような生き生きとした感じがします。このような美少女のお腹の肉を活用した経緯が私は気になります!
  • キム・グクギ (9ml)
    • コトリのお腹の脂肪は、担当者のキャラクターの解釈が反映されていると言えます。コトリの主な活動は、アクティブな活動というよりは、資料収集や開発や設計など長時間の座りっぱなしの場面が多いかと思います。つるつるしているというよりは、ある程度の肉付きがある方が自然だと解釈して表現されたそうです
    • お腹の肉などの要素は、一つのチャームポイントとして捉えられる時代になってきたので、個人的にも素晴らしい判断だと思います
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • とても自然なディテールだと思います。キャラクターの多くを説明してくれていると思います。いつか3Dでも確認したいですね

トラッククラッシャーの設定とビジュアル Edit Edit

  • キム・グクギ (9ml)
    • そういえば、実は生徒以外で一番印象に残っているのは、やはりクーゲルパンツァーですね。これはどのように構想されたんですか?
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • 先ほどお話した3rd PVの制作時に、担当の原画家さんと「キヴォトス特有の荒々しい雰囲気が出せるような状況ってなんだろう?」という話をいろいろとしたんです。普段はあまり驚かないキヴォトスの女子生徒がびっくりするような、大運動会でしか起こり得ない制御不能な状況は何があるのかという質問を受けました
    • そこで最初に出たのが、「インディ・ジョーンズに出てくる石の罠のように、ボール転がしに使われる大きなボールが暴走しながら生徒を追いかけてきたら怖くないか?」という話でした。しかし、「ただ大きなボールだとインパクトが足りないので、ミレニアム風に改造してみよう」となり、現実の球形軌道兵器を参考にしながらいろいろと提案させていただきました。そして、この後の発注を念頭に置いて、元々とは異なる様々な戦闘モーションや移動能力を搭載しました
    • 「いくらキヴォトスの女子生徒でも、この戦車がトラックを横切って追いかけてきたら怖くないか?」という結論に至り、次のようなイラストが完成することになりました
      • TrackCrasher_Scene_Mono.jpg TrackCrasher_Scene.jpg
    • その後、シナリオを書きながら、このボール戦車は案内ロボット・警備ロボットなどいろいろと用途が変わっていくのですが、最後についた名前がトラッククラッシャーです。なぜこのような名前がついたのかは、シナリオでご確認ください
  • キム・グクギ (9ml)
    • トラッククラッシャーが登場するPVのワンシーンでも、面白いところがたくさんあります。暴走するトラッククラッシャーや、その横に倒れている生徒。その最中に客席でバズーカを持って逮捕されるシロコ(注:上のイラストのセリカの左奥)などなど。隅々までたくさんの物語が詰まっています。イメージ要素ひとつひとつにストーリーを込めるのが好きな担当原画家と、そしてまた、コミュニケーションが好きなヒョンソクさんの相乗効果で、良いアイデアがたくさん表現されたと思います
    • 余談ですが、ジュンコとセリカのSDを持ち上げた時のバタバタする動きを、走る動きとして合成した2次創作があるんですが、その部分からアイディアを得てジュンコとセリカを前面に配置したのも面白い裏話の一つだと思います。ミレニアムの特異なタンクを暴走させるために、頻繁に事件を起こすことで有名なエンジニア部のコトリを登場させたのも緻密に考えられていると思います
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • そんな人選があったんですね。私は本当に知りませんでした。文章を書いていながら...
  • キム・グクギ (9ml)
    • そのシーンに登場するトラッククラッシャーの原画をご覧ください
      • TrackCrasher_Origin.jpg
    • 当初はボールタンクという仮称だったんです。企画室での活用先検討とスキル企画のプロセスを経てゲーム内登場が決定し、別の原画家の方がPVと依頼を元に素敵な図案を作成してくださいました
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • このように、いつも平和なキヴォトスの日常にリアリティを持たせる要素の一つがディテールです。今回の晄輪大祭の熱気を表現するために、様々なところでディテールを妥協することなく作業していただきました。ミレニアム主体のイベントだけに、それに相応しい様々な小道具、運動場、背景、観客、UIエフェクトが細かく作業されておりそんな臨場感を倍増させてくれています
    • また、準備したものが先生方にしっかり伝わるようにTAチーム(Technical Art チーム)やプログラム室も物心両面で活躍してくれました。精一杯準備しましたので、楽しんでいただければ幸いです

終わりに Edit Edit

  • イム・ジョンギュD
    • 最後にご挨拶をお願いします
  • Hwang Inchul グローバル版企画チーム長
    • またお会いすることができましたが、こうしてまたお別れすることになりました。これからもよろしくお願いします
  • Sung JiWon アート副ディレクター
    • 最善を尽くして準備しましたので、楽しんでいただければ幸いです
  • オ・ヒョンソク (POIst)
    • キヴォトス大運動会を準備する中でいろいろと思いついた開発秘話をこうして先生方にお話しすることができ、本当に光栄です。今後の晄輪大祭の本編も楽しみにしていてください
  • キム・グクギ (9ml)
    • 今日も先生方に開発秘話を説明する席に参加させていただきとても光栄でした。今回の晄輪大祭を含め、今後のブルーアーカイブも引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました
  • イム・ジョンギュD
    • それではここで今回のコーナーを締めくくりたいと思います。ありがとうございました

2023/03/29 [ビジュアル] ブルーアーカイブ キム・インAD、予定になかったヒフミ演説シーン、名シーンの誕生秘話とは?(GAMECHOSUN) Edit Edit

本記事は最終編に関するネタバレが含まれています。

韓国ゲームニュースサイトGAMECHOSUNが行ったhwansangことキム・インアートディレクターへのインタビュー。
掲載された時期は、日本版で最終編が完結したころで、グローバル版で「晄輪大祭」が行われているころ。

印象的なビジュアルや、デザインプロセスにおけるポイントについてが主な質問。
デザインプロセスについては、メモロビ・ロビーUI・キャラクター・衣装・表情・SDモデル・銃器アニメ・総力戦の背景・公式グッズなど、かなり広範囲について質問している。

以下、概要

本編 Edit Edit

自己紹介 Edit Edit

  • hwansang
    • Nexon Games MX Studio のキム・インです
    • プロジェクトが始まった2018年から現在まで、ブルーアーカイブのアートディレクターを務めています

アートディレクターとしての役割 Edit Edit

  • インタビュアー
    • アートディレクターとしてはどのような仕事をしているのでしょうか?
    • 前回の(Youtube公式での)公式インタビューでは、作業者の過剰な欲望を抑え良いものを精製する役目とおっしゃっていました
  • hwansang
    • 私はゲームテーマや世界観を伝えられる視覚的な方向性を提示し、美的クオリティを高めながら、ゲームデザインに適した方向に基準を定めて洗練する役割を担当しています
    • その過程で、さまざまな作業者のアイデアを受け入れつつ、予算やスケジュールを守りながら、統一性や一貫性を維持することを目指しています
      • 整理してみると、抑止力という表現も近いですが、調整者の方がしっくりくるかもしれませんね(笑)

キャラクター開発会議の進め方 Edit Edit

  • インタビュアー
  • hwansang
    • いつもそんな風景ではありませんが、かといって混沌が珍しいとは言えないです
    • 様々な意見がでるとアイデアが衝突して、どの意見に従うか決めるため議論が長くなることが多いです
    • そのような状況での私の役割は、ゲーム全体の視覚的な方向性・一貫性を保つ前提で、意見を整理して適切な方向性を見つけられるように調整することだと思っています

メモリアルロビーの開発で最も印象に残っているコンセプト Edit Edit

  • インタビュアー
    • 開発者の暴走の結果が、独創的なメモリアルロビーにつながっているのが印象的でした
    • アートディレクターとして、メモリアルロビーを開発した中で最も印象に残っているコンセプトを教えてください
  • hwansang
    • やはりシロコのメモリアルロビーですね
    • 初期プロトタイプを進める中で、戦闘パートは一気呵成に進みました
    • 一方で、日常パートはブルーアーカイブならではの「生徒との触れ合い」をどう視覚的に印象深く表現するかは大きな課題でした
    • その部分を一気に解決してくれたのが、メモリアルロビーの最初のイメージとして出てきたシロコのそれでした
    • 「学園美少女ゲーム」といえば思い浮かぶようなみずみずしい感性をうまく表現している一方で、その後のメモリアルロビーの基準点としての役割をうまく果たしてくれたと思います

ロビーUIのビジュアル的なポイント Edit Edit

  • hwansang
    • UIのビジュアルでお願いしたポイントは「清涼感・近未来・女子学生」の3つです
    • 初めてゲームを触ったときに青春学園物のさわやかさをUIでも感じてほしいと思いつつ、他のIPとのトーン&マナー的な差別化を図りたいとも考えました
    • また、学園というテーマを扱うとどうしてもノートやステッカーなどの実物をベースにするため、素材を洗練させるのが難しくなります。アロナに代表される近未来的なコンセプトを加えることで、それを中和したいと考えました
    • 今後については、最終編のメインストーリーUIのようにシナリオ展開に沿ったビジュアルを提供できるように努力していますので、引き続きご期待頂ければと思います

キャラクター制作プロセス Edit Edit

  • hwansang
    • まず、初期企画段階です
      • シナリオチームから背景ストーリーとコンセプトを提案してもらいます
      • このとき、企画(ゲームデザイン)チームとも相談し、戦闘やスキルなどの機能を考慮することもあります
    • 第二に、デザイン段階です
      • ビジュアルをデザインします
      • この段階では、担当原画家とシナリオライターのやりとりで、初期設定とは全く異なるキャラクターになることもあります
      • デザインにおいては、外見だけでどのようなストーリーを持つのか推測できたり、疑問を抱かせたりできるよう気を配っています
    • 3つ目は、制作段階です
      • イラストやメモリアルロビーなどの2D関連リソースを仕上げます
      • また、モデリング・アニメーション・エフェクト制作などの作業を行い、3D制作をします
      • この段階で、キャラクターの振る舞い方・動き・表情など、各作業者の解釈を加えながら具体化します
    • 第四に、テスト段階です
      • 作成されたキャラクターをテストし、ビジュアル的にも機能的にもバランスの取れたものになるように調整し、磨きをかけま
    • もちろん全てのキャラクターがこのような正規のプロセスを経たわけではありません
    • 以上のような細かな工程で各担当者が愛情をもって制作してくれているので、ブルーアーカイブならではの魅力的なキャラクターが生まれているのではないかと思います

作業時間が一番長かった/短かったキャラクター Edit Edit

  • hwansang
    • 悩みが多かった分、作業時間が一番長かったのもアロナでした
      • ゲーム全体のトーン&マナーを代表するキャラクターなので、造形に最も力を入れ、デザインが終わった後も演出・素材提供の面で膨大な量を費やしました
    • 逆に一番短かったのは意外にもシロコでした
      • 企画上、武器が狙撃銃からライフルに変更されたこと以外、全体のデザインが一発で進みました
      • 今のシロコが持つ重要度を考えると不思議な感じです

一番印象に残るユーザーからのキャラクターデザインへの反応 Edit Edit

  • hwansang
    • ユウカの太ももが意外にもずっと注目され、話題になっているところが印象的です
    • デザイン当時は意識していなかった部分でした
    • ユーザーテスト後の反応でモデリング改善のサンプルキャラクターとして使用され*29、ここまで特徴として定着すると思いませんでした
    • このようなイメージ変化の予測不可能性がキャラクターゲームの醍醐味だと思います(笑)

個人的なキャラクターの好みについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • 好みについてお聞きします
    • 3Dゲームの女性キャラクターを作るとき、体型のスライダーを左に動かしますか?それとも右に動かしますか?(訳注:体型をスレンダーにするかグラマーにするかを聞いている)
    • 制服・セーラー服・メイド服・伝統服など好きな服のデザインはなんですか?
  • hwansang
    • スライダーについては、極端でなければたいていは受け入れられる方だと思います
    • 好きな服は、あえて選ぶとしたらブルーアーカイブでも中心となっている制服を挙げたいです
    • セーラー服もブレザーもどちらも好きです

衣装デザインで重要視している点 Edit Edit

  • インタビュアー
  • hwansang
    • ハルカはかわいいですよね。私も好きです
    • 衣装デザインに関して、便利屋を担当したDoReMiさんの言葉を借りてコメントすると、基本的に本人がその服を選んだときの状況や物語が自然に頭に浮かぶようなイメージになるように気を付けています
    • 結果的に「ナラティブが一番大事」ということになりますね。内包している文脈やストーリーをいかに自然で魅力的に表現しているかが、キャラクターを表現するうえで最も重要な要素だと思います

ユスティナ聖徒会の衣装デザインについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • ユスティナ聖徒会の礼装は、ラグナロクオンラインの女プリーストのサイドスリット・ガーターベルト*30以来の新鮮な衝撃を受けました
    • どのようにデザインされたのでしょうか?
  • hwansang
    • ヤン・ジュヨンディレクターがコンセプト提案をしてくれたときにアイデアを出してくれて、Mx2Jさんがアイデアをもとにデザインを具体化してくれました
    • 特に最終編は4th PVを皮切りにみんなのオタクパワーが化学反応を起こして爆発したと思います
    • ミリタリーと修道女という素材があるのは、オタクならたまらないですよね

表情の描き方で大切にしていること Edit Edit

  • hwansang
    • 表情はキャラクターの意外な一面を見せることができる一方、キャラクター性を最大化できるポイントなので、2D・3Dを問わず内部の作業者のみなさんが気を付けています。その努力がブルーアーカイブの個性的なアートに現れていると思います
    • ただし、作業者間の解釈の違いでキャラクター性が崩れてしまうことには注意が必要です
    • デリケートな部分なので、シナリオチームと相談してキャラクターがしてよい表情の範囲であることを確認しつつ、常に磨きをかけています
    • (インタビュアーが言ったような)アツコの健気な笑顔も、いつかシナリオチームから許可されれば見ることができるのではないでしょうか

シロコ*テラーのデザインについて Edit Edit

  • インタビュアー
    • クロコのデザインは、シロコの成長した姿を想定したのですか?それともifの姿を想定したのですか?
  • hwansang
    • シナリオ上、複雑な物語を持っているので、どちらを想定してデザインしたと一概に言うのは難しいです
    • またまだ物語が残っているキャラクターなので、いまはユーザーさんそれぞれの解釈に任せたいと思います

イラストレーターの個性とキャラクターの統一感のバランスの取り方 Edit Edit

  • hwansang
    • プロジェクト当初の設計段階から、画風を統一する領域を指定する一方で、作家の個性を表現できる領域を設けて個人の作画を表現できるようにしたいと考えていました
    • どちらを基準にバランスを取るかの悩みに一番大きな助けとなったのは、1st/2ndなどのナンバリングPVの作画ですね。2019年ごろのPV制作の中で作画スタイルを構築・整備し、そのあとはそれを軸に自然と作画バランスを整えるようになりました
      • ナンバリングPVごとに作画を監修してくださったDoReMiさんに大変お世話になっており、この場を借りてお礼を申し上げます
    • 作者の個性を尊重する領域の画風と、PVに代表される公式の画風の間で、ユーザーの皆さんが二次創作などで解釈を加えていただき「この領域までがブルーアーカイブの画風だ」という共通の認識が自然に整理されているようで、見ている側としては不思議でありいつも感謝しています
    • だからといって、今、正解を決めてしまうわけではなく、常にバランスを考えています。このバランスの悩みは現在進行形の宿題であり、正解を探すより変化する時代に合わせて柔軟に対応していきたいと思っています

SDサイズの3Dモデル採用理由とデザインのポイント Edit Edit

  • hwansang
    • 3DキャラクターがSDで表現されることは、プロジェクト当初から前提としていました
    • 等身大に比べて生産性が高いのはもちろん、企画として全体の戦闘状況が一目でわかる必要がある一方、キャラクターの魅力もよく見えるようにする必要があったため、選択した判断だと把握しています
    • 2Dデザインから省略できる部分は省略してSDならではの可愛らしさを活かしつつ、表情描写の多様性やアニメーション的な躍動感を持たせることで、ブルーアーカイブならではのSDビジュアルを確立したいと考えていました
    • 現時点ではSDキャラクターを活用した二次創作やグッズが活発に展開されるなど、SDならではの魅力を活かすことにこだわった部分がユーザーの皆さんに受け入れられたのではないかと思います

戦闘での銃器アニメーションの制作プロセス Edit Edit

  • hwansang
    • 企画でいただいた細かいリファレンスをもとに、担当したアニメーターがそれぞれミリタリーオタクとしての魂を吹き込んでくれています。結果として(良い)化学反応が起きたと思います
    • 実際のリファレンスとなる銃器の仕組みに基づいた装填方法や、銃器の反動、発射速度などをできる限り適用し、キャラクターの性格に合わせて洗練して解釈してくれるところは、いつも感心しながら見ています

総力戦の背景について Edit Edit

  • インタビュアー
    • 総力戦の背景はキャラクターの動線によっても変わってくるので実装に手間がかかったと思います
    • もっとも愛着のある総力戦の背景アートはなんでしょうか?
  • hwansang
    • 最初の総力戦のコンセプトであるビナーが挙げられます
    • 最初のレイドコンセプトでありながら、移動することで背景が変化する仕様を持つ一方、ブルーアーカイブのレイドビジュアルの基準を示す必要がありました
    • 最終的に現在のビジュアルに落ち着くまで何度も試行錯誤しました
      • 当時苦労された関係者の方々に感謝します。その苦労があったからこそ、現在のブルーアーカイブの素晴らしい背景クオリティがあると思います
    • 特に最終編の背景は、その数年間の集大成だと思っています。ぜひ注目していただければと思います

最終編ネタバレ

ヒフミの演説シーンでアート的にこだわった点 Edit Edit

  • hwansang
    • スケジュール上、本来はカットインが入る予定はありませんでした
    • しかし、ヤン・ジュヨンシナリオディレクターから仕上げ中に脚本を見せられたのを読んで「これはやらなければならない」と思って進めました
      • 締め切りが迫っていたため、予定になかった仕事で背景・キャラクターの関係者にご迷惑をおかけして申し訳なく、感謝するばかりです
    • 劇的なシーンであると同時に、ブルーアーカイブのテーマを表現しなくてはならないシーンでした
    • 演出で気を付けた点は、カメラを固定して暗い環境と青空のコントラストを重視し、ヒフミが普段見せないような決意に満ちた表情のクローズアップでカタルシスを与えるように誘導しました
    • 結果的に、エデン条約で皆さんの思い出に残るシーンになっているようで、良かったと思います

4th PVと最終編の制作で一番印象的だったこと Edit Edit

  • hwansang
    • 4th PVや最終編は、これを「やろう」と決めた瞬間が一番大変でした
    • 3rd PVを終えた直後で疲れていましたしゲーム内外的にも大変な時期に、「最終編」という重いタイトルを背負って、学園の日常物とは正反対のエピックな内容を見せなければならないと自分自身を説得するのはもちろん、一緒にやる仲間を説得して1年以上走るという決断自体が重かったです
    • しかし、それでも「やろう」と決断できたのは、ヤン・ジュヨンシナリオディレクターが早くから最終編のビジョンを話してくれて、関連する素材を用意してくれたからだと思います
      • 特に2021年初めにいきなり「RE Aoharu」のデモ曲を聴かせてくれて、聴いた瞬間に「これはやるしかない」と思うほど良い曲でした
      • ストーリーの説明と一緒に初めて聴いたときの気持ちをユーザーに伝えたいという気持ちで、長期間疲れることなく最終編と4th PVを進めることができたと思います
    • とんでもないスケジュールにもかかわらず、PVや最終編に関わった作業者の皆様にこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います

公式グッズの検品でやること Edit Edit

  • hwansang
    • 一番にヘイローが入っているかを見ますね(笑)
    • あとは、キャラクターのデザインと違うところはないか、正確に反する行動やポーズをしていないかを中心に見ています

ユーザーの二次創作で印象に残っているもの Edit Edit

  • hwansang
    • ファンアートやフィギュア、映像などひとつひとつに愛情が込められていることに感心して見ています
    • 特にブルーアーカイブの様々なBGMをカバーしてくださった楽曲をよく聴いています。長期間の作業時に役立っているので、感謝します

最後にファンの皆様に一言 Edit Edit

  • hwansang
    • これまでずっとブルーアーカイブを応援してくださって、愛情を持って見守ってくださって本当にありがとうございます
    • おかげさまでここまでブレずに続けてこられたと思います。これからもよろしくお願いします

2023/02/16 [音楽] ネクソン「ブルーアーカイブ」作曲家3人組とヤン・ジュヨン監督に会う(GameFocus) Edit Edit

音楽プロデューサーとしてのisakusanと、メイン作曲家Mitsukiyo・KARUT・Norの3名へのインタビュー記事。
韓国ゲームニュースサイトGameFocusに掲載されたもの。
以下は要約(元記事がかなり長いため要約でも長い)。

ネクソン「ブルーアーカイブ」作曲家3人組とヤン・ジュヨン監督に会う - #1 Edit Edit

作曲家たちの紹介、「ブルーアーカイブ」への合流過程、isakusanが語る音楽の重要性、作曲家たちの仕事のプロセスについて。

前置き Edit Edit

  • ブルーアーカイブとその音楽の概略説明
  • Mitsukiyo・KARUT・Nor 3名の簡単な自己紹介

音楽ディレクター(Mitsukiyo氏)の仕事内容 Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 楽曲制作、音楽に関する全般的なコミュニケーション、BGM発注書の作成、制作された音源に対するフィードバックなどの業務を担当
    • isakusanがBGMの活用・構成の大枠を描き、自分はそこにどのような色を塗るかを決めて仕上げる人というイメージ

音楽プロデューサー(isakusan)の仕事内容 Edit Edit

  • isakusan
    • ゲーム全体のBGMの活用・構成の全体像を描いている
    • なお、前作「魔法図書館キュラレ」でも音楽プロデューサーを務めていた

作曲家3人の合流過程 Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 2019年5月にメール連絡を受けポートフォリオ提出・開発チームでの検討を経て参加
    • その後、音楽ディレクターとしてもオファーを受け承諾
    • 当時エレクトロニックミュージックを作った経験があまりなく、長期間悩んで人生初めてのフューチャーベースとしてタイトル曲「Constant Moderato」を制作した
  • KARUT
    • 軍隊を除隊してすぐのころ近所の大型スーパーでバイトをしていた最中に、本作のBGM作成依頼をいただいた
    • 音楽をやめようか個人的に悩んでいた時期だったが、「まだ音楽を諦めてはいけないな」とバイトをやめて制作に参加した
  • Nor
    • ずっと日本語で仕事をしていたが韓国語のメールがきてびっくりした
    • 「Project MX」に自身の清涼感のある電子音楽(フューチャーベース)が合いそうだとのメールだった
    • ミーティングでキムヨンハ統括PD・isakusanが自分の作品をよく知っており驚いた
    • Project MX チームの作品に対する関心と情熱に共感して参加を決めた

「ブルーアーカイブ」のストーリーと演出、そして音楽との調和について Edit Edit

  • isakusan
    • 素晴らしいストーリーは、素晴らしいビジュアルを素晴らしい音楽で演出したものをユーザーが体験することで完成する
    • 清涼感と透明感のあるアートビジュアルに相応しい、明るく陽気な学園青春の物語を描きたいと思っていた。フューチャーベースというジャンルは、その意図に合っていたように思う
    • 一番大事にしているのは、各コンポーザーの皆さんの実力を尊重し、そしてMitsukiyoさんのディレクションを信じて任せること
    • 僕がやるべきことは、作曲家さんたちがゲームの目指す方向性や目標点などを的確にキャッチできるようにすること。「(オタクなら)私の言っていることがよくわかるだろう」という信頼関係が最初からあったのでこの点はあまり心配していなかった。

ゲームの音楽を外部の作曲家に任せることついて Edit Edit

  • isakusan
    • 外部に任せる選択をした理由は、キムヨンハ統括PDが決めた Kawaii Base、フューチャーベースといったジャンルの専門家が限られていたため
    • 外部の作曲家に任せる強みは、韓国国内だけではうまくできないこともできるようになること。既存の市場にない音楽を狙うなら、このような形を積極的に検討するのが良いと思う。

音楽の発注と制作プロセス Edit Edit

  • isakusan
    • まず大まかなイメージ・意図を書いたラフな仕様書をMitsukiyoさんに共有する。Mitsukiyoさんが具体的な発注依頼をする。
  • Mitsukiyo
    • isakusanからもらった仕様書にジャンル・キーワードを決めて具体的な発注書にし、作曲家が受け取って制作する
      • 例えば「明るいストーリーだけどギャグ的な感じ、ただしエンディングは悲しい、背景は青空の広がる学校」という仕様書が届いたとする
      • 明るいストーリーに似合う音楽は、主にMajor調の曲調を持つジャンルになる
      • さらに、全音階ベースの「Whole Tone Scale」もしくは「Lydian Dominant Scale」を使用すると「ウッタンタン」とコミカルな雰囲気のメロディーを作りやすくなる
      • 青空が広がる「学校」というキーワードは、学校の鐘の音や着信音を活用すればいいというアイデアが浮かぶかもしれない
      • 青い空なら、明るい感じのPADサウンド・弾けるようなピアノやシンセアルペジオサウンドなどの「Bright」系に近いサウンドが似合いそう
      • このように、状況や雰囲気に合ったイメージを思い浮かべ、キーワードに内容をまとめて発注書に書き作曲家の方に発注する
  • Nor
    • 発注書に書かれた新コンテンツに興奮して、発注内容をちゃんと読まずに書いて送ったことも何回かある。それでも雰囲気が合えば積極的にアイデアを採用してもらえるので、毎回発注書が届くのが楽しみ
  • KARUT
    • 資料を確認して雰囲気を把握し、自身の経験やアイデアをまとめて作業する。不足があれば追加で映画やアニメの音楽も確認する。
    • 送られてきたイメージ・ビジュアルが曲の雰囲気と合うか確認しながら作業している

ネクソン「ブルーアーカイブ」作曲家3人組とヤン・ジュヨン監督に会う - #2 Edit Edit

楽曲の制作で重視している点や、いろんな曲でのその例と裏話について。

楽曲制作で重視した点と例 Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 発注時に設定した「キーワード」から外れないこと重視している
    • 曲の中で起承転結・ストーリーを表現するのが好き
    • やったことのない事が好きで、いろんなジャンル的要素を混ぜる挑戦をする
    • (例1)DIVE INTO SUMMER(イベント「アビドスリゾート復旧対策委員会」の曲)
      • フューチャーベースとガラージハウスをミックス
      • 「夏」というキーワードから使う音を選んだ。夏のリゾートのわくわくした雰囲気を出すため、リズムを細かく割ることで速くないBPMでもにぎやかさを出している。
      • 曲のストーリー表現として、後半では「旅が終わるのが惜しい」というキーワードで雰囲気を一気にダウンさせ、その後は直後の夏のイベント(「出張!百夜堂海の家FC計画」)への期待感を表現するため雰囲気を盛り上げている。
    • (例2)Dolce Biblioteca(イベント「どたばたシスターと古書館の魔術師」の曲)
      • キーワードとして「修道女」「古書館」「魔術師」を考えた。しかし、それでは表現として「ハリーポッター」のような宗教音楽・ファンタジー音楽しか思いつかず、本作に合うかわいい雰囲気にならなかった
      • そこで、サブキーワードとして「修道女」から「神聖で安らぎのあるサウンド」「空間系のベルのサウンド」を考え、安らぎを表現するためメロディラインがあまり動かない曲に落とし込んだ。
    • (例3)Cotton Candy Island
      • 発注書にミユのメモリアルロビーのイメージが添付されていた
      • キーワードとして「自然」「安らぎ」「かわいらしさ」「温かさ」「退屈」を考えた
  • Nor
    • 面白い音楽を作ることにフォーカスしている気がする
    • (例4)Fearful Utopia(シロ&クロの曲)
      • 「廃墟の遊園地」というテーマを見て「不気味さを出せるハープシコードの6/8拍子のワルツから、いきなり電子音楽になったら面白くて新鮮だろう!」と考えた
      • ただ、そのあとの実現には苦労して1か月悩んで完成させた。創作に苦しみはつきものだが、達成感も大きい。
  • KARUT
    • 総力戦のBGMの場合、まず「ビジュアルにBGMが合っているか」「ボスの設定をどう表現したいのか」を一番大切にしている
    • (例5)Kaiten Screw!!!(KAITEN FX Mk.0 後半の曲)
      • ボスのビジュアルから昭和・平成初期の戦隊モノを参考にすべきと強く考えた
      • このため、現代的なシンセサイザーの音ではなく少し昔の音源を使って、少しレトロでユーモラスな雰囲気を含めるようにした
    • (例6)Oxygen Destroyer(ペロロジラの曲)
      • ビジュアル面から「ゴジラ」のパロディという設定を積極的に活用している
      • 巨大怪獣の大きくて重いイメージを表現できるオーケストラのブラス音・重低音、危機的状況を表すBPM170を超えるテンポと警報音・サイレン音を使用した
      • また、「ゴジラ」の鳴き声が革の手袋で弦をこすって作ったという話から、自分も警報サイレン音と象の鳴き声を混ぜて様々なオーディオエフェクトを試みた

Unwelcome School について Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 特定のキャラクターを意識せずに制作した楽曲
    • この曲の目的は「スピード感が必要な場面で使えるBGM」であり、副次的なキーワードは「悪行」「ギャグ」「暴れ」「悪役の登場」「めちゃくちゃな感じ」
      • 「悪役の悪行」のキーワードは、MajorよりもMinorの曲調を活用した
      • 「ギャグ」のキーワードは、半音階スケールを積極的に活用し、奇抜で遊び心のある雰囲気を表現したいと思った
      • 「めちゃくちゃ」「厄介な悪役たち」というキーワードは、絶え間ないビート感をベースに多くの楽器を入れ、メロディを速く進行させることで気が遠くなるような意図で制作した
    • ミーム化・高い人気は全く予想していなかったが、たくさん聴かれて様々な二次創作がされて感謝している。アレンジの追加も考えます!
  • isakusan
    • Unwelcome School」のもう一つのアレンジバージョンは準備しているものがあるのでそちらもお待ちいただければと思います!(※記事が出たのは2023年2月16日)

Hifumi Daisuki の曲名について Edit Edit

  • isakusan
    • 曲名は基本的に作曲家が決めている
  • Mitsukiyo
    • ヒフミ専用テーマになったのは、私がこの曲をヒフミのメモリアルロビーに使ってほしいと思い曲名を付けてしまったから(笑)。発注書でメモリアルロビーのヒフミを見てその瞬間に感じた気持ちを曲名にした(笑)
    • このような不思議な曲名をつけたきっかけはもうひとつあり「魔法図書館キュラレ」に「A Doom and Dark」という曲があった
  • isakusan
    • 'TAK'*31さんが作曲された曲で、当時の'闇の闇'のようなインターネットのミームを積極的に反映した曲名
  • Mitsukiyo
    • Honey jam」や「Koi is Love」などの曲名も同じような理由でつけたもの。最近はこういうアイデアがなかなか浮かばないので、最近の曲名はかなり平凡なものになっている

Connected Sky(生徒募集の曲)に使われているレジの音について Edit Edit

  • KARUT
    • 生徒募集のBGMだということを知らずに制作した。なので、心理効果を狙うとかそういう意図は全くない(笑)。*32
    • 僕は主にフューチャーベースというジャンルを制作するときに、ドラムの音にいろいろな日常の物音を混ぜるという作法がすごく好きで、レジの音を入れた
    • 結論は「ただ音がきれいだから」使った

RE Aoharu(4th PV の曲)について Edit Edit

  • isakusan
    • この曲は最初から「Aoharu」がプロローグに使われていた曲なので、これをアレンジしてエンディングに使うという"首尾相関"を意図して制作した(私も含め、オタクはこういうことに弱い!)
    • 最終編のストーリーは、実は私が初めて世界観を構築したときから具体的なストーリーが完成していたので、比較的早く最終編のテーマ曲を確保できた
    • 方向性だけ決めて、具体的なアレンジの形はミツキヨさんとNorさんに全面的に任せた。だからか、すごくいい曲ができたと思う。初めて聴いたとき、この曲を早くみんなに聴かせたかったくらい
    • キム・インADもこの曲を聴いて、すぐに4th PVの構成のイメージが浮かんだと言っていたのを覚えている
    • RE Aoharu」を発注したのが2021年2月1日なので、発注から2年近く経ってから公開することに
  • Nor
    • Sakura Punch」を作っていた時期だったと思う。「1章のエンディングに使うのか」と思っていたが、最終章で素敵に登場して本当に驚いた。

ネクソン「ブルーアーカイブ」作曲家3人組とヤン・ジュヨン監督に会う - #3 Edit Edit

3つの中で最も長い記事。

「音楽が良いゲーム」という評価について、ゲーム作曲家志望の方へのアドバイス、好きな曲(ゲーム内外)、ゲーム音楽自体への関心の高まりについて、韓国でのOSTの反響について、音楽イベント「サウンドアーカイブ」について、最後に一言。

「音楽が良いゲーム」と評価されている理由について Edit Edit

  • isakusan
    • 何よりも重要なのは、音楽がゲームの重要な要素であることを認めサポートしてくれる会社の理解
    • サブカルチャーゲームの核心としてロマン(非効率)にリソースを投資する勇気が必要だが、これは会社の立場からすると想像以上に難しい
    • キムヨンハ統括PDと一緒にゲーム作る中で、多くの配慮を受けた
      • 例えば、最終編では一度しか使われない専用BGMと専用演出を大量に入れた
  • Mitsukiyo
    • 「いいコンテンツにいい音楽があったから」なのかな
    • 「青春を感じる音楽」と「青春を感じるゲーム」が相乗効果を発揮しているように思う
    • すべての音楽は「音楽だけを聴く」よりも、その背景や世界観に支えられていることで感じられるものが違う
  • KARUT
    • 他のゲームであまりメインで使われていなかった、日本のサブカルチャー的な音楽やインターネット音楽を積極的に活用したことが大きかったと思う
    • 単にBGMが雰囲気だけを表現するのではなく、より各アーティストの個性を生かして比較的に自由にBGMが作られていることもプラスに働いたのでは
  • Nor
    • まず、isakusanの世界観・ストーリーに対する面白くて新鮮な指示があったことが大きい
    • KARUTさん・Mitsukiyoさんの2人が長い付き合いで、お互いの音楽を理解し尊重しあう3人で作業していることも一役買っていると思う

これからゲーム音楽を作りたいと志望する方向けのアドバイス Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 音楽をたくさん聴いて分析してコピーをたくさんしてみることがお勧め
      • 私の場合、作曲を始めたきっかけは「ゲーム音楽が好きだから」「ゲーム音楽を作ってみたいから」で、自然と作曲の初期は既存のゲーム音楽のアレンジをたくさんやっていた
      • 最近はインターネットで検索するだけで良い内容や資料がたくさんある。詳細な多くの資料を探したい方は韓国語より英語で検索することをお勧め
    • 和声学について
      • 学んだほうがいいが、自分が必要だと思ったときに学んでも遅くはない
      • 和声学(理論)は初めての人にとって曲を書くために必要な学問ではなく、曲を解釈するために必要な学問だと考える
      • 曲を解釈できるようになると、好きなポイントを組み合わせたり、別の方法で応用して表現する能力が身につく
      • その能力を身につけるためには、たくさんのディグとコピーが必要
      • まずは、うまく組み合わされた曲を分析してみることから始めると良い
    • DAW(Digital Audio Workstation)について
      • 私はCubase 12 Proを使っている
      • Cubaseが自分に合ったプログラムなので、長い間使っているうちに慣れ親しんで使い続けている
      • DAWごとに長所と短所がある
      • EDMとリズムゲーム中心の曲が好きならFL StudioとAbleton liveがおすすめ
      • レコーディング・ミキシング・編集をメインにするならCubaseとStudio Oneがおすすめ
      • さらにミキシングに重点を置きたいならStudio One、作曲に重点を置きたいならCubaseをおすすめ
  • KARUT
    • まず、音楽に限らず創作においては「自分が今一番好きなものが何なのか(音楽以外にゲームやアニメなど他に好きなものがあるとしたら何なのか)」を自分で把握すること、さらに「好きな要素が何なのか」「自分がなぜこれが好きなのか」を把握することが大事
      • そういうものが集まって混ざり合って、だんだん自分のアーティスト的なキャラクターや音楽的な色がはっきりしてきて、やりたいことの目標ができ、モチベーションにつながると思う
    • 様々なジャンルの音楽をジャンルを問わず聴き、研究し、分析し、練習することがとても大切
      • ゲームの様々な状況や雰囲気を表現する上で、音楽的表現方法を知っておくことでそれぞれの状況に応じた対応や表現が可能になる
      • ゲーム音楽の作曲のコツとして、いろいろなゲームを自分でプレイして、プレイ中に良かった曲を見つけながら分析するのが一番いいと思う。実際にゲームをプレイしながらBGMから感じることと、ストリーミングやOSTで聴くだけで感じることには確実に違いがある
  • Nor
    • できるだけ多くの音楽を聴いてデータベースを増やし、実際に曲をたくさん書いてみること
    • 楽しく作業することが一番大事。 自分の曲を自分が嫌がったり楽しめなかったりすると、他の人が聴いたときにも同じような印象を受ける

「ブルーアーカイブ」で一番好きな曲について Edit Edit

  • isakusan
    • すべての曲が好きだが、中でも「Aoharu」が一番好き
    • 曲を聴いた瞬間にプロローグに使わなければならないと思ったほどで、今でも仕事のたびに繰り返し聴いている
    • 未発表の曲の中でも好きな曲があるが、これは今後に機会があればお話しできたら
  • Mitsukiyo
    • やっぱり「Constant Moderato」かな
    • 初めてのフューチャーベース・初めての「ブルーアーカイブ」曲など「初めて」がたくさん入っている曲で、全曲を通して一番制作に時間がかかった曲でもある
    • 悩みも多く、初めて作るジャンルに壁を感じて挫折もたくさんした
    • アレンジバージョンを「サウンドアーカイブ」で演奏し、メインストーリーの重要なシーンでも使われ、今の私を作るきっかけとなった初めての曲なので、個人的に愛着がある
  • KARUT
    • 好きな曲を1つに絞るのは難しいが、一番楽しかった「Denshi Toujou!」が一番記憶に残っている
      • 一人で「仮面ライダークウガ」を観終わって余韻に浸っていたところ、Mitsukiyoさんから「もしかして戦隊モノ好きですか」というメッセージをもらった。そのとき「もしかして」と思ったのですが、やはり戦隊モノコンセプトのBGM制作依頼だった。
      • 「特撮」はそれなりにファンなので、個人的な欲望をいっぱい詰め込んで作りたかった。そこでYouTubeで歴代の「スーパー戦隊」のオープニングを探し、全部聴いた。
      • 結果、86年度~04年度の間に出た戦隊物の音楽が一番印象が強かったので、そのサウンドを積極的に使うことにした
      • 80年代の日本独特のブラス音・熱血のイメージ・そして華やかなアレンジを表現するのは、初めて戦隊物の音楽を作った当時は難しかったが最大限表現しようとした
      • 「カイテンジャー!」と叫ぶボイスは当初はなかったが、Mitsukiyoさんや開発チームの方々から追加しようという意見があり、私が自分で別途録音とエフェクトを行いとても良い感じになった
    • 曲名の「Denshi Toujou!」は、実は「Senshi Toujou!」の誤表記で、当時は周りで誰も気づかなかった
      • isakusan:私も知らなかったです!
      • 結果的に曲名は「Denshi Toujou!」になったが、インターネット検索すると私の曲が一番最初に出てくるのでそれなりにいいかなと思っている(笑)
  • Nor
    • どれも好きな曲だが、やはり僕もisakusanと同じように「Aoharu
    • 実は学生時代、友達と外に出て遊ぶことが少ない「インドア派」の学生だったので、ほとんど「ジャパニメーション」だけで学んだ青春というか(笑)、そういうところが相性が良かったのかも

「ブルーアーカイブ」以外で特に思い入れのある曲について Edit Edit

  • Mitsukiyo
    • 自分が創作するすべての音楽に愛着があるが、2つ選ぶとしたら「狐が僕を待っている」OSTと「ユメの喫茶店*33という個人アルバム
    • 私の好きなテーマであるファンタジー・オリエンタル・ジャズ・カフェなど、あらゆるものを表現した音楽なのでとても思い出深い作品
  • KARUT
    • 2021年9月頃にリリースした「Assault Gear」という曲
    • 現在、音楽制作に使っているDAWは「Ableton live11」だが、この曲は9年近く使っていた「FL Studio」で最後に個人リリース用に完成させた曲
    • 「自分ができる限りの技巧を駆使して「テクニカル」かつ「スキルフル」な1曲を完成させよう!」という趣旨で制作した
      • 曲を作っている時に好きで研究していた様々なジャンルの音楽を1曲に詰め込んだ、個人的な欲望が詰まった曲なので、より愛着がある
      • 全体的な曲のジャンルを同人音楽やリズムゲームで表記される日本的なHi-Tech Tranceとし、細部にはHard Technoの雰囲気、Tech Danceのリズム、ComplextroのようなDropパートを加えた
    • また、当時のケイブ社の「怒首領蜂大復活」を熱心にプレイしてインスパイアされ、シューティングゲームのようなパートも追加した
  • Nor
    • 私は愛着のある曲というより「ブルーアーカイブ」というゲーム自体に愛着を持っているような気がする
    • 作曲家としてだんだん落ちていた音楽に対するモチベーションを、「ブルーアーカイブ」ユーザーのみなさんのたくさんの関心のおかげで取り戻すことができた*34
    • 普段なら個人曲に注ぐ力を失ってしまうが、最近は曲を作るのが楽しく自信も回復して個人活動も頑張っている

ゲーム音楽への関心・注目度の高まりについて Edit Edit

  • インビュアー
    • ここ数年、オーケストラ公演やOST需要が増えるなど、ゲーム音楽への関心が高まっているように感じる
  • Mitsukiyo
    • とてもポジティブな変化だと思っている
    • eスポーツの発展やストリーミングの活性化などで、ゲームを直接プレイしなくても楽しむ需要層もすごく増えている。そのためか、自然とゲーム音楽やストーリーなどの要素に興味を持つ人が増えているように思う。
    • 今後も関心は高まっていくだろうし、音楽を多くの人に聴かせる機会が増えるといい
    • 僕も多くの人の記憶に残るような音楽を作りたい
  • KARUT
    • 一つ確かなのは、最近ゲームがより身近になり、また、より大衆性や規模が大きくなっている
    • その中で、OSTや音楽が単にゲームを彩る要素としてではなく「そのゲームをプレイした思い出を思い出させる媒体」としての役割をしっかり果たしている
    • 少し大げさな言い方をすれば「ゲームのOSTがゲームを象徴するものに発展した」と思っているので、今まで以上にゲームのOSTが重要になっていくと考えている
    • 私たち作曲家にとってはとても良い機会でもあり、様々な媒体でプレイヤーの皆さんとコミュニケーションが取れるようになるきっかけにもなる
  • Nor
    • 今のようにユーザーがゲーム音楽に多くの愛と関心を寄せてくれると、当然、ゲーム音楽の市場や規模はもっと大きくなると思う
    • もちろん、音楽のクオリティも高くなり、新しいアーティストと新鮮な音楽やパフォーマンスもどんどん増えていくと思う

最近韓国で発売されたOSTの反響について Edit Edit

  • isakusan
    • 「魔法図書館キュラレ」に続いて2つ目のゲームOSTを出すことができて私自身も感慨深い
    • 予想以上に好評で、やっている間ずっと楽しかった
    • これからもゲーム開発をしながらOSTを出せたらいいなと思っている
  • Mitsukiyo
    • MX Studio 内では、私たちの音楽を本当に気に入っていただき応援してくださっていることにいつも感謝している
    • OSTが販売サイトでカテゴリーランキング1位を長く維持しており、ゲーム音楽のOSTではあまりないことなのでとても驚いた
    • 私たち作曲家だけでなく、開発者全員の力を結集した結果だと思う
    • まだ公開されていない曲・OSTに収録されていない名曲もたくさんあるので、今後もOSTアルバムを制作していきたい
  • KARUT
    • 初めて参加した「ブルーアーカイブ」のOSTが現物ででると聞いてとても嬉しかった
    • ゲームのBGMとして参加することとOSTとしてリリースすることは、ずっと夢だったので感慨深かった
    • Mitsukiyoさん・Norさんを除いた私の曲に対する高い評価は正直全く予想していなかったし、また、ここまでゲームのOSTに注目していただけるとは思っていなかった
    • この場を借りて、改めてOSTに対する評価に感謝したい
  • Nor
    • 私たち同士で冗談で「私たち、曲作り上手すぎるんじゃないか~」と励まし合い"自己洗脳"をしていた(笑)
    • こんなに大きな関心を寄せていただき、ただただ感謝しかない

グローバル版0.5周年記念イベント「サウンドアーカイブ」について Edit Edit

  • isakusan
    • 全体的な企画はキムヨンハ統括PDがNexonと一緒に進めた
    • タイトなスケジュールだったが多くの方のおかげで成功裏に終えることができた
  • Mitsukiyo
    • 「グローバルサービス0.5周年を記念して、ユーザーの皆さんに何を伝えようか? 音楽会をやろう!」という単純な企画から始まった
    • 演奏した曲は、グローバルサーバーで公開されている中からバンドアレンジが似合う曲、その中でもライブで演奏しても問題ない曲を中心に選んだ
  • KARUT
    • Mitsukiyoさんからの依頼でDJとして参加した
    • その時に作ったメドレーは、「AGF*35」の時にDJパーティーでも演奏したし、その他のDJパーティーでも披露している
    • 音楽会では5分くらいしか時間がなかったので、僕が手がけたいくつかのBGMをメドレーでリミックスすることにした。撮影の前日まで修正して作業していた。
    • 会場を貸し切って映像を撮影したり、カメラがいっぱいある場所でDJをしたり、すべてが初めてだったので、不思議なことばかりだったように思う
    • 作曲家3人がオフラインで久しぶりに一堂に会するきっかけにもなった
    • 公式YouTubeに出たり、リアルタイムでチャットを確認しながら反応を見たりと、楽しい体験がたくさんあって個人的にはとても有意義なイベントだった
  • Nor
    • 実は僕は楽しくDJをしてきただけなので、僕よりもバンドセッションの方々とMitsukiyoさんの苦労が多かったかも(笑)

最後にインタビューを読んだ方に一言 Edit Edit

  • isakusan
    • 音楽は私も一人のリスナーの立場で毎回感心しながら聴いている
    • ゲーム開発というのは大変で孤独で苦しいことも多いが、良い音楽や良いアートに触れると、その都度、素晴らしいクリエイターが自分と同じ目標を見据えていることを実感する。その「高揚感」が、ゲーム開発を続ける原動力になっているのではないかと思う。
    • つまり、良いクリエイターの方々と一緒に良い作品を作ることができて光栄(笑)
    • ここにいる作曲家の皆さんに改めて感謝する
  • Mitsukiyo
    • まずは、たくさんの関心と愛をありがとうございました
    • 人生で一番大切な時期に、いい人たちとご縁があり、一緒にいい作品を作っていけるのは幸せなことだと思う
    • 作曲家として「ブルーアーカイブ」でお見せしたいこと・聴かせたいことがたくさんあるので、これからも楽しみにしていただければ
  • KARUT
    • インタビューをいただけることになり、とても嬉しい
    • インタビューは初めてなので、中途半端に答えてしまったような気がするし、楽曲の話は「カイテンジャー」の話ばかりしてしまったような気がする(笑)
    • 普段の仕事を思い出しながら、当時のBGMを作るときの感想や思い出を振り返るきっかけにもなり、いろんな意味ですごくいい経験になった
    • この場を借りて、「ブルーアーカイブ」開発チーム、そして「ブルーアーカイブ」の先生方に心から感謝したい
    • 今後、清渓川の人食いズワイガニやピラニアに遭遇しないように、より多様な活動と良い姿をお見せできるように努力していきたい(笑)
    • 先生方!これからも「ブルーアーカイブ」をよろしくお願いします!ありがとうございました!
  • Nor
    • これからも「ブルーアーカイブ」と作曲家の方々をよろしくお願いします
    • isakusanには、次の「イズナ」のピックアップ曲として「IZUNA DAISUKI」を作る機会をいただければ、一生懸命作る自信があることを伝えたい
  • isakusan
    • うふふ、参考にさせていただきます
  • Nor
    • いつもありがとうございます!

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最新の20件を表示しています。 コメントページを参照

  • このページ作った人に拍手 -- [dnNPAgrNhaM] 2025-03-04 (火) 23:47:27
  • Yostar CEO とのインタビューのリンク先が違っていて元の記事が読めない -- [IVlje59Tslg] 2025-05-16 (金) 02:36:47
    • ミスってました なおしました -- [NtQc/qNKjd2] 2025-05-16 (金) 02:42:56
      • 編集ありがとうございます
        元の記事探せなくて助かりました -- [IVlje59Tslg] 2025-05-17 (土) 00:59:36New
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*1 始まりと終わりで表現の繰り返しや強い関連があることを指す。ドラマ・ゲームなどの場合、終盤のクライマックス付近で、プロローグや始まり付近のシーンを想起させるような繰り返し表現をすることがそれにあたる
*2 韓国語版の最終編タイトル「그리고 모든 기적이 시작되는 곳」の直訳
*3 詳しくは韓国Namuwikiの미연시のページを参照
*4 韓国Namuwikiの코레류 게임のページも参照。ただし、本講演ではnamuwikiの記載にあるような狭義のガチャを伴わずにキャラクターを獲得できるゲームではなく、ガチャによるキャラクター獲得を含むゲームも指して「コレクション(収集型)ゲーム」と呼んでいる
*5 ギリシャ神話に登場する人物。シーシュポスとも呼ばれる。神を欺いた結果、奈落で岩を山頂まで運ぶよう命じられるが、岩は山頂付近まで行くと転がり落ちてしまうという終わりのない罰を受けるエピソードがある。「シーシュポスの岩」といえば、日本で言うと「賽の河原の石」のような終わりのない苦行を象徴する。
*6 日本版の「あまねく奇跡の始発点」や英語版の「Where All Miracles Begin」と比べると、冒頭の「그리고(そして)」の有無が最も異なる。ニュアンスについては、この部分のみを指しているのか、そもそもシナリオ全体を通して伝わる部分を含めているのか、韓国版のシナリオを読む能力がないためこの注釈を書いた人間にはわからない。有識者による補足があればほしい。
*7 始まりと終わりで表現の繰り返しや強い関連があることを指す。ドラマ・ゲームなどの場合、終盤のクライマックス付近で、プロローグや始まり付近のシーンを想起させるような繰り返し表現をすることがそれにあたる。
*8 作劇パターンの一つ。世界中の多くの民話や神話に共通する「ヒーローズジャーニー」の構成をパターン化したものを、物語創作向けに整理しなおしたもの。
*9 スピノザは著作「エチカ」で「外的な刺激による受動的な感情」に支配されないよう、能動的な精神の働きである「理性」によりその支配から「自由」な人間になることを説いている。他者から言われた・されたことやそのほかの外部環境によって発生した感情に依らず、自らの理性で判断することを重視したといえる。
*10 つまり、本作における「古則」とは平たく言えば禅問答のような不思議な問いのこと。一般においては、古人が残した「古則」を禅の問題=「公案」として使ったため「公案」もほぼ同じ意味で使われることが多い。実際、メインストーリープロローグ最冒頭のシッテムの箱のアクセス時には、「ジェリコの古則を。」という本文とともに画面下部に "KOAN OF JERICHO" と表示されており、「古則」="KOAN"=「公案」であることがうかがえる。
*11 メインストーリー 最終編 3章10話を参照。
*12 制作におけるシナリオ・設定+IP管理のチーム
*13 北宋の欧陽脩が述べた「看多、做多、商量多」。「多商量」はたくさん工夫し推敲すること。
*14 記事によれば、「課金して手に入れたアイテム・キャラクターの性能が、時間が経っても落ちてはならないという主張」で、最近ゲーマーの間で話題になっていると記事には書かれている
*15 日本版リリース半年前の2020年8月のクローズドβでのアンケートで一部の3Dキャラクターが少しぽっちゃりしているようなという指摘があり、その後2020年12月には3Dモデルのダイエットをしたという報告がユウカの修正前・修正後の画像とともに届けられた
*16 詳しくはナムウィキの「이불킥(布団キック)」を参照
*17 本来はプロテスタントの一派のことだが、ここでは救世軍が行うクリスマスの慈善活動のことを指していると思われる
*18 韓国SBSの番組「ペク・ジョンウォンの路地裏食堂(백종원의 골목식당)」のパロディと思われる。元ネタの番組は、料理研究家兼実業家のペク・ジョンウォンが路地裏の寂れた飲食店を再生させるグルメバラエティ
*19 原語タイトル:[나를 이끌어준 책] MX 스튜디오 IP실 시나리오팀 오현석님의 ‘풀 메탈 패닉’ 시리즈
*20 興行的に大きな成功を収めた映画を指すが、特にハリウッドの大衆娯楽映画、例えばトップガンとかバック・トゥ・ザ・フューチャーといった類の映画を指す。wikipediaなどを参照
*21 ゲームディレクターのイム・ジョンギュDいわく『実は、「パヴァーヌ」の2章は当初の開発スケジュールになかったものでした。(中略)物理的に不可能だと一度は実装を見送りました。ところが、isakusanが「どうしてもやりたいです!」とシナリオのあらすじを持ってきて、「10話くらいの分量なら日程を詰めればできる」。そう考えて開発を始めました。しかし、当初10話の予定が、気が付けば「25話+歴代最多カットイン+歴代最多3D演出追加」に……一体どうしてこんなことになってしまったのでしょう。』「ブルーアーカイブ オフィシャルアートワークス2」P.312 より
*22 Mx2J氏は2022/5/11に腕をギプスで巻いた写真をツイートしている
*23 原語「학원, 학생, 그리고 기적 같은 이야기 기적 같은 일상」の直訳。ちなみに日本語版は「何気ない日常で、ほんの少しの奇跡を見つける物語」
*24 先行する日本版では通称「ヤケクソ補填」により、固有武器★3になるのに十分な神名文字が先生全員に配布された経緯がある。詳細は俗語集#ヤケクソ補填を参照
*25 昔からあるギャンブルの一種。3つのコップ等の覆い隠す物を用意し、コインや豆などに1つを被せて、場所を素早く入れ替えた後に当たりを当てさせるゲーム。往々にしてイカサマが行われるものとされる。英語では Three Shell Game と呼ぶ
*26 遊園地によくある、車体の周囲をバンパーで覆った車。クロの「突進だぁ!!!」で出てくるアレや、よく見ると左上背景にもあるアレ
*27 日本語「ぼっち」がそのまま輸入語になっているが、「ひきこもり」のニュアンスが伴うこともある
*28 17世紀後半に李氏朝鮮で発生した、朝廷儀礼に関する論争。政争の火種となり、血で血を洗う報復戦の元となった。中央日報の記事などを参照
*29 日本版リリース前のクローズドβテスト結果を受けて、SDキャラの太ももを細くする改善を行った際の画像例としてユウカが使われた
*30 ヒナタの衣装にもあるような、サイドスリットとガーターベルトを組み合わせたデザインのこと
*31 DJMAX などの音ゲーのコンポーザーもされているTAKさんのこと
*32 Nor氏は記事解説動画(54分0秒~)で、「このパチンっていうコインの音はすごくフューチャーベースというジャンルでいっぱい使われるサンプリングの一つ」「僕の曲でもいっぱいある」「なんでなんか(邪推されるのは)かわいそうだなって思うんだけど(笑)」と述べている
*33 本文では「ユメの喫茶店」シリーズ1作目について語られているが、2作目「Blossom Tea Time」3作目「Dreamścape」もリリースされている
*34 Nor氏自身による記事の翻訳解説配信において以下の旨を語っている。「ブルーアーカイブでは自分の色やスタイルをめちゃくちゃ出して曲を作っており、それでもユーザーが曲を好きで聞いてくれているので、自分のスタイルで作曲してもユーザーが好きで聞いてくれるという確信が生まれた。自分のスタイルや曲を大切にするきっかけとなったのが本作かもしれない」
*35 韓国のアニメ・ゲームフェス「Anime x Game Festival」。2022年に行われたAGF 2022において、KARUT氏は12/3・12/4の両日にDJパフォーマンスを行った。

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Last-modified: 2025-05-05 (月) 16:56:33